2006年09月22日 (金) | Edit |
嵐山光三郎著「徒然草の知恵」ダイヤモンド社より(18)


ーーよき人の物語するは、人あまたあれど、
一人に向きて言ふを、人も聞くにこそあれ

ー立派な人が物語をするときは、
その場に大勢の人がいても、
その中の一人に向かって話しかける。
それを自然に他の人たちも聞くことになる

これは、話術である。
観客の中の一人に向かって話すというのは、
じつは現代のテレビの技法がそうなのだ。


絶妙の歌手は、
ブラウン管の向こう側のたった一人の
架空の客に向かって、切々と歌う。

たった一人に自分の歌をわかってもらいたいと
努力をするから、結果として何百万もの
視聴者の胸に届くのだ。

最初から多数の相手を意識した歌は、
結果的に誰一人の心へも届かない。
これは政治家も同じである。

単に話し方や歌い方の技法のみでなく、
話したり歌って聞かせる内容そのものも、
一人を想定するのがうまいやり方なのだ。


かつて坂本九が「幸せなら手をたたこう」と歌い、
観客がそれにあわせて手をパンパンと叩いた
おめでたい時代は終わった。

あのパンパンと手を叩く擬似幸福感は、
高度成長期の終末に現われた幻想そのものであった。

いま人気を獲得する歌は、そのどれもが、
一人の人間のパーソナルな状況、
そのディテイルを歌ったものなのである。

上手な講演をする人は、会場の客全体に向かって
話すのではなく、会場の中の一人に向かって、
とつとつと話しかける。政治家の演説もそうである。

・・・・・・この本を書いている私は、いま読んでくれている
読者である貴君一人に語りかけている。それは、
私自身の中に棲んでいる貴君であり、と同時に
貴君の中に棲んでいる私なのである。

この個と個の関係のみが人を繋ぐ唯一の線なのだ。
私は、兼好の書を読みつつ、兼好と時代を超えて
話をかわす実感をつくづく有難いものだと思う。


次回につづく


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テーマ:哲学/倫理学
ジャンル:学問・文化・芸術
コメント
この記事へのコメント
この男は宇宙人だった。
それとも、人間のレベルが天に近いか、地獄に近いか?ちよっと、ずれている人か?ケケッ^^。
2006/09/24(Sun) 07:33 | URL  | やまんばさん #-[ 編集]
謎☆
こんばんは☆

医者の「先入観」が原因ではないのかな、もしかしてぇ~♪

いくら名医といえ、判断ミスはあるぞなもし。
世の中には、自分の知識をこえた事もおおいぞなもし。

そして、こういうことは、現実にたまにあるぞなもし。
2006/09/22(Fri) 19:13 | URL  | マリア #-[ 編集]
自己暗示による死
ではないのならこれはもう
ペンが錆びていて

破傷風菌が傷口から侵入し、
その神経毒のため、
全身の筋肉に硬直・痙攣(けいれん)が現れ、

呼吸困難に陥って死亡したものと
思われる。


2006/09/22(Fri) 18:56 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
詳しいご説明ありがとうございます☆
リンクしときましたので、
できたと思います。
2006/09/22(Fri) 18:17 | URL  | 陽 #-[ 編集]
陽さん
リンクするとは
お気に入りのブログやサイトを

自分のブログにリンクする、
つまりつなげてしまうことです。
そうすることでより多くの人にご紹介することです。

あなたのブログも碌々(ろくろく)ブログに
リンクさせて頂きました。

碌々(ろくろく)ブログの右側下のほうに
「リンク」コーナーがあります。その一番下に
「そうか!フェレットか!」があると思います。

それをクリックするとあなたのブログに直に
行くことができるわけです。

あなたのブログに当方の碌々(ろくろく)ブログを
リンクして下さるならば(是非お願いします)

「リンク」コーナーの下の
「このブログをリンクに追加する」
をクリックするだけで自動的に碌々(ろくろく)ブログ
にリンクすることができます。

あなたのブログにはまだ
「このブログをリンクに追加する」
が設定されていませんでしたので

アドレスをコピペして手動で設定させて
いただいたわけです。








2006/09/22(Fri) 17:25 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
一人に話しかける
テレビやラジオでの視聴者は、
何万、何十万人いると思うと

アナウンサーやゲストの方が
怖くなって極度の緊張状態になることがあるそうです。
いわゆる上がってしまうわけですね。

そんな時のイメージ法がこの
視聴者の中の一人に向かって、
とつとつと話しかけることだと聞いたことが
あります。

これはまさに「奥儀の中の奥儀」だと思います。



2006/09/22(Fri) 16:53 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
ヒステリーの男
 これはヒステリーの男性の話だす。
 ある医師のもとに、インクのペンで指を刺してしまったヒステリーの男性がやってきて、「明日の夜には自分は、きっと死んでしまうので、血液が毒されてしまうから、腕を切断してくれ」と言いました。当然のことながら、その医師は、外科医でもあったのですが、切断しませんでした。彼は、この男性を落ち着かせ、傷口を消毒するなどの必要な処置を施し、明日の夜には血液が毒されてしまうからなどという言い分には耳を傾けませんでした。
 するとこの患者は、また別の医者のところに行きましたが、当然ここでも彼の腕は切断してもらえませんでした。
 最初の医師は、この事態に、いささか不吉なものを感じました。朝になって、すぐにそのことを問い合わせてみると、その患者は、本当にその夜に死んでいたのです。
 そこでその医師は、そのヒステリーの患者を、自己暗示による死という診断にしました。

 しかし、この診断は過ちの何者でもなかったのです。一体何処に過ちがあるのでしょうか?

 話術とは関係ないのだすが、何か謎めいたものがあると、話は広がりだすぞなもし…。さてさて、この話のオチはなんでありましょうぞな?
2006/09/22(Fri) 16:38 | URL  | 錬金術者 #-[ 編集]
ご訪問&お返事ありがとうございます。
リンクするとは、どううゆうことでしょうか?
すいません、PC初心者なもので・・・
ぼくが使っている広告の技術でフラッキングという技術があります。
それも対象を絞るということです。
大切ですよね。
2006/09/22(Fri) 16:19 | URL  | 陽 #-[ 編集]
ポリシー☆
こんにちちは☆

対象をしぼることによって、明確に思いがストレートに伝わるのは、とてもよく分る気がしますわ。

不特定多数の未知の相手なら尚更のこと。

それには、自分が何をし、何を伝えたいのか、明確なビジョンあってこそで、中途半端に万人受けを狙ったところで、確かに、強く訴えかけてくるものがないな、と思います。

映画然り。写真しかり。絵画しかり・・・・

「話術」も同じで、やはり、しっかりとした信念が無いと、と思いますわ。





2006/09/22(Fri) 13:47 | URL  | マリア #-[ 編集]
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