2008年04月20日 (日) | Edit |
宇野千代著「天風先生座談」二見書房より (18)
 

これは、単に名称なのですから、人間のことは、
人といってもよかろう。あるいはヒューマンと
いってもいい、というふうに、

名のつけ方はどうでもいいけれども、神、仏に、
何か人間と同じような恰好をしたものが一人いて、

それが、人類のなし能わざる、すべての不思議な
計画を実行に移していると、こう思ったところに、
大変な、ミス以上のネグレクトがあるわけですね。


ところが、情けない。現代の文化民族の中にも、
若い世代にもそんなあわて者はいないでしょうが、

というと、何か、非常に、年とった人たちを軽蔑
するようでおそれいりますが、これは軽蔑している
んじゃない。ほんとうのことを言うんだけれども、

五十を過ぎた人のお仲間には、まだ、何か、神とか
仏とかいうものが別にいて、人間みたいな恰好した
ものが別にいて、

何か、こう、人間の考え切れない、割り切れない、
不思議をおこなっているというふうに思っている。

時代おくれの以上の、野蛮人の抜け殻みたいなのが、
このお集まりの中にもいやしないか。

そう言うと、そういう言い方に対して、彼奴は信仰心
がないとか、彼奴は宗教心がないとかいう言葉でもって、
批評する、きわめて哀れな、脳味噌のない、文字どおり、
ノー、ミソの奴がいやしないか。

お集まりの中では、変なことを自慢するようだけれども、
年輩からいって、戸籍のですよ、精神年齢じゃないですよ、
肉体の戸籍年齢から言って、私が一番先輩の筈だ。
(先生はこのとき満八十八歳であった)

それとも、私より以上に年とった人がいたら、手をあげて
くれ。手なんかあげなくていいんだ。そんなものはどうでも
いいんだ。そんなものは当てにはしないよ。

明治九年以前に生まれた人間なんか、いまからどうしてくれ
と言ったって、どうにもならないじゃないか。そういうものは、
気長にお迎えの来るのを待って、さっさとあっちへ行って
しまう方がいいんだ。

しかし、とにかく考えてくれ。いちばん戸籍の上で先輩の私が、
あなた方の考えているような神とか仏とかは考えていないんだ
から。そんなものは、この世にありはしませんよ。

あったら見せてくれ。たったいま、ここへ連れて来てくれ。
われわれは科学文化の民族ですよ。迷信や、自分の頭の中で
割り切れないことを、尊いとか、有難いとか思っているような、

そんな観念の遊戯で人生を生きているような、とぼけた人間
ではない。あくまで真理を探究し、真理を人生のロイヤル
ロードとして生きなければならない。



次回につづく


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ジャンル:心と身体
コメント
この記事へのコメント
神とか仏とかはいませんよ
「神とか仏とか、そんなものはこの世にありはしませんよ」

しかし、この中村天風さんのように、このようなことを
ちゃんとはっきりとおっしゃる方はあまり居ないですよね。


やまんばさんのように
「だれにもわかりやすく真理を解くために神や仏のイメージが
あるように思えます」 決して間違いではないのです。しかし、

だれもがたとえ話として神や仏をイメージしてくれたらいいの
ですが、イスラム教とキリスト教などは本気で何百年も戦争を
続けているのですから、ほんとうに迷惑です。


さてこのあと、天風さんは神や仏のことを
なんとおっしゃるのでしょう?


2008/04/20(Sun) 20:16 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
イメージ
本の中にも絵本があるように、私たちにわかりやすく真理を解くために神や仏のイメージがあるように思えます。

今朝の朝日はきれいでした。
あまりにもうつくしいもの、感動するものにであったり、すごい窮地にたたされたとき、人は自然に手を合わせる。両手をあげたり、手をたたいて、ピョンピヨン飛び上がる。怒ると体が固まる。眉間にしわをよせて腕を組む。人間のしぐさをみていると、誰にも
教えられたわけでもないのに、同じようなことをしますね^^。万国共通です。とてもおもしろいです。
2008/04/20(Sun) 06:46 | URL  | やまんばさん #-[ 編集]
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