2008年07月10日 (木) | Edit |
H. サダーティッサ著 桂紹隆・桂宥子訳「ブッダの生涯」立風書房より(19)


仏教僧になるとは、僧団(サンガ)の一員となることである。
僧団とは、ブッダが規定した戒律に従って生活する修行僧
の組織的団体、一種の修道会である。

五人の苦行者が帰依した後、僧団は急速に拡大した。
五人は熟練した真理の探究者であり、
ガウタマ自身の旧友でもあった。

だからブッダが鹿園で最初の説法をしたとき、すでに帰依
する素地をじゅうぶんもっていたことはいうまでもない。

しかしその後は、一見、宗教生活に対する特別な素地のない
人びとが、日々の生活に明け暮れているうちに偶然ブッダと
出会い、帰依した者の多いことが注目される。


瞑想の生活のため俗世の快楽を捨てるという考えは、
当時はとりわけめずらしいものでもなかった。

したがって、ブッダの教えの急速な広まりと信者の増大から
推測すると、そこには特別に力強く、魅力的な何かがあった
にちがいない。

それはおそらく、ブッダの説得力があり、現実的なしせいで
あろう。彼の説法の中にみられる多数のたとえ話も、それを
裏付けている。

ブッダの人をひきつける強烈な個性は、全世界へむけての
布教活動の開始となった説法からもうかがい知ることができる。
この説法は、五人の苦行者が帰依した後ブッダが最初に行なっ
たと記録されている。

その朝ブッダは、ベナレス近郊の鹿園ですわっていた。
すると、ヤサという若者が通りかかった。

ヤサは典型的な有閑階級、うんざりするほどの財産を持っては
いるが、人生に他にどんな可能性があるか知らない者であった
ようだ。

しかし、ブッダの説法を聞くや否や、これまでの生涯の無益さ
を悟り、即座に仏教僧になることを願い出た。

一方、ヤサの両親は息子の失踪に驚き、父親が探しに出かける
ことになった。夕方近くになって、父親はブッダに出会った。
ブッダはヤサが僧になったと告げ、父親にも説法を始めた。

その結果、父親は在俗の仏教徒になろうと決心する。
そして、今では六名になった僧たちとともに自宅に食事に来る
ようブッダを招待した。

後々、信徒に歓待されたら〈感謝〉の説法をするのが仏教僧たち
の習慣となった。おそらくはヤサの父親の招待が、この習慣の
はじまりであろう。



次回につづく


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コメント
この記事へのコメント
小乗、大乗、密教の違い
前回のコメントで
仏教は大きく三つに分けることができる。

1、小乗仏教(上座部仏教、テーラワーダ仏教)
2、大乗仏教(浄土真宗、禅宗)
3、密教(天台宗、真言宗、チベット密教)

ということをお伝えしたのですが、
それぞれの違いがいまひとつ分からないという方も
いらっしゃるようなので、重ねてご説明いたします。

小乗仏教と大乗仏教の違いをひろさちやさんでしたか
「病気」を例にして説明しておられましたよね。

小乗では、病気を治すのに入院(出家)が必要だと言う。
お酒は禁止、セックスもダメ、女性は当初、入院(出家)
もゆるされなかった。

一方大乗(日本密教も含む)では、病気を治すのに通院(在家)
でもよいと言う。お酒はほどほどならよかろう。セックスは
奥さんとならいいですよ。女性の方の通院も受け付けます。

さて密教ですが、(ここからはろくろくの独断と偏見による
ご説明であります。)病気を治すのに通院も入院も必要あり
ません。お酒もセックスもお好きなように自己責任でどうぞ。
病気を治すのにまったく道徳や慣習にとらわれないでよい。
(人殺しをしてもよいという意味ではありません。)

ガンで余命いくばくもないと宣告された男性患者が若い女性
(もちろん奥さんではない)と、どこぞかの国で好きなだけ
セックスしたら、ガンが治ってしまった。という話を耳に
しました。

「病気を治す」という変わりに「悟る」という言葉を当て
はめてもよいかもしれません。


う~~~ん。やまんばさんには喜ばれないかもしれませんね。



2008/07/10(Thu) 16:51 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
人をひきつける強烈な個性
不思議な魅力の持ち主だったのでしょうね。
それこそ、言葉を越えた理解・・・ついて行きたくなる人だったのでしょうね。

ろくろくさん、仏教もたくさん道に別れて伝来していったのですね。紹介ありがとうございます。どこを開けても、表面にふれるのがセキノヤマで、一歩はいると奥が深かそうで、本当に何もしらないのだと、しみじみ思います。

今日の言葉・・・気に入りました。
2008/07/10(Thu) 07:12 | URL  | やまんばさん #-[ 編集]
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