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2006年07月17日 (月) | Edit |
養老孟司著「無思想の発見」ちくま新書より(5)


大家族の家単位だった私的空間が、
憲法上つまりタテマエ上は、
個人という実質的最小単位まで

小さくなってしまったのが、
戦後という時代である。

そうなると、実質とタテマエをなんとか
工夫してすり合わせるのが日本人だから、
どうなったかというなら、

「大きい」家族を、「小さい」個人のほうに
できるだけ寄せるしか手がない。


その折り合い点が「核家族」
になったんでしょうが。

「ひとりでに核家族になったんだろう」

たいていの人はそう思っているはずである。
冗談じゃない。
そんな変化が「ひとりでに」起こるものか。

「ひとりでに」というのは、
「俺のせいじゃない」
と皆が思っているというだけのことである。

だって憲法のせいなんだから。


幼児虐待が起こるたびに、
「どうしてまわりが注意しなかったんだ」
という意見が出る。それは、

「他人の家のなかは、私的空間だ」
という伝統的な世間の規則を意識していない
からである。だから日本の場合、

ある程度大家族でないと、
じつは子育てが危険である。

二十歳やそこらの母親が、子育ての責任を
一人でもてるわけがないでしょうが。

未婚の母の問題は、未婚だからではない。
子育ての問題に決まっているではないか。

だから共同体がまだ生きている田舎、
沖永良部島がもっとも人間の再生生産率が高く、
都市つまり東京都目黒区がいちばん低い。


最近、福島県伊達町の諏訪野に行った。
ここは共同体の再生を考慮に入れて、
都市づくりを行っている。

コモンと呼ばれる「ちいさな広場」を
数件の家が囲む形になっており、
町全体は西欧の田園都市に近い、
樹木を多く取り入れた設計になっている。

そこでは「子どもが増えている」のである。
外で遊んでいる子どもを、
だれか大人が見ているからである。


西洋では家族の意味はおそらく逆で、
近代的個人が集まって家族を作るんだから、
家族が最小の公的共同体なのである。

家族は私的単位ではない。
だからイギリス人が遺書を書いたら、
遺産だって奥さんに行くとはかぎらない。

「だれに財産を分けようが、俺の勝手だろ」

なのである。なにしろ「個人」が
「私というものの公的最小単位」
なんですからね。

ここの「私」とは、
privateという意味ですからね。念のため。

イギリスの推理小説を読むと、
それで遺産がらみの殺人ばかり
出てくるのであろう。



次回につづく


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ジャンル:学問・文化・芸術
コメント
この記事へのコメント
マリアさん
精神世界の探求に興味を持つひとは、
まあたいがいにおいて
浮世離れしたところがありそうですね。

自分と他人との差異というか違和感、
を小さなときから感じていたのかもしれません。

ひきつづきお楽しみください。

2006/07/19(Wed) 10:25 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
核家族でなかったかおかげ
養老孟司さんの

「ある程度大家族でないと、
じつは子育てが危険である」

というのは今回の秋田連続児童殺害事件 でも
まさにその通りですね。

女手一人で子どもを育てるのは畠山鈴香さんにかぎらず
大変困難だということです。

やまんばさんはよかったですね。
2006/07/19(Wed) 10:14 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
やまんばさん
私も年齢のわりには世間知らずです。(笑)子供の頃から浮世離れしたところがありましたが、最近さらに拍車がかってきたような気が。。

<学校の勉強より、このプログのような、精神世界を探求していくのが楽しいです>
私、初めてここへ来たとき「4人の妻を持つ男」だったと思うけど、プログの形式といい、やりとりといい、禅問答のようで、すごく新鮮に感じられて面白いと思いました。いろいろ勉強になりますし、確かに世界も広がりますよね。ろくろくさんに感謝ですね!

こちらこそ、これからもどうぞよろしく!





2006/07/19(Wed) 03:01 | URL  | マリア #-[ 編集]
マリアさんへ
やまんばは外の世界はほとんど知りません。本当に世間知らずなのです。(料理は上手ではないけど、嫌いでもありません。)なぜか昔から、みんなと遊ぶより学ぶことが好きなようです。学校の勉強より、このブログのような精神世界を探求していくことが楽しいです。読んだことが実際の生活の中でわかったりする瞬間が訪れたときは、うれしいのです。それにろくろくさんや錬金術者さんや、マリアさん、などなど、やまんばにとってたいせつなお友達が出来て世界が広がりつつあるのです。今後ともよろしくね。
2006/07/18(Tue) 22:08 | URL  | やまんばさん #-[ 編集]
あらっ、やまんばさんお姑さんと同居なさってたんですね
ってことは、今までやまんばさんのコメントの「お年寄り」ってこのお姑さんのことだったんですか?私、やまんばさん老人ホームに携わるお仕事してるとばかり(今から思うと不思議!なぜだろう?)思ってました。。。(笑)
でも、やまんばさんお料理上手そう。
旬の材料で、ある物で、手早くパパッとむぞうさに、でも味はすご~くおいしいの。
2006/07/18(Tue) 18:38 | URL  | マリア #-[ 編集]
幼かったやまんば
好きな人といつも一緒に居られるのが結婚だと思っていた。ところが、なんと現実は予想だにしなかったことが要求されたのだ。炊事 洗濯 そうじ 山ほどの雑事。末子で育ったやまんばは家事を知らなかったのだ。おまけになんと赤ちゃん誕生。赤ちゃんは眠っていると天使のように可愛いけど、言葉が泣き声なので、なかなかわからなくてマゴマゴしているとさらに大声で要求してくる。結婚が何かを自覚できずにいた幼いやまんばは、赤ちゃんと一緒に大声で泣いた。その時いつもお姑さんが助けてくださった。心に余裕がうまれ、次第に家事にも慣れどうにかここまでこれたのも、核家族でなかったかおかげだと心底思っている。
2006/07/18(Tue) 13:23 | URL  | やまんばさん #-[ 編集]
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