2008年06月11日 (水) | Edit |
H. サダーティッサ著 桂紹隆・桂宥子訳「ブッダの生涯」立風書房より(10)


あらゆる世俗的な束縛から自由になったシッダールタは、
過去の生活から自分を象徴的に切り離すアノーマー川に
背を向け、さすらいの苦行者の生活をはじめた。

こうした人は、当時も今もインドでは珍しくない。
シッダールタは、食べ物を乞い、どこにでも寝泊りする
ごくあたりまえの修業生活に入った。

人びとは王子を聖者、苦行者と呼び、王子をよく知って
いる者はガウタマと、姓で呼んだ。しかし、シッダールタ
の本当の素性に気づく者は誰もいなかった。


王子の正体がはじめて知られるようになったのは、
彼がマガタ国の首都、ラージャガハ(現在のインドでは、
ビハール州のラージギル)へ行ったときであった。

王子の際立った身ごなしが、町の人びとの注意をひいたに
ちがいない。というのは、一部の人が、そのことをマガダの
国王、ビンビサーラに告げたからである。

「王様、ガウタマという若い苦行者がおります。大変魅力的で、
礼儀正しく、育ちがよさそうで、どう見ても、托鉢僧には見え
ません。」

ガウタマという名を聞いて、王はその若者が隣国の友人スッドダナー王
の息子にちがいないと思った。王子が出家したという劇的なニュースは、
すでに方々に広まっていたはずである。

ビンビサーラ王は、すぐにシッダールタを探しに出かけた。
王子を見つけると、王は単刀直入に話しかけた。

「王子よ、何をしているのか。なぜそのように放浪しているのか。
父王とけんかでもしたのか。」

そしてシッダールタに、苦行者の生活をやめるよう迫った。
もしシッダールタが苦行者の生活をやめてマガタで暮らすなら、
王国の半分を与えようとさえ申し出た。

しかし、シッダールタは、人の世の栄枯盛衰に左右されない幸福を
探し求めるという使命と決意を表明して、王の申し出を丁重に
ことわった。

一方、シッダールタが悟りを求める旅に出たという知らせは、王子の
そのような将来を最初に予言したバラモンのコンダンニャに届いた。
彼は、シッダールタと行を共にするために、ただちに出発した。

コンダンニャは真理を求める四人の仲間、バッディヤ、ヴァッパ、
マハーナーマ、アッサジといっしょに暮らしていた。
彼らもコンダンニャに同行した。

こうして総勢六人が、オレンジ色の苦行者の衣をミニまとい、
一団となって放浪することとなった。




次回につづく


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ジャンル:学問・文化・芸術
コメント
この記事へのコメント
努力なしにあるがままを観察しつづける
やまんばさん

応援ありがとうございます。
そうですか~「ばあちゃんの介護」がいよいよ本格的に
なってきたんですね。ご苦労様です。


人生には、自分の都合ではどうにもならないことや
物事の道理にあわない無理無体なこと、理不尽なことが
ちょくちょくありますね。

わたしたちの日常の生活は、
理屈を超えていて理解が不可能です。

あるがままは思考不可能なわけですから、
いま、自分がやっていることや、感じていることを
あるがままの意識で観察する。

ただ無努力のままにとどまること
努力なしに観ることだということです。



なんだかわけがわからない感じがするかもしれませんが、
「努力なしにあるがままを観察しつづける」
これでよいのだと思います。




2008/06/11(Wed) 19:14 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
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