2006年11月12日 (日) | Edit |
土居 健郎 著「表と裏」弘文堂より(30)


愛が本来心の深い秘密に属するということは
実は最も卑近な男女の愛を考えても、
同じく妥当しよう。

というのは、男でも女でも相手に対し
愛を感じるということは一つの衝撃的体験であり、

ふつうこれを相手に表現しようとする前に、
まずそれを隠そうとするものである。
すなわち愛する者は孤独になる。


そして相手が愛の秘密を守ることを確かめた後、
漸く愛の告白がなされる。そのことが確かでない中は、
進んで愛を偽ることさえあるのである。


さていよいよアスムセンの登場を願うことにしよう。

彼は、母と子の会話や恋人同士の会話が第三者には
つまらぬことに聞こえるが、本人たちには尽きることが
ない豊かさを含んでいるという観察から、

「それ故に愛は秘密でありまた秘密であらねばならぬ」
と指摘する。また「愛の美しさはそれが秘密であることによる。
あからさまな美もあるが、最も美しいものは秘められている」
と云い、

「秘密がなくなるとわれわれの心は腐ってしまう。
特に愛の場合そうなるが、それは愛が人間の心を
あらわにするからである」とのべている。

ここであらわにするというのは、
「愛において人間は心の最も深いところをあらわにする」
という意味である。

であるから「愛が始まるところでは、
秘密が愛する二人を包まねばならぬ。
そうしないと人間は持たない」
というわけである。

アスムセンはこのような観点から、
現代の騒々しい歌謡曲が愛の感情を
安っぽいものにする危険があると警告し、

また「人間の尊厳はその最も深い内面性が
肉体に開示されることにある」のだから、
衣服は身体を単に雨風から守るだけではなく、

他人の視線から内面性を守る役をも果たすべき
ものであるとのべている。

そして現代の特徴は、何でも彼でも裸にし、
どんな秘め事も公にする傾向が優勢になった反面、

愛において人々が心を真に開くということが
却って少なくなっていると指摘しているのである。


次回につづく


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コメント
この記事へのコメント
秘密の花園
私も大好きで映画を何回か観ました。
息子もビテオにとって繰り返し観てたようです。

やまんばさんの花園もまもなく
あの秘密の花園のように
沢山の美しい花々で満ち溢れるように
なると思います。





2006/11/13(Mon) 08:41 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
秘密の花園
やまんばは小さい時から、秘密の花園の本が好きだった。その庭の美しさを想像するのが大好きでした。やまんばは、庭もそんな風にいつかはできるといいなと思うのです。そうしたら、その庭の中で、スケッチしたり、物語をつくったり、まっしろな画面にやまんばしかわからない絵をかいたりするのです。油絵の熊谷守一みたいに暮らすのです。想像の世界は自由で冒険だらけで楽しい。大人の世界はやまんばにとってむつかしく、特に人の心は謎だらけなのです。入ると不安を感じるのです。
2006/11/12(Sun) 15:28 | URL  | やまんばさん #-[ 編集]
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