2006年07月02日 (日) | Edit |
藤原正彦著「国家の品格」新潮新書より(5)


弱肉強食に徹すれば、
組織は確かに強くなるでしょう。
しかし、社会は非常に安定性を失います。

アメリカが良い例です。
アメリカの人口あたりの弁護士の数は、
日本の二十倍です。

また、精神カウンセラーの数が
五十倍とか六十倍とか言われております。

競争社会を徹底すると、
そういう人々を大量に必要とする
社会になるということです。


「共産主義が滅び資本主義が勝利した」
と思っている人が多いようですが、
現行の資本主義でさえ欠陥だらけの主義と、
私は思っています。

共産主義が机上の空論だったから、
勝利してしまっただけです。


資本主義にも見事な論理が通っています。
資本主義的個人は、それぞれが私利私欲に従い、
利潤を最大化するよう努める。

すると、それが「神の見えざる手」に導かれて、
全体の調和がとれ、社会全体が豊かになる。

最近では一歩進んで「市場原理主義」になりました。
何でも市場に任せれば一番効率的であり、
国家の介入はできるだけ少ない方がよい。

少しオーバーに言うと、
経済に限定すれば国家はいらない。

国家は外交、軍事、治安などを
行うだけでよいということです。


市場原理主義の前提は、
「まずは公平に戦いましょう」です。
公平に戦って、勝った者が利益を全部取る。

英語で言うと「ウィナー・テイクス・オール」
というものです。

公平に戦った結果だからぜんぜん悪いことはない。
勝者が全部取って構わない。
こういう論理です。

しかしこの論理は「武士道精神」によれば、
「卑怯」に抵触します。大きい者が小さい者と
戦いやっつけることは卑怯である。

強いものが弱いものを
やっつけることは卑怯である。
武士道精神はそう教えています。

しかし、市場原理主義ではそんなことに
頓着しません。一本道のような論理で、
全体を通してしまいます。


次回につづく


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この記事へのコメント
幸せになれない症候群
 米国社会が存立できるのは、他民族国家だからでしょう。白人は白人でまとまり、黒人は黒人でまとまり、ヒスパニックはヒスパニック、アジアはアジア、ユダヤはユダヤです。だから年中、国旗を振りかざし、国家を斉唱してないと、米国人だという意識がもてないのです。
 白人、ユダヤのほんの一部だけ裕福で、後は、貧しく、とくに大部分の黒人はホームレスです。国内のホームレスを救うことができずに、他国に戦争に行き、自分たちは贅沢な暮らしに躍起になっているなんて、同胞意識の欠如でしょう。
 恐らく、彼らには実力がないからという理由で、片付けるのでしょう? 若き日の米国には、まだ、救われない人や、苦しんでいる人たちを助けようとする気概があり、アメリカンドリームがありました。
 しかし、いまや、実力主義といいながら、親のコネでなりあがった大統領の国なのです。実力主義でさえもないのです。つまりもともと実力主義などマヤカシなのです。人間が人間を評価できるわけがないのです。
 本当の幸せとは人類全体が幸せになることを願うことであり、どんな人にも救いの手を差し伸べることなのです。だからいまの人間は皆、本当の幸せの実感がないのです。
2006/07/03(Mon) 13:04 | URL  | 錬金術者 #-[ 編集]
あちら立てればこちら立たず
アメリカの場合は競争社会、実力主義社会の
あちらしかない社会ですが

日本には年功序列とか終身雇用のような、
弱いものいじめをしない、実力主義ではない考え方である
こちらのものも少しだがある。

こちらのものの良い所は武士道精神に代表される
考え方・・・・・

2006/07/03(Mon) 08:16 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
。。。思いやりを持てって事??
う~ん、でもあれね

アメリカ社会のような、勝つかまけるか食うか食われ

るかの余裕のない極端な世界もイヤだけど、やる気の

ある人が報われない世界ってのも、酷よね。。。

あちら立てればこちら立たずで、本っ当、この世は厄

かいですわ!
2006/07/02(Sun) 16:53 | URL  | マリア #-[ 編集]
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