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2007年02月17日 (土) | Edit |
五木寛之著「不安の力」集英社文庫より (37)


最近、たくさんの人が「不安」という言葉を
口にするのを耳にします。

不景気、失業、そして政治に対する不信感も
ひろがっている。

IT(情報技術)などの技術革新のスピードに
ついていけず、取り残されることへの恐れもある。

あるいは、うつ病やパニック症候群というような
(こころの病気)になって、心療内科に通っている
人もいる。

若い人たちは若い人たちなりに大きな不安を抱え、
年配の人たちは年配の人たちなりに大きな不安を
抱えている。


また、いま世界中が戦争の足音におびえています。
あるいは、グローバル・スタンダードというような
大きな枠組みのなかで締めつけられていて、
どう生きていいのかわからない。

圧倒的に強力なハイテク軍事力が世界を支配していく、
ということへの抵抗感も感じている。いろんな不安が、
まわりじゅうにあふれているように見える。

ぼくは、これはとても正常な反応だと思います。
いまの不安の時代には、こころに不安を抱えている
ということが、むしろ正常な反応ではないでしょうか。

それは、なぜか。

ぼくらが今生きている、この世界のありかた自体が、
人間に不安を与えるような歪んだ構造になってきている
からです。ぼくらの環境そのものがいま病んでいるからです。

たとえば、日常的に口にしている食べものにしても、
これを食べたら危険だ、と警告を発するような本が
ひろく読まれています。

それは、牛海綿状脳症(BSE)や、遺伝子組み換え換え作物や、
残留農薬や、食品添加物などに不安を感じている人がいかに
多いか、ということでしょう。

食べ物だけではありません。空気や水に対しても不安がある。
水道の水はいっさい飲まない、必ずミネラルウォーターを
飲むという人もいます。むかしは、水道の水を不安に思って
飲んだことありませんでした。

それだけでなく、外出する際には玄関の鍵を三つかけないと
不安だという。最近、マンションなどで、ピッキングと呼ば
れる空き巣の被害が急増しているためです。

道路を歩くにも、背後に絶えず気をくばらなくてはならない。
このように、不安というものが、この社会なかにいろいろな形
で日常化してきています。

そして人間のこころと体は、そういった不安を正直に繁栄する
ものなのです。つまり、敏感に反応する柔軟な神経と肉体であ
ればあるほど、その人はたくさんの不安を抱え込んでしまうと
いっていいでしょう。

そういうときに、なんの反応もなく不安も感じることもなく、
毎日のんびり過ごしていられる、という人のほうが、
かえって不自然なのではないか。

ひょっとしたら、そういう人は、つるつるしたプラスティック
みたいな情緒と神経をもつ、病んでいる人なのかもしれません。


次回につづく


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コメント
この記事へのコメント
キルコゲールというと
「結婚しろ!いや、結婚するな!どちらにしても、お前は後悔する」

結婚に対する「格言集」の中、当時、キルケゴールなる人が何物かも解らなかった、当時、小学生だった私の心を捉えたのが、上記の言葉で、けだし至言だと思いました。

(それは今も変わりません)
2007/03/15(Thu) 10:27 | URL  | マリア #-[ 編集]
その通りと思いますね。しかし、その不安を安心に向けるためのアクション〔社会を変革する行動〕が現代の我々一人一人に求められているようにも思いますね。
2007/02/18(Sun) 17:30 | URL  | kounit #-[ 編集]
キェルケゴールはイケメン
セーレン・キェルケゴール - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%82%B1%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%83%AB

には、彼の素描画が掲載されていて、
なかなかのイケメンだったことがわかります。

キェルケゴールは1840年にレギーネに求婚し、
彼女はそれを受諾するのだが、その約一年後、
彼は一方的に婚約を破棄している。

この婚約破棄の理由については、
研究の早い段階から重要な問題の一端を担っており
キェルケゴール自身、

「この秘密を知るものは、私の全思想の鍵を得るもの
である」という台詞を自身の日記に綴っている。

謎に包まれたはなしですね~
2007/02/17(Sat) 13:32 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
どこまでも青い青い透き通った青空
ひとかけらの雲さえあってはならない・・・

真っ青な青空~~~
からだいっぱいに深呼吸したくなる
そんなイメージですね

ホントに深呼吸してしまいました^^
やまんばさんのイメージは素晴らしいです。


2007/02/17(Sat) 13:25 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
キェルケゴール
kounitさんのお尋ねの件

「有限性のなかで息を引き取るか、無限性の獲得か」というキェルケゴールの言葉の意味を知りたい・・・
については、

五木寛之さんが上記の文に続けて
説明を加えているように思われます。

「有限性のなかで息を引き取るか、無限性の獲得か」
は、言い換えると 「絶望」するか「自由」になるかだ というのです。

そして、不安に徹して、「自由」への可能性を開け、
とキェルケゴールは言うのだそうです。

そこで、kounitさんが指摘されたように「神とか信仰」の宗教的世界なってくるのだと思います。

「不安」を起爆剤やエネルギー源にして、正面から見据えていくと、ある転回点で絶対的な自由を獲得することができる。

これは親鸞とキェルケゴールに共通した考え方である
というのです。



2007/02/17(Sat) 13:08 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
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