2015年11月01日 (日) | Edit |
ティク・ナット・ハン著「微笑を生きる」春秋社より (53)


私たちが食卓について、食欲をそそるおいしい料理を
目の前にしているときでも、飢えに苦しむ人々の痛みに
気づくこころを育てることができます。

毎日四万人の子どもたちが飢えで栄養失調になり、
いのちを落としています。この数字は毎日の数字です。

こういった数字を耳にすると、
ショックを受けずにいられません。

自分の食卓の料理を深く見つめたみたら、
私たちをはぐくんでいる母なる大地が見えるし、

土地を耕して穀物を作る農家の人も見えるし、
また飢えや栄養失調に苦しむ人も見えてきます。
私たち北アメリカやヨーロッパに住む人間は、
第三世界から輸入した穀類その他の食べものを
日常的に食べています。

たとえば、コロンビアからコーヒー、ガーナから
チョコレート、タイからおいしいお米といった
ぐあいです。

しかし、これらの国々の子どもたちは、少数の
豊かな家庭の子をのぞいて、いま私たちが口に
しているような上等な食品を一度も見たことすら
ない、ということに気づいてください。

この人たちは、外貨を稼ぐため優良な産物を輸出用
に選別したあとの、あまったものしか食べられない
のです。食いぶちに困って、わが子を食べものがある
家に使用人として売る親だっているのです。

毎日の食事の前に、両手を合わせて日々の食事に
困っている子どもたちがいることに気づいてください。

これに気づいてはじめて、いまの自分の幸運に感謝
できるし、この世界にはびこる不平等の体制を変えて
ゆく方法を見つけてゆくこともできるのです。

……
豊かになりすぎた国の子どもに、どこの国でも、
みんながこのようにおいしくて栄養豊かな食事が
できるのではないことを教えるのは、たいへん
むずかしいことです。

しかし、この事実に気づくだけでも、私たちが持って
いるさまざまな心理的苦痛を克服する手助けとなります。

こころを静めてほかの人々へ思いを寄せる練習をしてゆけば、
助けを必要としている人に、どのように対してゆけばよいか、
やがてわかってくるはずです。



次回につづく

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