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2006年10月02日 (月) | Edit |
土居 健郎 著「表と裏」弘文堂より(8)


「坊ちゃん」は自分の性格について次のように
のべている。

「ほかの教師に聞いてみると辞令を受けて一週間から
一ヶ月位の間は自分の評判がいいだろうか、
悪いだろうか非常に気に掛かるそうであるが、
おれは一向そんな感じはなかった。

教場で折々しくじるとその時だけはいやな心持だが
三十分ばかり立つと綺麗に消えてしまう。

おれは何事によらず長く心配しようと思っても
心配ができない男だ。


教場のしくじりが生徒にどんな影響を与えて、
その影響が校長や教頭にどんな反応を呈するか
まるで無頓着であった。

おれは前に云う通りあまり度胸の据わった男では
ないのだが、思い切りは頗るいい人間である。

この学校がいけなければすぐどこかへ行く覚悟でいたから、
狸も、赤シャツも、些とも恐ろしくはなかった。

まして教場の小僧共なんかには愛嬌も御世辞も
使う気になれなかった。」


すなわち彼は失敗しても一向に平気だというが、
そのことは彼自身にとってはそれでよいのかも
しれないが、しかし彼だけで事が収まらない場合が
問題である。

というのは赤シャツが湾曲に山嵐のことを中傷した時、
彼は反撥して「わるい事をしなけりゃ好いんでしょ」
と啖呵を切った。

そして、そう云う彼を目の前にして笑う
赤シャツの中傷に乗ってしまって、
これまで信頼していた山嵐を疑い出すのである。

この疑いは間もなく晴れて悪いのは赤シャツの方だとわかるが、
しかしその後またもや赤シャツにうまくはめられて、
山嵐ともども中学と師範の生徒同士の喧嘩に巻き込まれる。

その上新聞紙上で生徒を煽動したと誹謗され、
二人とも辞職に追い込まれる破目となる。

もっとも最後に彼らが赤シャツとその仲間に
天誅を加えるのは痛快だが、

しかし一ヶ月経つか経たぬかで辞職するに至ったのは、
どう見ても彼の側の敗北と云わざるを得ない。


このように『坊ちゃん』という小説は、
建前が身についていなくては、
いくら本音を振り廻してみても、

肝腎の自分を守ることすらできないことを
示唆しているように思われるのである。


次回につづく


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テーマ:心理学
ジャンル:学問・文化・芸術
コメント
この記事へのコメント
にゃんこ先生って。。。
松山弁だったのぞなぁもし。

「坊ちゃん」読んでいておもいだしたぞなぁもし。

夏目漱石の前任者は、小泉八雲ことラフカディオ・ハーン
であるからしてぇ、漱石は分が悪く、気の毒であったぞなもし~♪
2006/10/02(Mon) 16:10 | URL  | マリア #-[ 編集]
やまんばさん
就職して一ヶ月で辞表を出されましたですか(^。^;)

ムムムそ、そ、それは早かっただすなぁ
同じような話をどこかでも聞きましただす。

2006/10/02(Mon) 15:52 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
マリアさん
PCの調子悪いのですか?
それは困りましたねぇ

早く治してくだされ~(^。^;)

2006/10/02(Mon) 15:48 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
占い(裏無い)の意味
ほうなるほどねぇ~
賢いねぇ錬金術者さんは

「裏が無い」から「根拠(証拠)が無い」
ということですか。
なんだかしっかり納得しましたです。

2006/09/26(火) にコメントくだすった
わっきー さん すみませんでした。
あなたのコメントにかなり近いですね。(^。^;)




2006/10/02(Mon) 15:45 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
ペンのインクの傷は
まったく関係なかったのかぁ~

ヒステリーの男は、くたばる寸前だった
わけですね。ふ~ん
2006/10/02(Mon) 15:17 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
クックッ^^。
錬金術者さん、お元気だったのですね。よかったです。やまんばも坊ちゃんと同じで、就職して一ヶ月で辞表を出しました^^。
2006/10/02(Mon) 14:11 | URL  | やまんばさん #-[ 編集]
占いとは、裏無い、もしくは裏内の意味では?
 「占い」っていう日本の言葉は、恐らく、裏無しって意味ではないだすか? 「裏が無い」から根拠(証拠)が無い推測ともいえるぞもし、また、占いが的中すれば、裏無しで、表ばかりで、見透かされたという意味になるぞなもし。
 裏とは、こころという意味にもとれやすが、本来は、魂を表すのではないだすかね? 
2006/10/02(Mon) 13:30 | URL  | 錬金術者 #-[ 編集]
あらっ?
錬金術者さん☆

お元気でした?てっきり、天竺へお1人で向かったかと思いましたわ(笑)

私も昨日からPCの調子、おかしいんで(エンジンのような音がするの)ひょっとすると、買い替えしなきゃならないかもですわ。

ですので、何日か姿を現さない時があるやもしれませんが、別にひとりで天竺行った訳ではありませんので、あしからず。。
2006/10/02(Mon) 12:57 | URL  | マリア #-[ 編集]
いいですわあ~☆
こんにちは☆

昨日、青空文庫で「坊ちゃん」途中までですけど読みました。

やっぱり面白いですし「坊ちゃん」のキャラは魅力的ですね~♪

テンポがあって歯切れよく、単純明快で気取りがなく、カラッとしていて実に爽快!
本音の塊でストレートなだけに、ユーモアがあって笑ってしまう場面、描写が多々ありましたわ♪

「やな女が声を揃えてお上がりなさい、と云うので上がるのがいやになった」。。(分かるわあ~)

「(下女が)東京はよい所でございましょう、と云ったから当たり前だと答えてやった」。。(ふふふ)

「こんなのが江戸っ子なら江戸っ子にはなりたくないもんだと、心中に考えた」。。(そう!いるのよ)

・・・とか、他にも共感するところしきり!ですので、今日も続きを読むつもりです☆
2006/10/02(Mon) 12:40 | URL  | マリア #-[ 編集]
しばらくパソコンの使えない環境におりまして
 どうも「ヒステリーの男」でご迷惑おかけしてすいません。では、答えを述べるだす。
 男は元々、致死性の病気持ちでして、死ぬ前日の夢で、自分が死ぬ夢をみたそうな。いわば予知夢だったのだすが、本人は意識ないわけですよ。しかし、無意識下には、死ぬ記憶を有していたんですな。
 だから、ペンのインクの傷は、死とは全く関係ないもんで、本人の思い込みなわけだすが、その傷がきっかけとなって、無意識下の死の記憶が、意識下に呼び起こされたわけだす。デジャブってやつだすな。
 だから、腕を切っても、死んだわけだす。本人の言葉をある意味、(馬鹿馬鹿しいと)鵜呑みにして、致死的な病気に、思いが至らなかった医師の失敗だす。
 ついつい、安易な結論を急ぐ場合がありがちだす。実は、精神病は、身体(といっても肉体だけではないだす)の不調が現れたもののことだと昔から伝承されているそうな。つまり、ヒステリーの男は、致死的な病のせいで、妄想をもつようになったわけだす。
2006/10/02(Mon) 12:29 | URL  | 錬金術者 #-[ 編集]
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