2015年02月01日 (日) | Edit |
ティク・ナット・ハン著「微笑を生きる」春秋社より (46)


抱擁はたいへん楽しい西洋の習慣です。
私たち東洋の人間としては、この習慣に
意識的呼吸を合わせて行ってみたいと思うのです。

子どもを抱くとき、あるいは、母親を、
夫を、友人を抱き締めるとき、
三回ほどしずかに呼吸したら、

そのときの幸せな感じは、
すくなくとも10倍に膨らむことでしょう。

抱き締めたとき、気が散ってよそごとを考えていたら、
それはかたちだけのものになってしまい、
抱き締めることの喜びを味わえなくなります。

微笑みを生きる―“気づき”の瞑想と実践微笑みを生きる―“気づき”の瞑想と実践
(2002/02)
ティク・ナット ハン

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子どもや友人、妻や夫を抱き締めるときには、
まず息を吸って、吐いて、いまここに戻ること
からはじめてください。

それから両手でしっかりと抱き締めて、三回呼吸をします。
このように抱擁してみたら、これまでに経験したことがない
深い喜びが湧きあがってくるはずです。

コロラド州のセラピストを対象にしたリトリートで、
抱擁の瞑想を実践したことがありました。

ある参加者は、フィラデルフィアの空港に迎えに来た妻を
このリトリートで練習したように抱きしめたところ、
いまだかつて経験したことがない感動を彼女に与えて、
これが縁で、彼女も次のシカゴのリトリートに参加する
ことになりました。

……
たとえば、あなたの娘さんが、あなたの前にすがたを見せた
としましょう。そのとき、あなたのこころがそこになくて、
過去や未来のことを心配したり、怒りや恐れにとりつかれて
いたら、その子はあなたの前に立っていても、いないも同然
です。

娘さんもあなたも、ともに実在しない幻になってしまいます。
そのこと一緒にいたいならば、あなたはいまここに立ち戻ら
なければなりません。

意識的な呼吸をして、こころと体をひとつにし、もう一度
自分を生きた存在にしてみてください。あなたが本当に
いまここに戻れば、娘さんもまた現実の存在としてそこに
現れるのです。

その子の存在は奇跡のように、いまここの出会いを可能に
してくれるのです。その子を抱き締めて、息に戻ってみて
ください。

そうすれば、あなたは愛する子がいま自分の前にいること
への愛しさに目ざめ、生命がそこにすがたを現わすのです。


次回につづく

テーマ:仏教・佛教
ジャンル:学問・文化・芸術
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