2008年07月11日 (金) | Edit |
H. サダーティッサ著 桂紹隆・桂宥子訳「ブッダの生涯」立風書房より(20)


食後ブッダは居合わせた人びとに説法した。

そこにはヤサの母親と妻(ヤサが俗世の絆を断った今は
前妻であるが)がおり、さらに、五十四人のヤサの友人
も居合わせた。

この五十四人も大そう感銘を受けて、全員が僧になりた
いと申し出た。僧団は一挙に六十人にふくれ上がったの
である。

後にこれらの人びとが悟りに達すると、
ブッダは次のように告げたといわれる。


「僧たちよ、行け。そして、あらゆる衆生の幸福のために、
真理を説け。真理は、はじめもすばらしく、中頃もすばらしく、
終わりもすばらしい。

この世には目が塵でくもっていない人もいる。
そのような人びとに教えを説け。彼らなら理解するであろう。」

ブッダは、当時の他の宗教の師と同様に各地を歩き回り、耳を
傾ける者には誰にでも教えを説いた。四十五年の布教活動の間、

雨季は旅をやめて僧たちとともに僧院にこもったが、それ以外は
北インドや東インドをくまなく旅した。

ブッダは、まず鹿園からウルヴェーラーまで、ゆっくりと旅をした。
その途中、とある森の中で休もうとすると、たまたま一団の人びとが
そこで遊山を楽しんでいた。

三十人の男性がそれぞれに妻を伴って来ていたが、中にひとりだけ、
遊女を連れていた者があった。この遊女は、誰にも気付かれずに連れ
の男のものを盗ると、逃げてしまった。

やがて盗みが発覚し、皆は遊女を探しに出かけた。あわただしく探し
まわっているうちに、木の下にすわっているブッダに出会った。
これまでの出来事を説明し、遊女を見かけなかったかとたずねると、
ブッダは答えた。

「女性を探し求めるのと、自己を発見するのとでは、どちらが大事だ
と思いますか。」おそらく、この答えは意外であったにちがいない。

しかし、人びとは〈自己〉の発見の方が価値があると同意したので
あろう。遊女を探すのをやめて、ブッダの話に耳を傾けたのである。

やがて全員がブッダの教えに帰依し、男たちは僧団に加わることと
なった。

ウルヴェーラーには、有名な三人の聖者がいた。その宗派の人たちは、
特殊なやり方で髪を結っていたので、〈結髪の苦行者たち〉〈結髪
外道〉と呼ばれていた。

三人は全員カッサパといった。中でももっとも有名なのは、ウルヴェー
ラーのカッサパで、五百人の弟子を従えていた。他のふたりは川(ナディ)
のカッサパ、ガヤーのカッサパといい、それぞれ三百人と二百人の弟子を
従えていた。

三人は弟子とともに仏陀の教えを聞き、僧団に加わった。




次回につづく


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ジャンル:学問・文化・芸術
コメント
この記事へのコメント
自分をみつめていたら
「生かされて生きているんだ」と感じるわたしです。
「人生は、自分の思いを超えてある」とわかっていても、

自分の思いでどうこう出来る人生じゃないと頭でわかっていても、
自分の力で生きているという立場をなかなか出ることが出来ません。

自分をみつめていたら
どこまでも自分の思いで人生を運ぼうとしているわたしがいます。
 
それでも、そういうわたしを気づかせてもらえるだけで、
ほんの少しづつ違ってきていると思うのですがいかがでしょうか?

自分にとらわれ、自分の思いを離れることの出来ない自分を、
みつめていく。

もういっぱしになったつもりで、自己観察が出来ているなんて
うぬぼれていたら、これこそエゴの餌食になっているのだと思う
のですが、いかがでしょう?



明け渡す事で
未来の不安は払拭される。
受け入れる事で
過去の過失は終了する。
ああ、偉大なり。

・・・・・・岩城和平



2008/07/11(Fri) 20:36 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
人それぞれ^^
悟りに至る道は各自に用意されてあり、それぞれ、その道をたどっていけばいいのだと思うようになりました。
ろくろくさん、わかりやすい仏教のちがいのお話の紹介、ありがとうございます。
自分を見つめていたら、感情の起伏の原因がわかるときがあります。すべては自分が自分をがんじがらめにしていることに気がつくようにもなりました。
ガンの男の人もかなり抑圧されていたのだと思います。きっと楽しかったことでしょう^^^^。用圧の原因もそのことからの解放の方法もまた各々ちがうのだと思います。
自分をみつめていたら、その方法への導きもきっとある!そうやまんばは思うのです。
あらゆる現象は自分が造り出しているのだと、さまざまにわきおころ感情をみながら、思えるようになりつつあります。すっかり忘れて感情の嵐に飲まれることもありますが、マテマテ。。と、えーと、どうすればいいのだったかなあ・・とちょっとたちどまる。目下、訓練中です。

人、それぞれ。みんな平等なのだと思います^^^、
2008/07/11(Fri) 07:19 | URL  | やまんばさん #-[ 編集]
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