2008年07月08日 (火) | Edit |
H. サダーティッサ著 桂紹隆・桂宥子訳「ブッダの生涯」立風書房より(17)


中道を説明するために、
ブッダは五人の弟子に次のように語った。

「出家者が避けなければならない両極端がある。

一つの極端は感情、ことに愛欲のおもむくままに生活すること。
これは下品、野蛮、無益であり、俗世の人びとにのみふさわしい
ものである。

もう一つの極端は自分自身をいためつける苦行である。
いたしたしく、見苦しく、これもまた無益である。」


もちろんこれらの両極端は、ブッダが実際に体験したことであった。
愛欲の性格とは、ブッダが若い頃に体験したものである。
厳しい苦行の放棄こそは、今彼に聞き入っている五人の弟子たちを
憤慨させたものである。

ブッダが愛欲の生活を否定したのは、悟りへの道の妨げとなるから
であり、苦行を否定したのは知力を衰えさせるからである。

快楽にふけることと、自分自身をいためつけることという両極端に
代わるべき道が、八正道である。それらは普通、次のように名付け
られる。

すなわち、正しい理解(正見)、正しい思考(正思)、正しい言葉(正語)、
正しい行為(正業)、正しい生活(正命)、正しい努力(正精進)、
正しい注意(正念)、正しい精神集中(正定)である。もう少しくわしく
説明しよう。

〈正見〉とは人生をあるがままに見ること、四聖諦に要約されている
生存の本質を語ることである。

〈正思〉とは清らかな心を意味し、悟りへの道を妨げるさまざまな
感情、すなわち肉欲、敵意、残酷さなどをなくすことである。正思は、
正見、正精進、正念と密接に関連している。

〈正語〉とは、言葉において正思と同様の鍛錬をすることである。
人は、うそ、陰口、くだらないうわさ話などを慎み、親切で寛大な
態度で人びとに話しかけるべきである。大声で話したり、興奮して
話したり、独断的に話したりしてはいけない。

戸外で群集に話しかけるときによくあることだが、他人の感情を
たきつけることも避けるべきである。したがって正語は、政治家や
扇動者が達成するのはむずかしいであろう。

〈正業〉は五つの戒めにわけられ、それぞれ否定的な面と肯定的な
面とがある。〈五戒〉は、まず①殺生を禁じ、すべての生物に対する
憐れみと親切を勧めている。次に②盗みを禁じ、布施を勧め、③性行
為を禁じ、④正直、誠実を勧め、⑤酒や麻薬の使用を禁じている。

このうち特に殺生と淫らな性行為を避けることが強調される傾向が
あるけれども、五戒はより高度なものを求める弟子たちにとって、
すべて重要なものである。正業はまた、八正道の他の段階、とりわけ
正見、正精進、正念と関連している。



次回につづく


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テーマ:宗教・信仰
ジャンル:学問・文化・芸術
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この記事へのコメント
原始仏教は日本に伝来されなかった
仏教は大きく三つに分けることができます。
1、小乗仏教(上座部仏教、テーラワーダ仏教)
2、大乗仏教(浄土真宗、禅宗)
3、密教(天台宗、真言宗、チベット密教)


お釈迦さんが説かれた仏教を原始仏教という言い方
をしますが、原始仏教の形がそのまま残っているのが
タイ、ラオス、ミャンマーなどで今でも信仰されている
上座部仏教(小乗仏教)です。

上座部仏教では戒律がとても厳しく守られていますが、
日本の仏教では、特に親鸞さん以降は有名無実になって
しまいました。

河合隼雄さんは彼の著作「明恵 夢を生きる」のなかで、

「親鸞は…戒を破ってもなお救われるという信仰をもつこと
になる。……他の宗教もこれに便乗したのか、戒に対する
何らの論議も反省もなく、なしくずしに戒を放棄してしまって
今日のような状況になった。」

と述べておられます。

やまんばさんの混乱は無理もないことでありますが、
いまブログでご紹介しているお釈迦さんが説かれた原始仏教は
日本では、伝来されなかったということであります。


上座部仏教 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E4%B9%97%E4%BB%8F%E6%95%99


2008/07/08(Tue) 21:56 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
八正道と理趣経
理趣経のはじめには、「欲望は浄らかなり」とかかれている。すべての欲望を肯定されているようにみえる。

八正道では「正見」「正思」「正語」「正業」「正命」「正精進」「正念」「正定」と教えておられ、愛欲のおもむくままに生活したり、自分自身をいためつける苦行を避けるように述べられ、五つの戒めもいわれる。
一見矛盾してるように感じるのですが、そんなわけはないはずだし、単純なやまんばの頭は混乱しています。
2008/07/08(Tue) 07:38 | URL  | やまんばさん #-[ 編集]
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