2008年08月04日 (月) | Edit |
H. サダーティッサ著 桂紹隆・桂宥子訳「ブッダの生涯」立風書房より(24)


商人は準備の指図を終えて、
やっとアナータビンディカにあいさつにやって来た。
そして、この大騒ぎの理由を説明した。

アナータビンディカは、すぐに好機心に駆られ、
翌朝ブッダに会うために、
〈竹林の園〉へ出かけていった。

ブッダは外を散歩しており、
アナータビンディカがやって来るのを見ると、
「いらっしゃいスダッタ」とだけ言った。

親しく名前を呼ばれたのに驚き、
そして喜んだアナータビンディカは、

ブッダの足元にひれ伏して教えを受け、
やがては在俗の仏弟子となった。


アナータビンディカはサーヴァッティーという町にすんでいたが、
今後、雨季の間はそこに滞在するようにブッダを招待した。
ブッダはこれに同意した。

サーヴァッティーにもどるとアナータビンディカは、
どこかブッダとその弟子たちを宿泊させる場所はないかと
探し始めた。そしてついに理想的な場所を見つけた。

それは、ジェータ王子が所有する遊園であった。王子は高い代価を
要求した。つまり、その園にじゅうたんのように金貨を敷きつめれ
ば売ろうというのである。

つづいて、ジェータ王子が実際このような条件で遊園を売る契約を
正式にしたかどうか争いが起こる。しかし、問題は解決し、アナータ
ビンディカは、金貨を荷馬車に積んで遊園に持ってこさせた。

すべての金貨を遊園に敷きつめたところ、門の近くに小さな空間が
残ってしまった。アナータビンディカは、もっと金貨を持って来る
ように召使いに言った。しかしジェータ王子もこのときには、これ
が普通の取引きではないことに気がつき、残りの土地を贈呈した。

のちに王子は、そこに楼門を建てさせた。一方アナータビンディカは、
遊園内に僧団のために住居などの施設を建てさせた。ここはジェータ
ヴァナ僧院(祇園精舎)として知られるようになる。以来、そこは
ブッダの活動の一大中心地となった。

ブッダの教えに帰依する者は、いろいろな経歴をもって、あらゆる
環境からやって来た。当時のひとの目に映ったもっとも著名な帰依者
のひとりは、ウパーリであったにちがいない。

ブッダが教えを広めるために北インドを旅していたのと同じ頃、
もうひとりの偉大な指導者が、小規模ではあるが、仏教同様いまなお
盛えるひとつの信仰を懸命にうち立てていた。ジャイナ教の始祖
マハーヴィーラである。

ジャイナ教は、どんな生き物も傷つけない〈不殺生〉主義を厳格に
守ることで、おそろらくもっとも知られているであろう。(たとえば
正統派のジャイナ教徒たちは、不注意に昆虫を吸い込まないように、
口に小さな布きれを当てている。)ウパーリは、マハーヴィーラの
高弟であった。

ブッダが、ナーランダー(後に有名な仏教大学が建った場所で、今でも
その旧跡を見ることができる)の近くに滞在していたとき、ウパーリは
ブッダの説法を聞く聴衆の中にいた。

彼はたいへん感銘を受けて、ただちに弟子になりたいと申し出た。




次回につづく


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テーマ:宗教・信仰
ジャンル:学問・文化・芸術
コメント
この記事へのコメント
ジャイナ教(Jainism)
なつ椿、育ってくれたらよいですね。


私がまだ中学生だった頃、伯父が「仏教はインドでは滅んでしまったが、
仏教と同時代に開かれたジャイナ教は、今でもインドで根強く信仰され
ているんだ」と語っていたのを思い出します。二千五百年もの長い間
信仰され続けているというのはすごいですね。

マハトマ・ガンディーは、ジャイナ教の非暴力の教義に感化されて彼の
非暴力主義を打ち立てたといわれます。


ジャイナ教とは、仏教の開祖釈迦とほぼ同時代のマハーヴィーラ(ヴァルダマーナ、前6世紀-前5世紀)を祖師と仰ぎ、特にアヒンサー(不殺生)の誓戒を厳守するなどその徹底した苦行・禁欲主義をもって知られるインドの宗教。

仏教と異なりインド以外の地にはほとんど伝わらなかったが、その国内に深く根を下ろして、およそ2500年の長い期間にわたりインド文化の諸方面に影響を与え続け、今日もなおわずかだが無視できない信徒数を保っている。


マハーヴィーラという名前をいま我々が賞賛してやまないのは、彼の教えがアヒンサーの教えそのものだったからです。不殺生の哲理を誰よりも徹底して実践し、そして誰よりも広く伝えた者がいたとすれば、それは彼をおいて他にはおりません。 マハトマ・ガンディー

インドには、移動はすべて歩行に頼るという一宗派があります。かれらは列車も飛行機もその他の乗り物も使わず、そして呼吸によって昆虫を殺さないよう、マスクを着用しているのです。そのグループの何人かが合いに来たことがあるのですが、その人たちははるばる800マイルも歩いてきたということでした。 ジッドゥ・クリシュナムルティ

「すなわち、思考、言語、行為を善にして、語ることなき動物のみか、植物にまでも信切にするなり。この動植物を憐れむことは、仏教もまたこれをいうといえども、ジャイナ教は一層これを弘めたり。すなわち動植物みな霊魂ありとみて、病獸のために医療を立つるを慈善業とす。階級の差を持って得道を妨ぐることなく、誰人にても涅槃に入り得ると主張す」 南方熊楠


ジャイナ・ギャラリーへようこそ
http://narajin.net/g2data/main.php

ジャイナ教に関する様々なイラストや写真などをご覧いただけます。
保存することもできます。


2008/08/04(Mon) 18:16 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
ブッダとアナータビンディカの出会い
ここを読んだとき、スーとあたかもそこにいるような感覚がしました。どこかの木の上で二人を喜んでみている・・アナータビンディカが名前を親しく呼ばれ
いっぺんにブッダが好きになった^^この人物に、やまんばは親しみを感じました^^^。

祇園精舎、なつ椿の花・・調べて遊んでみました。

なつ椿が好きだから、自分の身近な台所のすぐ側に植えたのですが、あいにく西日があたり、十年前より半分の背丈(一メートルくらい)になってしまいました。瀕死の状態だったのですが、今年は新芽が一本伸びて、花がたくさん咲いてくれました。
「がんばれ~~~~。死なないでね~~~」
と水をやっているのですが、そのまま育ってくれたらよいのですが・・・。
2008/08/04(Mon) 09:30 | URL  | やまんばさん #-[ 編集]
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