2006年10月07日 (土) | Edit |
嵐山光三郎著「徒然草の知恵」ダイヤモンド社より(23)


兼好は、さまざまな例をあげ、
いろいろな角度から人間関係のあり方を
説いたあげく、結論としてこう言う。

ーー物に争はず、己をまげて人に従ひ、
我が身を後にして、人を先にするには及(し)かず

ー人間は、物ごとについて他人と争わず、
自分をおさえて他人の気持ちに従い、

自分をあとまわしにして
他人を先にやるのに越したことはない〈一三〇段〉


この段で、兼好は、勝負事を例にして自説を展開する。
兼好は、勝負事は嫌いであるという立場をとっているが、
これも実際ではどうであったか。

酒を嫌う立場をとっていたのと同じく、
これも、たてまえではなかったか。

勝負事をやった者にしかわからない
ディテイルが書かれているからである。

しかし、勝負事がよくないという認識じたいは、
兼好の本心であろう。いつの時代も、
勝負事を批判する人は、じつは勝負事に
どっぷりつかった人なのである。


(勝っていい気分になろうとするから、勝負事をやる。
自分の腕が他人にまさっていることを喜ぶ。
だから負けると不愉快になる。

わざと自分が負けて、相手を喜ばせてやろう
というのでは、全然おもしろくない。〈中略〉

こんなことをするから、はじめは遊び半分でも、
長い間のうちには恨みあうようになってしまう)


こういう勝負事で人にまさろうと思うのなら、
その時間のぶん学問をして自分の知力を
みがくほうがよいと兼好は説く。

こういう事を考えるのは、じつは兼好が
賭博ばかりやっていた証拠なのだが、

基本的に人と争ったり
競ったりすることの愚を説く兼好は、
人がなぜ道を学ぶのかといえば、

争いごとをしないためなのだ
という地点に到達する。
宮本武蔵の心境だ。


争いごとのばかばかしさを、
兼好は別のエピソードでも紹介している。
二〇九段、「田を論ずる者」がそれである。

(田んぼの所有権について争った人が訴訟に負けて、
くやしいから、その田んぼの作物を刈り取らせようとする。

命じられた者が、関係ない田んぼまで刈ってゆくので、
「なぜこんなとこを刈るんだ」と訊くと、
「命じられた田んぼだって、刈っていいという理屈はない。

どうせ道理にはずれたことをするんだから、
どこの田んぼだって同じことだ」と答える)

この理屈を、兼好は面白がっているのだが、人と争う
ということが結局はどういうことになるのかの例として、
兼好はこのエピソードを紹介したのであろう。



次回につづく


↓↓↓あなたの応援↓↓↓(1日1クリック)お願いします。

にほんブログ村 哲学ブログへ人気blogランキング精神世界 ランキング


スポンサーサイト
テーマ:心理学
ジャンル:学問・文化・芸術
コメント
この記事へのコメント
勝負ごと
知人にパチンコやマージャンが
プロ級に強い人がいますが

わたしはまったく弱くて駄目です。
おまけに負けたらものすごく
くやしくて機嫌をそこねてしまいます。

もう何十年もやっていませんねぇ


2006/10/07(Sat) 16:01 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
やまんばさんは努力家なんですね

家族からも信頼され
絵を描くことをみんなが応援している。
すばらしいことだと思います。



2006/10/07(Sat) 15:53 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
こんにちは☆

兼好さんは、賭け事のようなギャンブルは好んだ?としても、『勝負』は嫌った、というかそうそう簡単に『勝負』を安っぽく、口にする手合いを内心、軽蔑していたのではなかろうか?

本当の『勝負』というのは、まさに、やるかやられるかの、喰うか喰われるか、のある意味「生きるか死ぬか」の命がけ、死活問題が絡んだ時のみ、必要にせまられての最終的行為!と賢いから、達観していたのだと思いますわ。

私も『勝負』はしません。ゲームやスポーツやなんか、マージャンとか(笑)大好きでマジになりますし、だからこそたとえ、子供相手でも、わざとに負ける(嫌らしい~!)とか、手を抜くとか絶対しませんわ。

正々堂々、真剣に真っ向から挑みますし、それが私なりの礼儀でもありますし、何より、手を抜いたゲームほど退屈なものはありませんわ☆


2006/10/07(Sat) 12:31 | URL  | マリア #-[ 編集]
やまんばの知恵
やまんばは若いときから、絵が描きたくて仕方なかった。それも困ったもので結婚してから描きたくなった。時間がほしい。どうやったら時間をつくることができるか?考えた。先に絵を描くと皆の心を後回しにするため、本人がいらいらして描けない。そこで皆の思いを最優先しあまった時間が例え十分間でも、心に気がかり(とくにけんかはいけません)がなければ、すばらしく集中できることに気がついた。そうしていると時間もうまれ、皆も応援さえしてくれるようになった。人を大切にすることは、自分を大切にすることなんだと心底思ったのです。
2006/10/07(Sat) 11:12 | URL  | やまんばさん #-[ 編集]
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック