2008年07月03日 (木) | Edit |
H. サダーティッサ著 桂紹隆・桂宥子訳「ブッダの生涯」立風書房より(12)


やがて、彼らはウッダカ・ラーマブッタという、
もうひとりの有名な師に出会った。

ウッダカは、アーラーラより一歩進んだ瞑想の
修行を説く学派の指導者であった。

これは〈知覚でも非知覚でもない状態〉
〈非想非非想処〉と呼ばれ、この学派の創始者
であるラーマによって達成されたと言われていた。

しかし、ラーマが師の直前に弟子たちをゆだねた
ウッダカでさえ、まだその境地に到達しようと
努力している最中であった。


ウッダカの指導のもとに、ガウタマは〈非想非非想処〉に
達した。ウッダカは恥じ入って、ガウタマに一派の指導者
になるよう依頼した。しかし、これにもガウタマは満足せず、
ふたたび真理探究の旅に出たのである。

やがて一行は、ウルヴェーラーという所に至り、しばらく
留まることにした。そこは彼らの目的にふさわしい場所で
あった。

静かな森があり、手近に川があるので水に不自由せず、
近くの村では食物を托鉢することもできた。一行は庵を編み、
師の力を借りず、独力で悟りをひらこうと決心した。

肉体を痛めつける修行法は、これまで多くの人びとによって、
各地で実践されてきた。ガウタマが、仲間とともに最初に行
なおうとした修行もそれであった。

彼はまず、節食からはじめた。最初は日に一食に制限し、
それから、徐々に二日に一食、三日に一食と減らしていった。

食物を乞うのはやめて木の実、草の根、ある種の植物の葉など
の粗末な食事をとった。その結果、かつて健康であったガウタマ
のたくましい身体はやせ衰え、皮膚はしわだらけになった。

目は落ちくぼみ、ついには経典に生々しく描写されているように、
深い井戸の底に落ちた石のようになった。ガウタマは、ひどい
苦痛と飢えに苦しみはじめた。

彼の苦行はそれで終わらなかった。息を長い間止める苦行によって、
ついには頭が破裂しそうになった。また猛暑の季節に、日中は焼け
つく太陽の下で、夜は息苦しいほどむし暑い屋内で修行し、
冬には凍てつく水の中で沐浴した。

あえて肉体をいやしむために、ごみの山から、また火葬にふされる
死体からさえ、屑も同然のボロを拾い集めて身にまとった。



次回につづく


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ジャンル:学問・文化・芸術
コメント
この記事へのコメント
釈迦苦行像
やまんばさんのおっしゃるとおりで、
欲がなければ、向上もしないし、さとりだって得られません。

仏教は、もともと覚りを得たい、幸せになりたいといった、
欲を持つことに肯定的な教えなんです。
欲がなければ、成り立たない教えなのですね。

それなのに、いつの間にか、欲を捨てねば覚りを得られない、
ということばかりが強調され、一般庶民にはわかりにくい、
とっつきにくい教えになってしまいました。

密教は、その部分を修正した教えなのですね。
その代表的なお経が理趣経です。
http://www.sra.co.jp/people/aoki/Buddhism/RisyuKyou/RisyuKyou.html


「健康であったガウタマのたくましい身体はやせ衰え、
皮膚はしわだらけになった。目は落ちくぼみ、
ついには経典に生々しく描写されているように、
深い井戸の底に落ちた石のようになった。」

こうしたすざましい釈尊の苦行の様子がうかがえる石像が
パキスタンのラホール美術館に収蔵されている。
「釈迦苦行像」↓これです。

http://wadaphoto.jp/kikou/images2/paki62l.jpg (拡大できる)
http://www.arslonga.jp/monthly/hand/hand024.html




2008/07/03(Thu) 20:44 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
真理探究の旅
これもやむにやまれぬ 一つの欲の形なのでしょうか?それなら、欲とは 捉え方によってはとても大切なことだと思えてきました。
書道 華道 茶道 剣道 柔道などなど、道という字のつくものはすべて 真理探究の旅なのですね。
遊びも同じ。剣玉も縄跳びもゴルフなどのスポーツも上達していくに従って、宇宙の鼓動に自分も調和し、共鳴していってるのだとおもいました。
同じ境地、大いなるものに抱かれる至福を求めて、私たちは旅を続けているのですね。その過程で、執着から離れ、自己そのものに立ち帰っていくのではないかとおもいました。
2008/07/03(Thu) 07:20 | URL  | やまんばさん #-[ 編集]
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