2006年08月30日 (水) | Edit |
嵐山光三郎著「徒然草の知恵」ダイヤモンド社より(7)


高校時代に『徒然草』のつぎの段の冒頭を読んで
思いあたることがあったはずである。
私もまったくそうだった。

第一八九段

ーー今日はその事なさんと思へど、あらぬ急ぎ先づ出てきて
紛れ暮らし、待つ人は障りありて、頼めぬ人は来たり。
頼みたる方のことは違ひて、思い寄らぬ道ばかりは叶いぬ。
煩わしかりつる事はなくて、易かるべきことはいと心苦し


ー今日はあのことをしようと思っていると、
別の急用ができて忘れてしまうし、
待っている人はさしつかえがあって来れなくなり、
あてにしていない人が来る。

期待しているとうまくいかず、関係ないことばかりうまくいく。
心配しているとスンナリいくし、わけもないと思っていたことが
うまくいかなかったりする。


私は、この文を読んだ高校時代に、
自分のことをぴたり言い当てられたと思った。
日々はまったくそのとおりだった。

期末試験の前などはとくにそうで、
やろうと思ってもなかなか勉強が手につかず、
試験の前の晩になってやっと机に向かい、
結局、間に合わなくて失敗する。

私は高校時代はわりと勉強ができたほうで
三〇〇人中三〇番ぐらいの成績で卒業した。

進学校であったから上位五〇人は東大・一橋
東工大といった国立大学に進み、
五〇位から一五〇位までの一〇〇名は早慶に入った。

私は、どうころんでも国立大に入学できる位置にいたし、
早稲田・慶応クラスは楽に受かると思っていた。

結果は一浪したのち、早慶にも合格しなかったが、
これすべて私の怠惰と慢心が原因だった。

私よりはるかに成績が劣る者が大量に国立大をはじめ
早慶に入るのを見て、悔し涙が出た。
そのころの悔しい夢をいまなお見ることがある。

私は、自分でもあきれるほど自信家である反面、
ここ一番というとき、投げてしまう癖があった。
人生の無常を感じつつ、時間の中を無為に過ごしてしまう。

それはそれで私の性格だから仕方がないことなのだが、
国学院大の国文にすすみ、高校時代、受験用に勉強した
兼好に再会したときは、まっさきにこの一八九段を
読んだものだった。

兼好のこの段はつくづくと身にしみた。
それは今でもまったく同じで、この本を書くにあたって、
またこの段を読むと兼好に叱られている気分になる。

『徒然草』は私の教科書であり、人生の節目、節目に
読むと、そのたび新しい発見がある。

若い時わからなかった部分が、突如、見えてくるのである。
そこもまた『徒然草』の凄いところなのだ。


次回につづく


↓↓↓あなたの応援↓↓↓(1日1クリック)お願いします。

にほんブログ村 哲学ブログへ人気blogランキング精神世界 ランキング


スポンサーサイト
テーマ:哲学/倫理学
ジャンル:学問・文化・芸術
コメント
この記事へのコメント
人生は残酷
アンデルセンの童話以上に
人生は残酷で、思うままにいかないもの
でしょうね。

残酷というよりも、あるがままというか
森田療法創始者の森田正馬の言われる
「事実は事実、それっきり」

時に残酷で、時に美しく、
無常の一瞬、一瞬が新たに生起しつづける
のでしょうか・・・



2006/09/01(Fri) 09:40 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
無常の世界
おはようございます☆

痛ましい事件ですね。私、新聞やTV(スカパーしか)殆ど見ないので、世情に疎く、今回の事件も今初めて知りましたが、やりきれなくて、亡くなった子供は勿論のこと、3人の子を突然失ってしまった、ご両親の胸中を思うと、哀れで「どうして!」と、私も、その人生の理不尽さに、いろいろな疑問が湧き起こってきます。

「何故」かは、神のみぞ知る?ことであり、人間の考える範疇を、はるかに超えてしまって、まさしく『人智を超えて』いるものの、生身の人間である私は「冗談じゃない!」って思いますし、それ程苦しい思いまでして、悟りたくも、成長したくもないですし、だったらいっそ、魂を消滅して頂くほうが嬉しいですわ!(錬金術者さん、魂の消滅方法、是非教えて!!私、もう生まれ変わりたくないの)

まさに、この世は『無常』であり『無情』だと改めて感じましたわ。

アンデルセンの言葉に(正確には覚えていませんが)「我々は、神の描いた童話の中の人物のようなもので、ストーリーも、役柄も、全て神しだい・・・」と、いうのは、彼の率直な感想で、作品にもそれが反映していますが、私もまさにその通りだな、と思いますし、だからこそ、時代や人種を超えて、今なお感銘を与え続けてくれるんでしょうね。。
2006/08/31(Thu) 11:47 | URL  | マリア #-[ 編集]
追突されて海に転落し、子供3人が死亡した件

福岡市で25日夜、家族連れが乗った車が
追突されて海に転落し幼い子供3人が死亡しました。

追突した車を酒気帯びで運転していた男が
ひき逃げの疑いで逮捕されました。

25日午後11時前、福岡市東区の海の中道大橋で
福岡市博多区の会社員大上哲央さん(33)ら
家族5人が乗ったRV車が乗用車に追突され
14メートル下の海に転落しました。

この事故で紘彬くん(4)、倫彬くん(3)、
紗彬ちゃん(1)が病院に運ばれましたが
死亡が確認されました。

追突した車は300メートル逃走して止まり
福岡市職員、今林大容疑者(22)がひき逃げの
疑いで逮捕されました。

調べによりますと今林容疑者は酒気を帯びており
直前までスナックで酒を飲んでいたということです。


この件はホントに痛ましい事件でした。
しかし、何故、このような幼い子供が3人も
死ななければならなかったのでしょうか?

中道大橋には悪霊が憑いていて、
それが事故を起こさせた?

大上哲央さんや奥さんが、
現世や過去世で悪いことをした?

大上さん夫婦や、今林大容疑者が
人間的に成長するため?

それとももっと別な理由?

マリアさん、錬金術者さんはどうお考えに
なりますか?

2006/08/31(Thu) 09:51 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
名作☆
おはようございます☆

本でも映画でもいいものは特に、何度もまた、繰り返し見たくなりますし、その時々で新しい発見が確かにありますね。

アンデルセンの童話も、その中の1つです。(アニメ「アンデルセン物語」再放送、希望!絵も可愛いので)子供の頃から、イソップ童話など、他にいろいろな童話を読みもし、大好きですが、その中でもアンデルセンのお話は名作揃いで、哀しくも美しいストーリーが多く、読むたび切なくなりますわ。

『赤い靴』は映画化(泣きました!)もされましたが、1度、赤い靴を履くと、死ぬまで休む事なく、自分の意志とは拘わりなく踊り続けねばならないなんて。。。

『人魚姫』もそう。シンデレラや白雪姫と違って、王子様と結ばれるためには、あらゆるものを犠牲にして、まさに「命がけの愛」それでも報われない事がある。リアルだこと。。

他の作品も「努力したものは報われる」的な、終わり方の内容って、殆ど無いでしょう?
まるで、人生は残酷で、思うままにいかないもの、と暗に言っているかのようで。。
2006/08/31(Thu) 08:43 | URL  | マリア #-[ 編集]
対岸の火事と思うなかれ
 人生の節目節目を振り返るとき、そのときは感じなかったことや、気がつかなかったことがみえてきます。
 例えば、親の財産やコネで、順風万風で、苦労も知らずに、青年期まで来れたします。本人はそのことで、有頂天になり、世間を甘くみる癖、習慣が身につくでしょう。それは慢心や怠惰ですが、本人はそれを現実が真近にあるので、当然の権利だと思って油断してしまうことでしょう。
 あるとき、そのような青年の父が亡くなって、財産やコネが無くなってしまいました。さあ、大変大変、青年は大学をやめて、一から就職し、生活費を稼がなくてはなりません。その際に、慢心や怠惰な心を克服しなければなりません。
 そして、青年は成長し、老年期になり、自らの人生を振り返ります。そして、青年期の父の死が、自分の人生にとって重要なことに気がつかされるのです。
 父の死がなく、あのまま順風万風にいっていたら、自分は成長しなかっただろう。あの苦労があるからこそ、人生の深さが学べ、理解できたのだと…。
 人生を上辺でみては、このような叡智は得られません。人生の意味を後から振り返ることで、霊的な知識を得ることができます。まずは人生を反省し、そこから相手の気持ちや立場を理解し、自然のなかに、そのような気持ちがあることを知れば、自然霊の存在を感じることができるようです。物質的ななかにある霊的本質を感じ取る能力ができるということです。
2006/08/30(Wed) 11:37 | URL  | 錬金術者 #-[ 編集]
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック