2014年01月08日 (水) | Edit |
ティク・ナット・ハン著「微笑を生きる」春秋社より (35)


仏教心理学で使う言葉に「こころの形成物」「束縛」
あるいは「しこり」を意味する用語があります。

感覚器官を通じて何かをインプットすると、
その情報の受容の仕方によっては、
こころのなかにしこりができます。

だれかが私たちの悪口を言ったとき、
もし相手がなぜそのようなことを言うかわかっていて、
その言葉を深刻に受けとらなければ、
こころはまったく動揺しません。

微笑みを生きる―“気づき”の瞑想と実践微笑みを生きる―“気づき”の瞑想と実践
(2002/02)
ティク・ナット ハン

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こころにしこりは生じないのです。
しかし相手がなぜそのような悪口を言うのか理解
できなくていらだってしまうと、こころのなかに
しこりができます。

こころに生じるしこりの原因は、
ものごとを明確に理解しないところにあるのです。

気づきの練習を丹念につづけていくと、
こころのなかにしこりが発生するや否や、
即座にそれに気づけるようになり、
変化させる方法も講じられます。

たとえば、パーティーで夫が自慢話をしているところを
妻が耳にして、こころのなかで彼を軽蔑したとします。

もし彼女が、このときすぐに彼に思ったことを話して
いれば、気持ちもすっきりして、誤解をとくことができ、
こころのしこりは簡単に消えてゆきます。

このようなこころのしこりは、発生するや否や、ただちに
気づくことが大切なのです。しこりがまだ小さくて弱い
ときに気づいてやると、簡単に変容させることができます。

こころにしこりが生じたとき、
すぐにそれを解かなかったら、
それはどんどん強固なものに育ってしまいます。

私たちは理性的な意識のうえでは、怒りや恐れ、後悔と
いった否定的な感情が、自分にも社会にも受け入れ
られないとわかっているので、忘れるために抑制したり、
意識の届かないところへ押しやったりします。

苦痛を排除するために防衛機能を働かせて、
そんな否定的感情が存在することを認めず、
心中は安らかだ、と思いこもうとします。

しかし私たちのこころに発生したしこりは、
つねに破壊的なイメージ、感情、思考、言葉、
行動へと発露を見いだすものなのです。

無意識下で起こったこのようなこころの形成物を
扱うには、まずそれに気づく方法をみつけることです。

呼吸に気づく練習は、こころのなかで結ばれてしまった
しこりを見つけだすよい方法です。


次回につづく

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