2008年03月07日 (金) | Edit |
河合隼雄著「老いのみち」読売新聞社より (54)


1920年代のころ、スイスの分析家、
ユングはアメリカのプエブローインディアン
のところに訪ねてゆく。

そこで、彼はインディアンの老人たちが
ヨーロッパの老人とは比べものにならない

「悠然とした落ち着き」と「気品」を
そなえていることに気づく。

うらやましく思って、
何とかその秘密を知りたいと思った。


ユングはインディアンたちと親しくなり、
とうとう彼らは「秘密」を話してくれた。

インディアンたちは自分たちが世界の屋根
に住み、父なる太陽の息子たちとして、
自分たちの宗教的儀式によって

「われらの父が天空を横切る手伝いをしてい、
それはわれわれのためばかりでなく、
全世界のためなんだ」と確信しているのである。

こんな話はばかげていると一笑に付すことが
できるだろう。しかし、ユングはこれこそ
インディアンの長老たちの「気品」の由来だと
思ったのである。

「彼らが父なる太陽の、つまり生命全体の
保護者の、日毎の出没を助けている」という
「宇宙論的意味」をもつからだ、と彼は述べて
いる(『ユング自伝』みすず書房)。

ヨーロッパこそ世界の中心と思われていたころに、
ユングは既にこのように言っているのは驚きで
ある。

現在の状況は1920年代よりもっと難しく
なっている。

現代に生きる老人が、その使命をどこに見いだす
のか、老いてなお「気品」を保つためには、
老人も安閑としてはおられないのである。




次回につづく


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テーマ:哲学/倫理学
ジャンル:学問・文化・芸術
コメント
この記事へのコメント
絶望のなかで希望を見つける小話
北山耕平さんは日本人としては
インディアン研究の第一人者ではないでしょうか。
今回は彼のブログのなかからステキなお話を一つ
ご紹介させてください。


これは昔ラコタの人に聞いたお話しです。
絶望のなかの希望について語るには、
今のわたしたちの状況はふさわしいかも知れません。

ひとりの少女があるときあるところで奇妙な小鳥と
出会ったそうです。

その小鳥は地面にあおむけにひっくり返り、
両方の羽根を大きく広げて上に向けて、
両足を空に向かって思い切り突き上げていました。

へんな鳥だなぁと少女は思い、
もしかしたら死んでいるのかもと考えて、
その場から逃げ出したくなるぐらい不安とおそれを
感じたそうです。

でもおそるおそる近づいてよく見てみると、
小鳥は死んでなどいません。

それどころか全身に力がはいり、目はしっかりと見開かれ、
生気がみなぎっているではありませんか。

少女はその不思議な格好をしている小鳥にたずねました。
「小鳥さん、なんでそんな奇妙なことをしているのですか?」

すると小鳥がこたえたそうです。
「なに、空が落ちてくるという話を聞いたものでね」

少女ははたと納得しました。小鳥はそこであおむけになって、
両方の羽根と両脚で落ちてくる空を必死に支えようとしていた
のです。

「でも」と少女は、そこでうんうんとうなって空を支えようと
している小鳥にたずねました。
「できるわけがないことをするためになんでそんなに一生懸命に
なっているのですか、小鳥さん」

すると小鳥がこたえました。
「君も君にできることをしろよ」



http://native.way-nifty.com/native_heart/2006/04/post_0558.html




2008/03/07(Fri) 17:44 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
「気品」の秘密
ユングはインディアンの老人たちから
「気品」の秘密を聞き取ろうと一生懸命
になったんでしょうね。

そして、彼らの話のスケールの大きさに
驚嘆したのだと思います。

なにせ、インディアンの老人たちが
日々の太陽の出入りのお手伝いをしていた
のですからね。

ヨーロッパ人も、日本人も、
とてもかないっこありませんです。


やまんばさんのおばあちゃん、
お誕生日おめでとうございます。



2008/03/07(Fri) 17:31 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
今日は婆ちゃんの誕生日
93歳になりました。
今朝はまだ眠っています。
夢の中であの世とこの世を行ったり来たりして遊んでいるのでしょう^^。
時々「なんのために生きてるのだろうか・・」とベッドの中で、私に呟くように話します。
そんな時、ばあちゃんにやまんばは心からお願いするのです。「婆ちゃん、私たちは忙しくて、なかなかお祈りできないから、みんなのためにお祈りしてね」と。そうしたら、婆ちゃんがいうのです。
「なるほど、そうだったね。だけど、最近すぐに忘れるから、そのことを紙に大きく書いて、貼っておいてちょうだい。」
でも、ばあちゃんは祈りは忘れてなどいません。毎晩かならず、きちんと手を合わせて、眠りに入るのです。きっと、みんなの幸せを、祈っておられるのだと思います^^。
世界中のいたるところで、密かに多くの人々が、ブログのインディアンの老人たちのように・・われらの父が天空を横切るお手伝い・・をしてくださっているのだと、思います。感謝。
2008/03/07(Fri) 07:20 | URL  | やまんばさん #-[ 編集]
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