2008年01月07日 (月) | Edit |
河合隼雄著「老いのみち」読売新聞社より (34)


年をとってくることは、
実のところあまりうれしいことではない。

目は見えにくくなる、
耳も聞こえにくい。

ともかく、かつては普通に出来ていたことが、
だんだんと出来なくなってくるのである。

そんなときに「老賢者」などという表現をきくと、
何やらうれしくなってきて、

ものごとは出来なくなっても、せめて、
その「賢者」とやらになってみたいとか、

自分もそろそろ「賢者」の域に達しつつあるのだから、
大切にして欲しいとか思えてくるのである。


鶴見俊輔「家の中の広場」(編集工房ノア)は、
なかなか含蓄の深いエツセー集であるが、

そのなかに「老いへの視野」というのがあって、
「老い」について考えさせられるところが多い。

たくさん紹介したい点があるが、
そのなかで一番心を打たれたのは、

「社会史においても、個人史においても、
混沌―秩序―混沌という、
ほろびをうけいれる図式をもつほうが
望ましいと私は思う」という文である。

人間の精神は混沌から秩序へと向かう。
しかし、さらによい秩序へと一方向的に
向かうものではなく、

混沌→秩序→混沌ヘと円環的に
変化するのではなかろうか。

一方向的な考えにとらわれると、
老人がひたすら若者のまねをしたり、

老人は役に立たぬから駄目など
ということになるのではなかろうか。

老賢者がもし存在するとしても、
それは若者に負けぬ賢者ではなく、
「ほろびをうけいれる」知恵をもつ人なのであろう。




次回につづく


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テーマ:哲学/倫理学
ジャンル:学問・文化・芸術
コメント
この記事へのコメント
未来世療法
錬金術者さん、今年もよろしくお願いいたします。
なかなか有意義なお正月だったようですね。

未来世療法は面白そうですね。

未来世は、現世、つまり今の人生の生き方1つで
変わってくるという。

まあそりゃそうだわな~

「課題は、人間関係にあり」
「様々な愛を学ぶこと」

現世でどう執着心を無くすことができるか
怒りを手放すことができるかということで
未来世がよくなるようですね。

このお正月三が日のティク・ナット・ハンさんの
記事と不思議に繋がっていますね。



2008/01/07(Mon) 21:03 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
混沌→秩序→混沌
「日本が速やかに西洋文化を受け入れて
めざましく発展することが出来たのは、
儒教的な秩序の締め付けがゆるやかだったからだ」

というようなことを言われていたのは司馬遼太郎さん
だったか。

長幼の序などの五倫や五常
(仁・義・礼・智・信の五つの道徳)などに厳しいと
どうしても、賄賂がはびこり、公正な取引ができない。
中国や韓国では科学技術は開花しないのだという。


混沌→秩序→混沌ヘと円環的に変化する日本だからこそ
技術力で世界をリードするまでになった。


2008/01/07(Mon) 19:31 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
本年も宜しくお願い致します
 年末から正月はネットを一切休止しておりましたですじゃ。だから、一種の洞窟生活のようでしたじゃ。その生活でわかったのは、いかに、無意識に、情報に振り回されているかということですじゃ。

 目がみえなくなる、耳が聞こえなくなるというのも、一種の洞窟生活ともいえるぞなもし。

 年末から正月は、掃除もせなならん。年賀状も書かなければならん。挨拶をせねならん。そばもくわねばならん。なんでも、「ならん」という情報に振り回され、気がつくと、正月は過ぎ去りしぞな。なんで、日本の年末から正月はこんなに難儀なのだろうか?

 「忙中暇有」を探しまわる日々だったですじゃ。そんななか、「未来世療法」という本が目に止まったですじゃ。

 この本は、このブログでも紹介された、ブライアンワイス著の「前世療法」の新書ですじゃ。催眠療法で、前世がみれるのなら、未来世ならぬ来世もみれるのではと試したところ、みえてしまったという話ですじゃ。

 ただし、未来世は、現世、つまり今の人生の生き方1つで変わってくるというのじゃね。未来世は、予め何通りかみれるのじゃが、現世の生き方で、その選択が変わってくるというものじゃ。

 前世と現世、そして来世の関係は、学校の教科課程と同じで、課題は、人間関係を通して、様々な愛を学ぶことというじゃ。前世において、その人生の愛の課題の学びがある水準に達しないと、現世でも、似たような人間関係に陥るわけじゃ。

 もし、この人間関係を現世で修復し、克服したなら、来世では、更に違う愛を、違う人間関係を通して学ぶようじゃ。逆に、修復できずに、同じ過ちを繰り返すと、前世と同じ関係が更に強調されて、いわば、恐怖となって現れるというわけじゃ。

 だから、宿題を早く克服するに越したことはないわけじゃね。前世や現世、更に来世にとって重要なのは、やはり、お釈迦様が説いたように、執着心を無くすことだというじゃ。

 怒りを手放せば、同時に恐れもなくなるというじゃ。なぜ、怒るのかといえば、やはり、執着があり、偏った感情過多があるというじゃ。

 人間は様々な人間関係や社会の役割を通して、本質的には、皆平等で、自らが蒔いた種が自らで刈り取るようになっているだけじゃという。

 「未来世療法」お薦めですじゃ。 
2008/01/07(Mon) 11:17 | URL  | 錬金術者 #-[ 編集]
「ほろびをうけいれる」智恵
河合隼雄さんはテレビや写真でよくみた人です。
笑顔がいいひとですね。
老賢者などという表現を聞くと何やらうれしくなって・・・というところにくると、河合さんのあの人懐っこいような笑顔が浮かびました^^。
混沌・秩序・混沌・・・
自分の内側から、また、外からの作用によって、何度もぶっ壊されてきたような気がします。やまんばは殻に閉じこもってきたので、抵抗が激しかったような・・・^^^^。カハカハ、それも今ではすばらしい思い出です。

今、また新しい画面にむかっていますが、また、以前のような表現ではなにやらウソをついてるようなので、表現を模索しています。
昨夜は何度か夢をみて、、、玄関のチャイムがなると、大きなパネル(まだ紙もはられていないもの)がとどけられる。それを二階に運んでほっとしてると・・またチャイム。今度玄関を開けたら、巨大なパネルと、まだパネルを作る前のベニヤ版が・・・やまんば、ガバッと目がさめました。

あせってるわ!!!!

2008/01/07(Mon) 07:48 | URL  | やまんばさん #-[ 編集]
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