2006年10月15日 (日) | Edit |
土居 健郎 著「表と裏」弘文堂より(11)


ここで再びふり出しに戻り、
オモテとウラの問題を少し違った
角度から取り上げてみよう。

まず人間にオモテとウラがあり、
ウラはオモテの陰に隠れているということは、

心は本来見えないもので、
秘密があるというのと等しい。

もっともそう云ってみても特にどうということは
ないと思われるかもしれないが、
ここで強調したいのは次の点である。


それは、ふつう心が言葉や行いに現われるというが、
しかしその際心自体が見えたり聞こえたり
するのではないということである。

云いかえれば、見る側聞く側に心があるから
相手の言葉や行いを通して心が読みとれるのであって、
心自体は依然として隠れたままである。

であればこそ言葉や行いが心を現しているようで、
却って心を偽る偽善と欺瞞というものが存在する。

もっともこの場合も見る者が見れば、
偽りを見抜くことができるかもしれない。

したがって偽善や欺瞞が悪であるのは、
心が隠されているからなのではない。

むしろ心にないものをあるかのごとく
見せかけることが悪なのである。

なお意図的に偽るつもりはなくとも、
殊更に自分の心を相手に見せようとする下心が働く場合は、
いささかあやしいと見てまず間違いはなかろう。

これを要するに、
正しいと信じふさわしいと思うことは
断じてこれを云いかつ行えばよい。

しかしその際心に本来備わる秘密性はどこまでも
大切に守らねばならないのである。


ここで以上の文章で秘密というのは、
これにややもすれば伴うあまり芳しくないもの
という意味は棚上げしてこの語を使っている
ことについて一言しておこう。

というのは例えば、
「秘密のにおいがする」という時のように、
秘密というと得てして何か善からぬもの、

公開を憚るもの、しかしいずれその正体が
暴かれるべきものという意味合いで使われる
ことがあまりにも多いからである。

もっとも自然の秘密・生命の秘密・人格の秘密
という時などは決して悪い意味とはならないが、

しかし、この場合も秘密は人間精神にとっての挑戦であり、
いつかそのヴェールがはずされなければならないという
期待が言外に込められているように思われる。


次回につづく


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テーマ:心理学
ジャンル:学問・文化・芸術
コメント
この記事へのコメント
魅力のある人
魅力のある人というのはかならずしも
美人やハンサムであったり
言葉のたくみな人とは限りません。

むしろ美人やハンサム、言葉のたくみな人は
嫌われるのです。

銀座でナンバーワンのホステスは
決して美人などではないようです。

ではなにが人の心をひきつけて夢中にさせるのか
といいますと「聞き上手」であるということです。

自分は目立ちすぎず、お客の愚痴を聞いてやり
引き立て役に徹する人が、
魅力のある人ということになるようです。

2006/10/16(Mon) 09:07 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
う~ん。。。
こんにちは☆

欠点と魅力は紙一重ですね
変に作らないほうがいいのかも。。
如才なさすぎって魅力(個人的には)感じないですわ。面白みにかけるというか。。

浮世の義理とはいえ、『心にもないこと』言うような手合いとは、お近ずきになりたくないですわあ

あまりにも、裏のありすぎる人って男女を問わずイヤですね。

京都の『雅』に憧れてはいるものの、やっぱり東京の『粋』のほうが好みですわ(笑)



2006/10/15(Sun) 17:18 | URL  | マリア #-[ 編集]
隠れん坊
むかしむかしよくお寺の境内で
隠れん坊をしました。

あまりにも上手に隠れたので
誰も見つけることができなくて
そのままみんな帰ってしまい
とても残念だったことがありました。

それからは見つかりやすいように
隠れるようにしました。

こころの中に沢山隠れん坊する場所が
あったほうがよいようです。

2006/10/15(Sun) 17:17 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
かくれんぼ
幼いとき、みんなでよく(かくれんぼ)をした。やまんばのお気に入りの隠れ場所は、松の木。幹が斜めに伸びて、カヌーのような穴があいていて、ちいさな子供をすっぽり包み込む。隠れると空がみえ、音がこもる。産まれる前のかあさんのおなかの中のように気持ちよかった。人の心には、そんな(かくれんぼ)をする場所が必要なのですね。
2006/10/15(Sun) 15:03 | URL  | やまんばさん #-[ 編集]
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