2008年05月04日 (日) | Edit |
河合隼雄著「老いのみち」読売新聞社より (72)


前頁に述べたように、「新時代の医療文化を
どのように構築してゆくか」というシンボジウムに
参加した。

そのときに、免疫学者の多田富雄先生の言われた
ことが強く印象に残った。それを端的に言うと
「老いは病ではない」ということである。

多田先生は『老いの様式』(誠信書房)という書物も
編集しておられ、それには興味深い議論が展開されて
いて、一度お考えを聴きたいと思っていた方である。


というのは、本欄の連載のため、老いに関する書物を
読み、そのなかに生物学的な本も読んだのだが、

なかなか理解し難いので、直接にお話をうかがいたい
と思っていたのである。

先生のお考えでは、「老い」というのは生物学的に
研究するとき、生物の発生や分化などの場合のように
すっきりといかないらしい。

端的に言えば、現代の科学をもってしてもわからない
ことが多いらしい。

それにもかかわらず、われわれは「老い」を一種の
決まりきった「病」のように考えて、年をとれば
「ぼけて死ぬ」と非常に単純な図式で考えていない
だろうか。

多田先生の言葉をお聴きしていると、「よしそれほど
わからぬものなら、自分の生き方で老いに挑戦して
みよう」という気持ちさえわいてくるのである。

老いを死に至る「病」としてエスカレーターのように
考えずに、死に至るまでの未知の道を探索してやろう、
と考える勇気を多田先生に与えられたように感じた。



次回につづく


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テーマ:哲学/倫理学
ジャンル:学問・文化・芸術
コメント
この記事へのコメント
老いは病ではない
「老いは病ではない」を検索していて
興味深い言葉に出会いました。

「老いは病気ではない。脳卒中による半身マヒ
などの障害も病気ではない。」

とおっしゃる方がいるのです。

「その〈老い〉や〈障害〉をもって生活していく
ための具体的な方法こそが問われている。」


三好春樹著 『老人介護Q&A』という本の紹介でした。


評論家たちは「老人問題」に興味はあっても
「老人介護」の方法は教えてくれない。
だれも、
老人と家族が困っている「現在」には答えてくれない。

老人を介護する「家族のつらさを解消する最良の方法」は
「家族の労力の軽減」というよりも

「老人自身に笑顔が出、老人がイキイキすること」
が最良の方法であるいうことに、確信するに至った。

という。


http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-87672-031-6.html



2008/05/04(Sun) 20:35 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
未知の道の探索
人生、わからないことだらけ^^。
やまんばが絵を描くのも、未知の道の探索だと思う。
春になると植物は一斉に芽を出し、動物は子孫を残そうと活動はじめる。大気が芽に見えるなら、さぞかし燃えるような動きをしているにちがいない。
ばあちゃんの入院している病院にいくと、一見、うつろな眼差しをしているお年寄りがたくさんおられる。
4階なので五月の新緑もみることができない。
それでも、スタッフのかたが一人一人に声がけをしておられる。お年寄りの心の中は図り知ることはできないけど、静かに時間だけは確実に刻まれていく。
2008/05/04(Sun) 06:28 | URL  | やまんばさん #-[ 編集]
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