2015年06月03日 (水) | Edit |
ティク・ナット・ハン著「微笑を生きる」春秋社より (49)


もし地球があなたの体なら、
自分の体のあちこちが苦しみ、
痛んでいるのが感じられるのでは
ないでしょうか。

いま世界の至るところで、
戦争や政治的経済的抑圧、飢餓、
公害などが人々を苦しめています。

子どもたちは毎日のように栄養失調で
失明したり、わずかな食料を求めて、
力なくごみの山を漁っています。

大人も圧制に抵抗して投獄され、
静かにこの世を去っています。

川は死に、空気はますます汚れて息苦しくなって
ゆきます。

ふたつの超大国は、少しばかり歩み寄りを示して
いるとはいえ、地球を何十回も破壊できるほどに
核兵器を保持して対立しています。

だれもが世界の苦しみに気づき、
できるものなら助けたいと思っています。

私たちのなかには、この事態を改善するために
すぐに適切な行動を起こし、政治や社会、環境など
のさまざまな問題に、いのちがけで取り組んでいる
人がたくさんいます。

しかし熱心に運動に取り組んだあとで、
もしこの運動を維持する力がなければ、
彼らの努力も尻すぼみになります。

世界の平和を維持する真の力は、権力や金銭、
また武器などではなく、ひとりひとりのこころが
鎮まって平和になることです。

毎日たゆまず気づきの練習をしてゆけば、
私たちひとりひとりが、自分でこころの平和を
育ててゆけるのです。

迷わず決意をもって忍耐強く練習してゆけば
――これが瞑想の成果といえるものですが――
私たちはいつでも行動できる力を体にみなぎらせ、
平和の真の道具になることができるのです。

私はさまざまな宗教的、文化的バックグラウンドを
持つ人々のなかに、この平和なこころを見てきました。

この人たちは、みずからの時間とエネルギーを、貧し
い人々を守ることに使い、社会的正義のために戦い、
貧富の差を減少させ、軍拡競争を抑制し、

差別撤廃のために戦い、世界じゅうに愛と理解の木を
育てようと努力しているのです。




次回につづく

スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック