2006年03月06日 (月) | Edit |
鈴木鎮一著「愛に生きる」講談社現代新書より (5)


自分のために、自分が骨を折れ。
自分のなかに最初からあるものが働いて、
なんでもできるのだという常識は誤りだ。

おまえがらくにできることがあったら、
それは能力が身についている証拠だ。

身につくーーーそれは、
身につくまで努力し、
くり返していくことによって達成できるーーー。

以上はわたしの自戒です。
ドイツ留学中、
演奏に対する自分の能力に絶望したのち、
到達した自覚です。


これは若いあなたにとっても、
いや年をとったひとにも、
ひじょうにだいじな自覚ではないかと思います。

わたしはいまも、
つねにこの自戒を忘れないように
つとめています。

わたしの自戒はまた、そのまま、
才能教育の方法となっています。
自分の過去のまちがった練習・努力を、
正しい方法にもっていったものです。

多くのばあい、
一つの曲がひけるようになると、
どんどんつぎの曲へ移ってしまいます。

そうして、あれもひき、これもひき、
何曲しあげたという。
いちおうはなんでもひけるようになるわけです。
しかし、りっぱなのが一つもない。

何年間か努力して、
そういうことを続けていると、
救いようのない、
平凡な演奏しかできなくなります。

なんでもやれます、
というだけで、じっさいには、
不足したものをたくさん残したままで
終わっているのです。


音楽ばかりではない。
なんでもそうです。

つまり、りっぱになっていく原則は、
身につけた力を、
ぎりぎりの高さまで築き上げていくことです。

わたしは、会得した一つの曲をうんと練習させています。
毎日三回ずつ、約三ヵ月ひかせるのです。
しかも一方では、その曲の世界最高の演奏を絶えず聴かせる。
もっとりっぱに、もっとりっぱに……と。

そうすると、やがて高さというものがうまれてきます。
それはもはや技術ではない。
精神の領域です。


能力は自分でつくるものだ。
それはくり返しくり返しやることだ。そして、
そのための根気ということが問題になります。

やり抜こうーーーそう決心するひとはたくさんいます。
だれでも決心することはできる。
しかし、ほんとうにやり抜くひとは実にすくない。

決心はしたがやらない。
やっても、まもなくやめてしまう。
それこそ多くのひとが経験して、
よく知っていることです。

どんなことでも、成功する道、
ことの成否は、結局、
やり抜くかどうかだけにかかっているともいえるでしょう。

やり抜くーーーつまり、その根気もまた、
能力であるがゆえに、
育てなければならないものです。

ではどうすればいいか。

決心して始めたら、
まず、しばらくのあいだ
忍耐することです。

自分をたたき起こす。
はじめのこのしんぼうが
運命を決めるのです。

なぜかというと、
しんぼうして、しばらく続けていると、
必要な根気の能力が生まれてくるからです。

わずかでも能力ができてくると、
それだけ、ことがやりやすくなります。
その能力が、手伝い始めるので、しだいにやりやすくなる。

できた能力がより高い能力をつくっていく。
つまり根気が続くのです。


次回(最終回)につづく



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2006/03/07(Tue) 10:15 |   |  #[ 編集]
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