2008年05月09日 (金) | Edit |
河合隼雄著「老いのみち」読売新聞社より (77)


夫婦も老年になってから、
途方もなく相手を嫌に感じるときがある。

そのときに、男女間で感じ方に差が
あるように思われる。

女性の側からの嫌悪感の表現としては、
「ぬれ落葉」というイメージが既に提出
されているようだ。

夫を「ぬれ落葉」と感じるとき、妻としては
そのべたつきに耐えられない感じがすること
だろう。




男の女に対する「よりかかり」に対して、
男が女に対して感じる嫌悪感は「とりこまれる」
と表現できる。

しらぬ間にとりこまれてしまって動きがとれない
と感じる。「よりかかり」と「とりこみ」は対に
なっていて、

これが無意識的に同調しているときは、仲の良い
夫婦ということになる。しかし、どちらかがそれを
意識しだすと、突発的に嫌になってきたりする。

安岡章太郎「ソウタと犬と」(『安岡章太郎集4』
岩波書店)は、妻にとりこまれてゆく年老いた夫の
姿を描いた名作である。関心のある方は是非読んで
いただきたい。

夫として相手の「とりこみ」に急に嫌気がさして
きたときは、自分の「よりかかり」について反省
してみるといいし、

女性の場合も同様に、自分の「とりこみ」加減に
ついて考えてみることである。

そうすると、「お互いさま」という感じで微苦笑が
浮かんできたりすることだろう。

夫婦の片方だけが「悪い」というのは極めてまれで
ある。(「私の場合は相手だけが悪いまれなケースだ」
という声が沢山きこえてきそうだが)。




次回につづく


↓↓↓あなたの応援↓↓↓(1日1クリック)お願いします。

にほんブログ村 哲学ブログへ人気blogランキング精神世界 ランキング



スポンサーサイト
テーマ:哲学/倫理学
ジャンル:学問・文化・芸術
コメント
この記事へのコメント
とりこまれる
私は「とりこまれる」のは蟻地獄をイメージしてか、
ホントに苦手ですね。「よりかかり」も出来るだけ
避けたいことです。そもそも家に一日中居ることが
耐えられない。

これから年を取ってくるとそうもいってられないの
かもしれませんが、誰からも自立していたいものです。
そのためにも元気でいることがなにより大切ですね。



2008/05/09(Fri) 17:16 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
砂の女
「とりこまれる」という言葉ですぐに思い出したのが
安部公房の原作の映画「砂の女」でした。


あらすじ
八月のある日、一人の教師が砂地に棲む昆虫を求めて砂丘地帯にやって来た。やがて夕暮となり砂丘の部落のある家で一夜を過した。蟻地獄のような穴の底にあり砂に蝕まれた破屋。そこに住む艶かしい三十前後の女。夜更けて女は砂の浸蝕から家を守るため砂かきの労働を始めた。翌朝目覚めた男は素裸で砂にまみれて寝ている女を見、苦々しい思いで家の外に出たが、崖には昨夜使った縄梯子は消え失せていた。驚いた男は自分が砂かきの労働力として雇われたことを知り愕然とした。女の言によれば、この部落は、砂という同一の敵によって固く団結していると聞かされるが。男はどうにかして逃げようとする。砂かきの世界に安住する女と、空白感に耐えられない男。しかし遂に穴の外に出ることに成功する日が来た女を騙し、ロープで崖を登る。が監視員に発見され失敗に終った。男はしかし脱出の夢は捨てなかった。穴を掘ってカラスをいけどり希望という名をつけたのもその現われだ。そんなある日、その穴に水がわき出ることを知り狂喜した。渇きに耐えられなかった男は、この突然の発見が脱出への渇望をおしのけた。やがて冬になり、女は子宮外妊娠で穴から出たのを機会に、男は縄梯子を登り、穴の外に立った。しかし男はまた穴の中に帰っていった。溜水装置を点検した男はもはや逃げる理由はなかった。男は水の出現で砂の穴の生活から自由を発見したのだ。




2008/05/09(Fri) 17:15 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
「よりかかり」と「とりこみ」
子供が転校したり、入学したりして、環境ががらりと変化したとき、母親にべったりくっついたり、おっぱいをさわったり、膝に座って抱っこをせがんだことがありました。最初は気持ち悪くて、叱ったけど、どうも様子がおかしいので、我慢しながらなすがままにしていると、いつの間にか満足したのか、けろりと元気になったことがありました。
退職した男性もそれと似ているのではないかと思います^^。環境が変りどうしてよいのかわからないのではないでしょうか^^。まあ姿はりっぱなおじ様ですが、無意識に母親に甘えるように妻に寄りかかっているのだと思います。
そんなときは嫌がったら余計不安にさせるので、しっかり濡れ落ち葉をさせてあげて、時間がすぎるのを待って差し上げるほうが、お互いの幸せだとおもうのですが・・・^^。反対もしかりです。大人だから、自立できているとは思えません。相手は大人ではなく幼児だと思えば解決の糸口が見えてくるのではないかと思います。

重症になると、大変です。(うつ)になり死にたいとおもうようになる人もおられるようですから。この時期は危険な時期でもあるようです。
2008/05/09(Fri) 07:12 | URL  | やまんばさん #-[ 編集]
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック