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2006年06月05日 (月) | Edit |
河合隼雄著「こころの処方箋」新潮文庫より(5)


世の中に理想の××と
言われるような人が
時に存在する。

理想の父、理想の母、理想の社長、
理想のスポーツマン、などなど、
たくさんの理想の人がいる。

近所の人からも、「理想の夫」と
呼ばれている男性があった。

妻に対して理解が深く、
妻が好きな職業をもち、
のびのびと暮らすのを、
よく支え、

買い物なども一緒に行き、
家事を分担し、と

だれが見ても理想の夫というの
にふさわしい人であった。


そのため、彼の妻は、友人や知己から
いつもうらやましがられ、彼女自身も、
そのような夫を誇りに思っていた。


ところが、その夫が会社でつまらない失敗をし、
そのこと自体はそれほど大きいことでも
なかったのに、

彼はそれを大変苦にして、
家に帰らず、
ホテルに泊まってしまった。

そのことを知って、
彼の妻はすぐにホテルにかけつけ、

そのくらいの失敗など彼女はまったく
気にしてないし、二人で心を合わせて
生きてゆけばいいのだからと慰めようとしたが、

彼女が大変驚いたことに、
彼は彼女に会いたくない、
と言うのである。

会社には気を取り直してゆくが、
ともかく当分は一人で居たい、
彼女と一緒に暮らすのは耐えられない、

と言うのだから、彼の妻のみならず、
周囲の人が理解に苦しむのは無理はなかった。

あれほど仲がよかったのにどうしてなのか。

頼まれ仲人(なこうど)で彼の上司である人が
彼に会って話を聞くと、
次のようなことがわかった。

彼は「理想の夫」を演じ続けることに
精も根もつき果てたのだ。

そのために、
会社でつまらぬミスをしたのであって、
会社が嫌でもなんでもない。

ともかく、家に帰って今までどおりの
「理想の夫」として生きることは、
もう辛くてたまらない、と言うのである。


彼は最初はそれほどでもなかったのだが、
妻や周囲の賞賛や要望に応えているうちに、
「理想の夫」の座から降りられなくなり、

心のなかでは「そんなのではない」
と言い続けながら、
我慢して役目を果たしてきたのに、
誰もそれに気づいてくれなかったのである。

そして、
その限界において
破局がやってきたのである。


次回につづく


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テーマ:夫婦生活
ジャンル:結婚・家庭生活
コメント
この記事へのコメント
人生は演技の舞台?
 ある意味、人生は演技の舞台かもしれませんね。他者は、自分の内面まではみることができません。傍からみた自分を演じないといけないところがある。他者からみた自分と、自分が思う自分、どっちにエゴ(利己心)があるかというと、自分が思う自分なのでしょう?
 他者からみた自分の方が、実は真の自分に近かったりして? 少なくても他者が思う理想の自分があるでしょう? 人生は理想の自分の演技を学ぶ舞台なのかもしれませんね。精神錯乱に陥らないように注意したいですね。日々、人は変わり、成長していかねばなりません。
2006/06/06(Tue) 09:59 | URL  | 錬金術者 #-[ 編集]
言わないほうがよい
物知りがおに 言って失敗したことが 多々あり。
よけいなことは言わないことがいい。

この場合は我慢がたいせつだと思う。
2006/06/06(Tue) 09:43 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
我慢はしないほうが良い
いや。と、一言いえばよい。やまんばが良い子をやめた時、勇気をもって、いや、と一言いってみました。以外や以外。すんなりと受け入れられたのです。えっー。次もいやと返事をしました。やはりオーケーでした。気持ちよくなり何回も安心して、いやの連発をしました。ある日相手の悲しそうな表情に気がついたのです。困惑しました。相手が悲しいのは困るのです。やまんばなりにいろいろ考えました。出来ることは、出来る。出来ないことは出来ない。そう正直に表現していこう。
今、結構うまくいってます。やまんばも少し大人になっているみたいです。
2006/06/05(Mon) 12:39 | URL  | やまんばさん #-[ 編集]
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