碌々(ろくろく)ブログ

先哲の教え、言葉などを通して  心身の健康、真の幸福  そして人生成功の秘訣を  共に探求していきましょう

教わる準備

宇野千代著「天風先生座談」二見書房より (12)


まかり間違っても、
インドへ行って生活するものではない。

インドへ行って生活するなら、
ブラマン族で生活するならいいが、

いきなり、すっとはいって行くと、
奴隷族に入れられて、犬や猫よりも階級が下だ。

われわれの家庭で、どんなに犬や猫を可愛がる人
でも、使っている女中や下男を犬や猫の下には
置かないでしょう。


下に置いたらいてくれませんよ。
「おくさん。ご飯を頂戴します。」
「ちょっとお待ちなさい。猫が食べてからね。」
ということになったらね。

それが、インドでは平気で通用するんです。
平気で通用するどころか、第一、豚や犬や羊や牛よりも
さきに、奴隷が食事をしたら大変なことになっちまう。

そういう、非常な差別のあるところに、ぽかんとぶち込まれ
たんですよ。顔を見ても、口をきくことが出来ない。

顔を見たら、ハッと地面に頭をつける。昔の公方さまに、
町の町人が出会ったときと同じでしょうな。

こんな筈じゃなかったんだけど、いったいどうなるんだ。
来る日も来る日も、今日教えてくれるか、明日教えて
くれるかと、とうとう二ヵ月も過ぎようというときに、

あの野郎、こんなくだらないところに連れてきて、
何をやる気なんだ。ぼうっとした毎日で、何も教えて
くれない。

教えてくれないならこんなところにいる必要はない。
今日はひとつ、追い出される覚悟で直接談判だ、
とばかりで躍り出た。

毎朝、必ず廊下を通って、哲学を研究している若い人たちに、
十人くらいの従者をつれて行く。われわれは屋根の下に
はいる資格はないんですから、庭から姿を見ているんですが、

その朝は胸に一物あるから、ちょうど私の前に来たときに、
ぱぁっと立った。そうしたら、顔を見てにこっと笑うじゃ
ないですか。しめた、と思って、

「お尋ねしたいことがあるんですが、」
「何だ」
「カイロでおっしゃったお話は、いつごろからうかがえるんでしょう」
「カイロで何と言ったっけな、」

「えっ、お前はまだ救われる人間だ。だが、自分が助かる大事なこと
を一つ忘れている。それを教えてやるから、ついて来い。そのお言葉で、
私はここまでついて来たのです。」

「ああ、あれか。あれなら覚えているよ。」
「いつごろから教えていただけるんでしょう」
「私の方は、ここへ着いた翌日からでも教えたいと、その準備が
出来ていた。」

「えっ、私はまた、ここへ着いた翌日から、教わりたい準備が出来てた
んですよ。」

「いや、違う。準備が出来たのは、私の方だけだ。毎日毎日、お前の
顔を見て、顔を見るたびに、まだ準備していないな、と思うので、
いったい、この男は、いつになったらほんとうに教わる気になるのかな、
と思ってな。私の方から、それを催促したかったんだよ。」



次回につづく


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2008-04-14 | 健康法 |  コメント : 2  |  tb : 0

Comment

犬のしつけ

食事の与え方は、小犬のときからしっかりしつける
ことが大切で、

人間の食べ物を決して与えないこと。
与えれば、家族の食事中に食べ物をしつこくねだる
ようになります。

人間の食事が終わってから後に犬に餌をあたえます。
家族より犬のほうが順位が下だと自覚させるためです。

天風先生の場合はこの逆で、きっと動物の食事の後に
食事をさせられたのでしょうね。


やまんばさんの
「猫が食べないから、貴女 食べませんか?」
というのも随分バカにした話ですよね。


しかしながら天風先生は犬猫以下の最下級のスードラ
の階級で差別されるのを耐え続けることができたから、
私たちはいま、貴重なお話を聞くことが出来るのです。



2008-04-14 | ろくろく #- | URL|[ 編集 ]

吹き出しました^^

教わる態度ができていなかったのですね^^。

以前こんなことがありました。
猫好きな人の家を訪れたとき、「猫が食べないから、貴女 食べませんか?」と言われました。やまんばは唖然として、頭にカチンときました。が、この方が猫にひらめのおさしみなどを自分が食べなくても、与えるほど可愛がっていることを知っていたので、辛うじて自分を抑えることができました。
やまんばも、まだ教わる準備ができていないのかもしれませんね^^^^。



2008-04-14 | やまんばさん #- | URL|[ 編集 ]

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