2007年02月19日 (月) | Edit |
五木寛之著「不安の力」集英社文庫より (39)


ぼくは転がる石のように生きていきたい
と思ってきました。そのためには、
どこかが歪んでいたり、傾いていたほうが
いいのです。

不安には〈不安定〉という意味もあります。
そう考えたとき、不安はものが転がって
いくために必要な力である、といえるのでは
ないでしょうか。

いままでぼくは不安を友として生きてきました。
これからも、不安と仲良く付き合いながら生きて
いきたいと思っています。


いま、不安はこれまでになかったほどの社会現象
としてひろまっている。それは、逆の見かたをすれば、
〈人間らしさ〉の最後の砦が守られているということに
ほかならないと思います。

不安を感じるのは、人間がまだ〈人間らしさ〉を失って
いない、という希望に通じていることだ。ぼくはそんな
ふうに考えています。

ぼくたちはみな不安を抱えている。
不安に苦しんでいる。そんななかでは、
不安を抱えていることが人間らしいのだ、
と頭を切り替えたほうがいい。

自分が不安を感じ、ときにはパニックに陥ったりする
のも、自分が人間らしい柔らかいやさしいこころを
持っているからだ、と考えかたを変えてみる。

むしろ不安を肯定的に受けとめて、
不安とどう共生していくか、ということを考えてみたら
どうでしょうか。

不安を感じるこころというのは、
人間の自由を求めるこころであり、
やさしさであり、愛の深さであり、
感受性の豊かさです。

その不安をどんなふうに希望に転化させていくか、
ということを考えるべきなのです。

ですから、あえて言えば、不安は希望の土台です。
不安を感じることが、人間が人間としてあるという
ことの出発点なのです。

ぼくは不安を肯定し、〈不安の力〉というものを
認めたいと思うのです。〈不安の力〉などというと、
逆説的に聞こえるでしょう。

ふつう、不安は悪いもの、マイナス要因になるもの、
除去すべきものだと考えられています。

しかし、不安を感じるのがその人にとっての
人間らしさのあかしだ、とぼくには思われる。

こういう時代には、人間的な希望は、
不安を感じている人びとのなかにある、
といってもいいかもしれません。

むしろ不安をひとつのバネにして、
その不安からどんな希望を見つけていくのか。
それが大事なことではないでしょうか。

二十一世紀の希望の第一歩、
それは不安から始まるのではないか、
とぼくは信じているのです。



↓↓↓あなたの応援↓↓↓(1日1クリック)お願いします。

にほんブログ村 哲学ブログへ人気blogランキング精神世界 ランキング


スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
七つの学芸
というのは、童話のほかにあと六つあるのですか?
七つの学芸=童話ということなのですか?

エリクサーは錬金術では不老長寿の薬?で、それが
童話だった?

2007/02/19(Mon) 18:33 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
復活と輪廻転生
キリストは十字架の上で死んで、
三日後に復活しました。

このキリストの復活を証(あか)しとして、
キリスト教徒はまた自分たちも復活すると信じています。

仏教の輪廻思想の特色は、来世ばかりでなく過去世(前世)があると信じる点にあります。

キリスト教には来世(復活)はありますが、
前世はないのですよね?

仏教の来世は有限の世界であって、
したがって来世にも終りがあり、
来世のあとにまた次の来世がくるという考えです。

われわれは、そうした無数の世を生まれ変わり死に変わりして輪廻転生する・・・・・

というのが、仏教の輪廻思想です。

これに対してキリスト教では、
来世は永遠の世界であって、

仏教のように、
来世のあとにさらに次の来世がある
というわけではない。


2007/02/19(Mon) 18:24 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
不安の力
現代人にとって、人間的な希望は、
不安を感じている人びとのなかにある

という捉え方には、やまんばさんと同様に
私もいやされましたです。

希望の第一歩は、不安から始まるのではないか
という捉え方は五木さんならではですね。


2007/02/19(Mon) 18:03 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
なぜ、いまの魂は不安をもつのか?
 ユングにプログレッシヴとレグレッシヴという概念があるというじゃ。プログレッシヴは、いまでいう、いわば分析力や解析力を意味するようで、人間がなぜこれを行うかというと、見知らぬ外界を、既知な記号や概念等から論理的に解き明かすことで、意識的に安心を得るためだというじゃ。科学や唯物的学問は、この延長上にあるといえるだに。
 しかし、この作業は、骨が折れ、魂を高度に疲弊するものだというだに。この作業の御蔭で、確かに先進国の生活は、快適で、便利になったが、同時に、魂は疲弊し、疲労し、神経衰弱とでもいうべき不安に悩まされているぞな。
 これとは、対象的なのが、レグレッシヴというもので、誠実、純粋、愚直といった人間の美徳を重んじるものだそうな。人間は、誰もが子供のときにこのような純真な魂をもっているというぞな。だから、永遠に子供のような魂の存在こそ、創造性に溢れるものだというぞな。
 この子供のような魂を、若い魂と呼び、この若い魂を育てるために、若い魂に必要なイメージ形成力が太古では、重要視されたというじゃ。
 イメージ形成力には、魂のなかに、平衡感覚と、運動感覚を育てる必要があるという。その平衡感覚と運動感覚を育てるのに適切な教育が、かつての中世でやられていた七つの学芸だというだに。
 いまでは、それは童話だというじゃ。童話は、いわば魂の栄養素、不老不死の薬であるという。中世の錬金術で、エリクサーと呼ばれた霊薬は、童話のことだったというじゃ。
 童話は、馬鹿にされ、現代では、幼いときから暗記が強要されるが、それは魂を老いさせ、中年になって硬化症を生じる基になるというじゃ。
2007/02/19(Mon) 12:48 | URL  | 錬金術者 #-[ 編集]
世は不条理だに!?
 確かに、キリスト教の顕教では、輪廻転生は認めていないだに。しかし、秘教では、認めているだに。なぜ、認めているかというと、キリスト=イエスの真の秘密(神の子キリストと人の子イエスの相違)を説いているからだに。
 勿論、キリストは、輪廻転生しない存在だに。キリストは、元々、この世に生まれ(受肉)ない永遠の存在だったというだに。キリストの魂が、受肉できるほど、頑強で、聡明な肉体が必要だったというじゃ。キリスト受肉のための準備が必要だったというだに。
 それがイエスの存在だったというだに。実は、イエスは2人(ナザレとナータン)いて、最後には、一人に合体したというじゃ(これが兄弟説の元になる)。そして、合体した2人分のイエス(一人では、キリストの魂の受容に耐えられないためという)の30歳のときに、ヨハネの洗礼によって、キリストが受肉したというじゃ。そして、33歳に十字架刑にかかり、死をはじめて知って、死を克服し、復活しただに。
 死を知らないものは輪廻転生をする必要もないじゃ。だから、人間以外は、死を知らないじゃ。動物も植物も死ぬことを知らないじゃ。動物と植物の死は、人間の死とは異なるじゃ。人間だけが輪廻転生をする存在ぞな。
 キリストは、イエスとして、たった一度の受肉を行ったじゃ。そして、人間が、輪廻転生するほどに、魂が硬直していくのを、自らが死を克服し、復活することで、見本をみせて、改善したというじゃ。
 注意すべきことは、復活というのは、目にみえる肉体をもってという意味ではないじゃ。目にみえない肉体、いわば地球の霊として復活したというだに。太陽霊として、地球にやってきて、地球霊として、地球の軌道を、太陽に沿うように転換したというじゃ。
 地球は、魂を磨く道場なのだけど、人間があまりに地球に染まってしまったので、再び、魂を若返らせる必要を教えにきたというじゃ。人々が神の存在を信じなくなったので、自らが、神の子として、イエスの肉体を借りて、示したというだに。それが秘教の教えだに。
 だから、キリストは輪廻転生しないが、人類は、輪廻転生しながら、徐々に、キリストに近づいていかなければならないというだに。
 お釈迦様は、人類に生きる意味、魂を磨くことを説いたが、キリストはその見本をみせたわけだに。
2007/02/19(Mon) 12:17 | URL  | 錬金術者 #-[ 編集]
慰められました。
今日のブログはやまんば、慰められました。やまんばの周辺は欝の方が何人かおられるので、時々自分も一人落ち込むことがあるのです。

不安を感じるこころは人間の自由を求めるこころであり、やさしさであり、愛の深さであり、感受性の豊かさです。・・・希望の第一歩、それは不安からはじまるのではないかと信じている。・・・ここに、光を感じました。
不安を感じる。手も足も氷のように冷たくなり、足場がいきなりなくなり、奈落の底に落ちていく。体が胎内にいたときのように丸く縮まる。
やまんばもそんな時がありました。今もその残骸が欝の人と接したあと、あらわれることがありますが、先ほどの言葉を思い出し、まずはにっこり笑って、不安と共に、なるたけ、明るいもの、エネルギーに満ちたもの、美しいものにふれながら、バランスを保ちながら、生活していこうと思いました。
2007/02/19(Mon) 09:33 | URL  | やまんばさん #-[ 編集]
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック