2008年06月04日 (水) | Edit |
H. サダーティッサ著 桂紹隆・桂宥子訳「ブッダの生涯」立風書房より(3)


〈悟り〉という概念は、当時、熱心な
宗教者たちの間でよく知られていた。

ブッダの伝記が示すように、人里はなれた場所で行う苦行や、
僧院での修業によって、多くの人びとが悟りをひらこうと
努力をしていた。

〈ブッダ〉という語は、元来賢者を意味し、悟りをひらいた
と評判の高い聖者に用いられることがよくあった。

しかしその当時でも、苦行のために王子が王位承継権を放棄
するという考えは、想像もつかないことであった。


ことに、別の期待を王子にいだいている家族にとっては
受け入れがたいものであった。スッドーダナ王は悩みはじめた。

カーラ・デーヴァラの予言法は、人の未来を示す相をその全身
から読みとる占星術であった。そこで王はカーラ・デーヴァラ
の予言をためすために、占星術にたけた八人の学識深いバラモン
を国じゅうから集めた。

赤ん坊を観た後、七人のバラモンは、王子には二つの可能性が
開かれていると述べた。もし、王子が俗世に留まろうと決意
するなら、偉大な皇帝になるであろう。

一方、俗世を捨てて、悟りを求めようと決意するなら、ブッダ
になるであろうというのである。しかし、八番目のバラモン、
コンダンニャの意見は明確であった。

「王子の相は、未来の道が一つしかないことを示しています。
いずれ王子は四つの特別な徴証(サイン)を目にし、その結果
俗世を捨て、悟りを求めて家を出ます。そしてついには悟りを
ひらき、ブッダとなるでしょう。」

経典には、コンダンニャは王子の身体から読みとった自分自身
の予言に感激のあまり、ただちに俗世を捨てる決意をした、と
ある。

彼は同じ意見の四人の友とともに、シッダールタが成長して
ブッダとなるのを待つことにした。コンダンニャとその仲間は、
後にブッダの伝記の中で、重要な役割を演ずることになる。

コンダンニャの予言は、スッドーダナ王を狼狽させた。
王子が成長するにつれて、それは、ますます王の頭にとり憑い
て離れなくなった。

一方、王子はすべての人の賛美の的であった。彼の肌は黄金色
で、金属のように光り輝いていたといわれる。目は亜麻の花の
ように青く、髪の毛は青みをおびた黒色で、肢体はすらりと
伸びて美しかった。

シッダールタが生まれて七日目に、母親のマハーマーヤー王妃
は亡くなった。しかし、母性の保護が失われたわけではなかった。

というのは、王妃の妹のマハーパジャーパティが母親代わりに
王子の世話をしたからである。



次回につづく


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テーマ:仏教・佛教
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