2006年09月24日 (日) | Edit |
嵐山光三郎著「徒然草の知恵」ダイヤモンド社より(20)


兼好が人間関係の悪例としてあげた五つの例、

①自分のことばかりしゃべる
②しったかぶりをする
③才能を自慢する
④言葉づかいが悪い
⑤きちんと返事しない

は格段に散りばめられているが、
もう一度、人間関係の中での、
兼好の基本的態度を考えてみると、
第一七〇段、


ーーさしたる事なくて人のがり行くは、
よからぬことなり

ーたいした用事もないのに、
人の所へ行くのは良くないことである

という述懐につながってくるのである。
この言葉は、隠者であった兼好の、
いちばん正直で、素直な精神の吐露であったろう。


兼好は、一転、鉾先を変えて、
悪い友人について七例を挙げる。

ーー友とするに悪しき者、七つあり。

一つには、高く、やんごとなき人。
二つには若き人。
三つには、病なく、身強き人。
四つには、酒を好む人。
五つにはたけく、勇める兵(つわもの)
六つには、虚言する人。
七つには、欲深き人。 〈一一七段〉

この文は、じつはしたたかな都市生活者であった
兼好の現実的な側面がよく表れている。
まず、身分の高い人を友としてはならない。

兼好ほど出世を願っていた人はいない。
兼好の出世欲は『方丈記』の鴨長明といい勝負であり、

隠棲の形を取りつつ現世への欲は終生
捨てがたいものがあった。

兼好は身分の低い者を嫌っていた。
教養がない者を見下していた。
兼好は身分の高い人とばかり交際していたのであり、

だからこそ、
自分より身分の高い者を友とすることの
つらさが身にしみていたのである。

・・・・・・
人間は、本質的には自分より身分の低い人を
軽蔑しており、自分の内に棲むその部分を
見定めていた兼好の自戒が、この一節である。


次回につづく


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テーマ:哲学/倫理学
ジャンル:学問・文化・芸術
コメント
この記事へのコメント
うれしいなあ^^。
兼好さんは少し休憩ですか、よかったあ^^。兼好さんはやまんば、毎日もぐらたたきにあってるみたいで、辛かったです^^。
2006/09/25(Mon) 09:09 | URL  | やまんばさん #-[ 編集]
相手の本音が全て分かったなら
ホントに人間不信に陥いるでしょうねぇ^^

確かに知らない方が
幸せなことってありますね。

それでも探偵雇ったりしてどうしても
知りたい人もいますだす。

私は個人的には、人が表にしたがらないことは
わざわざ知りたいとは思いません。

嵐山光三郎著「徒然草の知恵」はまだ続きますが
ここでしばらくお休みにして、あすからは

精神科医の土居健郎さんの名著「表と裏」を
連載したいと思います。
どうぞお楽しみに







2006/09/24(Sun) 17:45 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
こんにちは☆

昔、高校1年生の時、友達が「相手の本音がみえるめがねがあれば・・・」
という話をして、私は元来、知りたがりで好奇心旺盛なタイプにも関わらず、正直、もし、相手の本音が全て分かったなら、人間不信に陥いるだろうなぁ、と思いました。

知っていいことと、知らない方が幸せなこととがありますよね。。

兼好法師は、相手の本音が見えてしまう、鋭い人ゆえ、(本人にとっても)きついものがあったように思いますわ。
2006/09/24(Sun) 13:08 | URL  | マリア #-[ 編集]
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