2008年09月03日 (水) | Edit |
H. サダーティッサ著 桂紹隆・桂宥子訳「ブッダの生涯」立風書房より(34)


この逸話は、ブッダが瞑想に必要不可欠な静けさや精神集中
のための諸要素を定義する絶好の機会となった。

いつものとおり正確に、ブッダは五つの要素を確定した。
 ①円熟した悟りへの道の先輩たちと交わること。
 ②感官の抑制。
 ③激情を離れ、〈正語〉を実践すること。
 ④〈正精進〉を実践すること。
 ⑤人生は苦であるという〈第一の尊い真理〉を見きわめること。

いまや多くの人から慕われる忙しい師となったブッダは、
信頼のおける専属の侍者を必要と感じていたにちがいない。


先の事件は、ブッダが二十年間続けてきた習慣がよくないことを
示したにすぎない。

さらに、彼はすでに五十五歳を過ぎていた。そこで、ジェータヴァナ
僧院に滞在中、侍者を任命したいという意向を明らかにした。

二大弟子のウパティッサとコーリタが、「お仕え致します。」と申し
出た。しかしブッダは、彼らの果たしている役割は重要なので、それ
を犠牲にすることはできないとことわった。

他の指導的な僧たちが申し出ても、同じようにことわられた。
最後に、アーナンダの名前が挙げられた。慎み深い彼は、出しゃばら
ずにブッダの指名を待っていたのである。

アーナンダは、ブッダの父であるスッドーダナ王の弟、アミトーダナ
の息子であった。アーナンダという名は〈喜び〉を意味する。そう
名付けられたのは、彼の誕生が両親に大きな喜びをもたらしたからだ
といわれている。

ブッダが故郷を訪れたとき、サキャ族の他の王子たちとともに、
アーナンダも僧団に加わったのであった。

アーナンダは、ブッダのために献身的に尽くした。任命されたとき
からブッダの死に至るまで、常にブッダに仕え、部屋の世話をやき、
鉢や衣を洗い、身体をももほぐした。用ができるのにそなえて、
いつもブッダのそばを離れなかった。

後にブッダは、アーナンダのことを、学識があり、注意深く、行儀
よく、意志の堅い弟子だと述べている。

またアーナンダは、女性の出家が正式に許可されるときに、重要な
役割を果たしたことで有名である。しかし、一方では、この難題に
かかわったために、一部の人びとから多くの批判をうけることにも
なった。おそらく、少数の仲間の僧たちの不満のはけ口、犠牲(スケ
ープゴート)にされたのであろう。

ところで、経典によるとアーナンダはあまりにも献身的であり、
瞑想の時間をじゅうぶんにとれず、ブッダの存命中には悟りに
達しなかったという。アーナンダはブッダの死後はじめて悟り
をひらくのであった。

五百人の聖者がブッダの教えを読誦し、後世のために記憶する最初
の集会(第一結集)がブッダの死の数か月後に開かれたが、アーナン
ダはそこで首尾よく活躍することができた。



次回につづく


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テーマ:宗教・信仰
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