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2014年02月01日 (土) | Edit |
谷沢永一著「人間通」新潮選書より (4)


人褒め

競争の目的は勝利であり、
そのためには他の誰よりも
実力を蓄えなければならぬ。

しかし規則(ルール)のない一般社会では
明確な判定を求めえない。

能力を数値で顕証してもらえないから、
証明されていない自惚(うぬぼれ)が頭をもたげる。

自分を思いこみだけ優位におくため、
仲間のひとりひとりをさまざまに罵(ののし)り、
ひとりみずからを高みにおいて卑しい快をむさぼる。

人間通 (新潮文庫)人間通 (新潮文庫)
(2002/05)
谷沢 永一

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もし同僚の誰かが本当に無能(すかたん)であるなら、
自分が競争相手よりいちだん上であるのを喜びとし、
黙って満足しておればよいのに、それを口汚く
卑(いや)しめ貶(おとし)め蔑(さげす)むのはなぜか。

そのかくされている動機はただひとつ、
私を褒めてくれ持ちあげてくれと
叫んでいるだけのことなのだ。

世に人を罵(ののし)って当り散らす悪口雑言型が
あまりにも多いのは、自分が期待している頌辞を
誰からも与えられない不平不満に基づく。

人は誰でも自分を褒めてもらいたい。
しかし自分が人を褒めるのは嫌なのだ。

その間の行き違いから至る所で
無意味な諍(いさか)いが生じる。


人の世をまるくおさめる方法はただひとつ、
誰もが褒め上手になろうとする修練である。

諸人(もろびと)に立てられ押しあげられる人は、
必ずきまって人を褒める勘所を心得た訳知りである。

人に嫌われ不遇におちいる扱いにくい型(タイプ)は、
決して人を褒めない不平屋である。

そして誰をも褒めようとせぬ難儀な口とがらし屋は、
人の長所が目に入らぬ遅鈍型である。
ゆえに誰からも何かを学びとる機会がない。


或る人物に発育の可能性が
あるか否かを試すには、
その人が何をどう褒めるかに
耳を傾ければよいのである。


次回につづく

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