2008年08月14日 (木) | Edit |
宇野千代著「天風先生座談」二見書房より (54)


どんなことがあっても私は、体の具合の悪いことを
言ったことがない。

私の体を診てくれている医者にきいてごらん。
先生はどこか悪そうだ、と家の人たちが言ったとき、

「ご気分は、」
「ごらんのとおり、」
「食欲は、」
「生きているから食ってるよ」
「夜は、」
「よく寝るよ。」


どこが悪いと言うことを、一ぺんも言ったことがない。
医者もはじめはこまった。何も言わないんだもの。
深く問うと、

「あんた、医者だろ。見た眼のとおりだ。私が痛いと言っても、
助けてくれるどころか、あなた方、心配するばかりだよ。
言ったからといって、何も助けてくれやしないよ。だから、
言わないんだ。」

しょっちゅう、ごらんのとおり、にこにこしている。
私は声を荒げて起こると言うことはないのであります。

こういう講演をするから、
厳格でうるさい人間のように思うだろうが、
家の中で一番愛嬌のあるのは私だ。
私と家の犬だけだ。

私には、この世の中に、命がけで怒るようなことはないもの。
怒るたびに血が汚されて来る。
そんなことはいやなこった。

あなた方の心の中は、探してごらん。
彼奴憎い、此奴が気に入らない。
好きな人は少ししかいない。

とにもかくにも、自分の生命は自分が守らねばならない。
そのためにも、いやしくも消極的な、
自分の命をスポイルするような表現をしないこと。

同時に、それを実行に移す際には、
不平不満を絶対に言うなかれ。

不平不満を絶対に言うやつにかぎって、下を見ないのです。
上ばかり見ている。世の中には俺より仕合せなやつがいる。
俺より悪いことをしやがって、儲けているやつがいる、とかね。

それで、自分が一番、何か恵まれてないように思うけれども、
静かに下を見てごらん。
食うにこまっている人間はどれだけいるか。
病人で、いま死のうとしている人もいる。

監獄でもって、働いている人もいる。
世界のどこかには、死刑の宣告を受けて、
いま首を絞められている人もいる。

それを、暑からず、寒からず、いわんやまして、
世界中の医師階級が求めていて得られない、
こういうユニークな人生講話を聞いている、
この幸福を考えたら、何も言うことはないだろう。




次回につづく


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ジャンル:心と身体
コメント
この記事へのコメント
いつもにこにこしている
天風先生が家庭でもいつもにこにこしていたかどうか
は、本当のところはわかりません。

でも九十二歳まで健康に生きられたのですから、
とても心境良く日々をすごしておられた事は
間違いないことでしょう。

不平不満を絶対いうな!ですか、先ずは
不平不満をいっているとき、しっかり気づいて
いたいです。


2008/08/18(Mon) 17:44 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
天風先生
ごらんのとおりいつもにこにこしている・・とご自分でいわれていますけど、こんなこともわからんのか!と威圧的に感じる表現が多々あると感じるのはやまんばだけでしょうか^^。みんなの幸せを早く実現させてあげたいというやさしさから、このような表現をされているのでしょうね。こうやればいいということをやれないでいるのが人間なんでしょうね^^^^。

自分の命は自分で守る・・・そのためには
不平不満を絶対いうな!

む む 
むつかしい・・けどこれが幸せの秘訣なのだから、やれるだけやってみましょう。
2008/08/18(Mon) 09:14 | URL  | やまんばさん #-[ 編集]
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