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2006年06月02日 (金) | Edit |
河合隼雄著「こころの処方箋」新潮文庫より(2)


「悪い少年」だときめてかからない
ことが大切である。

そんなつもりで、少年に会ってみると、
あんがい少年が素直に話をしてくれる。


少年は涙を流しながら、
実はお母さんが怖い人で、
小さいときから
叱られてばっかりだったと言う。

これを聞いて「母親が原因だ」とすぐに
決めつけてしまう人も素人である。


少年が、母親が怖いと涙ながらに訴えるとき、
それはその少年にとっての真実であるだろうし、
それをわれわれは尊重しなくてはならない。

しかし、そのことはすぐに母親が怖い人だ
ということにはならないし、ましてや、
母親が原因などと即断できるはずもない。

そして、われわれは母親に対して会うときも、
少年に対してと同様に、簡単にきめつけられた
ものではないという態度で会ってゆく。


このような態度で会い続けていると、
それまで見えなかったものが見えてくるし、
一般の人が思いもよらなかったことが
生じてくるのである。

母親が怖いとばかり訴えていた少年が、
ふと幼い頃に母にやさしくして貰ったことを
思い出すときもある。

自分の子供を悪い子と決めつけてしまっていた
父親が、ふと子供に話しかけ、子供がそれに
応じるなどということもでてくる。

・・・・・・
ここで一番大切なことは、
われわれがこの少年の心をすぐに判断したり、
分析したりするのではなく、

それがこれからどうなるのだろう、
と未来の可能性の方に注目して
会い続けることなのである。

即断せずに期待しながら見ていることによって、
今までわからなかった可能性が明らかになり、
人間が変化してゆくことは素晴らしいことである。

しかし、これは随分と心のエネルギーのいることで、
簡単にできることではない。むしろ、
「わかった」と思って決めつけてしまうぽうが、
よほど楽なのである。

この子の問題は母親が原因だとか、
札つきの非行少年だから更正不可能だ、
などと決めてしまうと、

自分の責任が軽くなってしまって、
誰かを非難するだけで、
ものごとが片づいたような錯覚を起こしてしまう。

こんなことのために「心理学」が使われてばかり
居ると、まったくたまったものではない。


「心の処方箋(しょほうせん)は
「体の処方箋」とは大分異なってくる。

現状を分析し、原因を究明して、
その対策としてそれが出てくるのではなく、
むしろ、未知の可能性の方に注目し、

そこから生じてくるものを尊重しているうちに、
おのずから処方箋も生まれてくるのである。


次回につづく


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テーマ:モノの見方、考え方。
ジャンル:心と身体
コメント
この記事へのコメント
決めつけてしまう
即断せずに期待しながら観ていくこと・・・

静か~に期待しながら「観る」ことでしょうか?
自分も他人も・・・

2006/06/03(Sat) 10:58 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
即断しない
すぐに判断したり、レッテルを貼ったりしないで
人と会うのはホントに大切です。

わたしは、肝に銘じて反省しないといけません。

2006/06/03(Sat) 10:47 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
未知の可能性に注目
どの人の心にも神仏がおられるとやまんばには思えるのです。だから、著者の言われている{ むしろ未知の可能性のほうに注目し、そこから生じてくるものを尊重しているうちに、おのずから処方箋も生まれてくるのである}というところに、納得し感動しました。覚えておきたいと思いました。人にだけいえるのではなく、自分自身にも言えることだと思いました。
2006/06/02(Fri) 21:09 | URL  | やまんばさん #-[ 編集]
決め付けないことが重要ですよね
 ある意味、評論家、批評家位、無責任な立場は無いと思います。岡目八目といいますが、他人の打つ手のあら捜しをする事位、容易なものはないでしょう?
 朱に交われば朱に染まらないように、共に付き合って、導いていくことは、覚者じゃないと困難なことだと思われます。
2006/06/02(Fri) 15:47 | URL  | 錬金術者 #-[ 編集]
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