2013年12月01日 (日) | Edit |
谷沢永一著「人間通」新潮選書より (2)

可愛気

色の白いは七難かくすという。
人間の欠点がおおい隠されて
世の人から好意を得ることが出来る
性格の急所は可愛気(かわいげ)であろう。

あいつには至らんところが多いけれど、
なにしろ可愛気があるから大目に見てやれよ、
と寛大に評価される場合がほとんどである。

これに類するあるいは
これにかわる長所は他にちょっと
考えられない。

人間通 (新潮文庫)人間通 (新潮文庫)
(2002/05)
谷沢 永一

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才能も、知恵も、努力も、業績も、身持ちも、忠誠も、
すべてをひっくるめたところで、
ただ可愛気があるというだけの奴にはかなわない。

人は実績に基づいてではなく
性格によって評価される。

女が男を選ぶときの呼吸に
どこか似ているのかもしれない。

この可愛気がはたして自力で
培(つちか)いえるものかどうか、
つまり努力目標になりえるか否かは
確たる見通しが立たない。

むしろ猿真似は危険であるから
自分も可愛気のある性格になりたい
などと高望みせぬほうがよい…。


しかし可愛気そのものは自作自演できなくても、
その一段下のところを目指すことは可能である。

可愛気の次に人から好まれる素質、
それは、律儀、である。

秀吉は可愛気、家康は律儀、
それをもって天下の人心を収攬(しゅうらん)した。

律儀なら努めて達し得るであろう。
律儀を磨きあげればほとんど
可愛気に近づくのである。

そのため有効な近道は
可愛気のある人物に近づき
誼(よしみ)を通ずる手筈である。

好意をもってつきあっている友人の
癖はなんとなく影響する。

いわんや積極的に学ぼうと努めるなら、
幾分なりとも得るところがあろう。

こうしてアマチュア段階の
可愛気が身につくことは
可能なのである。



次回につづく


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