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2007年12月23日 (日) | Edit |
五木寛之・帯津良一 著「健康問答」平凡社より(59)


五木 その本に、吐く息にも、酸素が相当残っている
と書いてあったんです。

つまり人間は、酸素を吸って、二酸化炭素を吐き出す
ように単純に考えているけれども、そうではなくて、

吐く息といっても、六割か七割は排気であったとしても、
未消化の呼吸がなかにいっぱい残っているわけだから、

酸素の吸収度を高めて、九十パーセントか九十五パー
セント、吸った息を有効に細胞に供給すれば、かなり
体にいいんじゃないかと考えた。それにはどうすれば
いいか。


先日ブータンに行ったとき、そのことをつくづく考え
させられました。ブータンは空気が薄いですから、
呼吸がきついんです。

ふだんは、息を気軽に吐いているけれど、吸った息を
百パーセント体内で消化して、完全にいらない息だけを
出すという風にできれば、楽かなと。

いろいろやってみたんですが、かなりゆっくりした呼吸
とか、小さな呼吸でも可能なんじゃないかと思いました
ね。

帯津 ええ。
 
五木 禅の坊さんなんかは、呼吸が小さくなって、
最期は吸っているか吐いているかわからないような、
かそけき息の状態になる人がいるというけれども、
それは呼吸した空気を、最高に活用しているんじゃ
ないか。それができればなあ、と思うんです。

帯津 一見、かそけき呼吸でも、臍下丹田に気が漲り、
上半身の力が抜け、心には雑念が払われた状態で、
肺胞と血液のあいだでは、効率の良いガス交換が行われ
てるのでしょうね。

五木 毎日の空気を吸って吐くというだけでも、
無限の興味の尽きないところがありますね。掘り下げて
いけばいくほど、不思議な世界がいっぱい見えてきます。

呼吸法は、はじめは退屈でつまらないのだけれど、
これをつづけていると、いつのまにか、面白いなと
感じるようになりました。お金もかからず、自分で
やれることだしね。ほんとに興味深い世界です。

帯津 そうですよ。生き方、死に方、両方につながって
くるものですから。

五木 同感です。ブッタは、いろんなことを語ったわけ
だけれども、べつに仏教をはじめたのではなかった。

仏教は、弟子たちがはじめたわけで、ブッタはよりよく
生き、よりよく死ぬために、どういうことをすればいいか
と語った。

じつはそのなかに、健康法、呼吸法がいっぱいはいって
いるんですよね。ブッタの呼吸法も非常に面白い。

帯津 ええ。そうですね。
 
五木 吐く息を楽しんで、吐く息を大事にしろとか、
いろんなことをいっていて、そこからずっと、いまの、
いわゆる呼吸法ブームまでくるわけですから。

帯津 「大安般守意経」ですね。

五木 そうです。大安般守意経、つまりアーナパーナ・
サティ・スートラというのは、アーナ・パーナが「吐く息・
吸う息」、サティは、「気づき」という言葉らしいですね。




次回につづく


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テーマ:モノの見方、考え方。
ジャンル:心と身体
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この記事へのコメント
高山病
やまんばさんが連れて行かれたところは
チベットの首都ラサだったのでしょうね。

ラサの標高が3,658mといいますから、
おおよそ富士山と同じ高さにいきなり
行ったのだからたまりませんよね。
高山病で死ぬ人もいるそうですから
まあまあ軽いほうだったのかもしれません。

高山病は標高2500mぐらいから発症する可能性が
あるそうです。

五木寛之さんが行かれたブータンの首都ティンプーの
標高は約2500mといいますからオーバーでなく要注意
ですね。

高山病の予防には

「水を大量に飲め」「深呼吸を頻繁に」
「酒とタバコはしばらく我慢」「ゆっくり歩け」
「寝たままよりは、少し歩いたほうがいい」

などがあるそうです。
1000mごとに一日休んで体を馴らす必要があるとも
言われています。


私チベットも行きたいですが、ブータンに行ってみたい
ですね。呼吸法の勉強をしておかねば・・・


2007/12/23(Sun) 19:22 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
チベット
やまんばはふとしたことで、チベットにつれていかれたことがありました。到着してチベットの空気に触れたとき、なんと爽やかな気持ちの良い空気なんでしょう!と笑顔で歩いているうちに、だんだん気分が悪くなり、手足が冷たくなり、吐いたり下痢までして、立てなくなり、即刻ラサの病院まで運ばれ点滴を受けた経験があります。飛行場がすでに富士山の頂上くらいの高さがあるそうです。体が環境の変化に驚いたのでしょうね^^。(呼吸法を知っていればよかったかも・・)
やまんばはベッドで何時間か眠り、目が覚めたとき、隣のベッドで、現地の人の人懐っこい笑顔にふれ、その歯の白さに救われました^^。
余談ですがポタラ宮殿内にある、とてつもなく下が広くて高いトイレに入ったとき、足がすくんで、尿意が吹っ飛んだことは忘れがたい思い出になりました^^。

2007/12/23(Sun) 13:31 | URL  | やまんばさん #-[ 編集]
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