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2013年10月22日 (火) | Edit |
月洞 譲著「老子の読み方」祥伝社NON-BOOKより (7)

魯の孔子が周を訪問したとき、老子をたずねて、
主として礼について質問した。
初対面のとき、老子は孔子に、

「私は『よい商人は品物を奥に深くしまいこんで、
店先はからっぽにしている。君子は立派な徳を
身につけながら、容貌は馬鹿のようである』
ということを聞いている。

あなたも、高慢さと欲深さと体裁ぶりとすけべい心
を捨てたらどうだ。どれも君にとって
役に立たないことばかりだ」

と言った。

老子の読み方―“無為自然”―強かに生きる哲学 (ノン・ブック 207 知的サラリーマン・シリーズ 16)老子の読み方―“無為自然”―強かに生きる哲学 (ノン・ブック 207 知的サラリーマン・シリーズ 16)
(1982/09)
月洞 譲

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孔子が、「今や道は行われなくなりました。どこの国へ
行っても受け入れてくれません」というと、老子は、

「しゃべる者はおしゃべりでしくじる。
聞く者は言葉でしくじる。
この二つを心得ていれば道は忘れられないよ」

と答えた。孔子が帰るとき、老子が送って言うには、
「私はお金を贈ることはできないから、
せめて言葉を贈ろう。

聡明でもののよくわかる人でありながら
死ぬような目に遭(あ)うのは、
他人を批判するのが好きな者だ。

能弁で行き届いた人が
その身を危うくするのは、
他人の悪を暴くことを好む者だ。

人の子たる者は我(が)を持っていてはならぬし、
人の臣たる者も我を持ってはならぬ」

孔子は後に、弟子に向かって、
「鳥や虫や獣はつかまえる方法があるが、
竜だけは風雲に乗じて天に登り、どうにもつかめない。
しゃべる者はおしゃべりでしくじる
老子を見るとまるで竜のような気がする」
と嘆息したという(『史記』)

その後、老子は周王朝が衰微してゆくのを見て、
ついに洛陽(らくよう)を去る。

函谷関(かんこくかん)に着いたとき、
関所の長尹喜(いんき)は、
老子がなみの人ではないのを見て、教えを請うた。

そこで老子は五千字の書物を著したという。
これがすなわち、現在に伝わる『老子』とされている。

『史記』には、
「その終わる所を知らず」
と記されているが、

老子は流砂の西に去ったという説もある。
事実はそのようなことではなかったのかもしれないが、
そういう幻想を抱かされるのが老子なのである。


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コメント
この記事へのコメント
みなさんこんにちは
タンブラー楽しんでいらっしゃいますか?

今日のタンブラーでお気に入りの文章が
見つかりましたのでコピペさせていただきます。

「しないことリスト」

・自分の経験や記憶で、他人に善悪の評価をしない。
・世間が作った価値基準だけが正しいと思わない。
・外から入ってくる情報に惑わされて人を羨むことをしない。
・心が休まらないほど、欲張らない。
・嫌なことから良いことが見出せず、嫌なことのままなら思い出さない。
・こうじゃないとダメだ!という自分勝手な思い込みに振り回されない。
・変化が必要な時に邪魔になるのは自分の記憶なので、記憶の中にある常識を過信しない。
・文句とか悪口を言われたって、一時的なことだし気にしない。
・美しいとか醜いとかは変化するから、自分を卑下したり、相手を差別したりしない。
・年齢など人間が勝手に作ったものだから、自分の年齢なんて気にしない。
・心配ばかりしていたら生を楽しめない、死は自然に委ねて、死を怖がらない。
・自分が正しくて、相手が間違っていると思わない。
・他人も自分と同じように感じたり思ったりしていると思わない。
・自分にも相手にも完璧を求めない。
・世界の一部でしかない人間が、何でも白黒つけようとし過ぎない。
・自分の幸せだけを考えない。
・自然に勝てる訳ないので、ややこしく難しく考えすぎない。
・すべては変わるので、不変の物事があると思わない。
・自分らしく生きる道があればそれでいいので、自分の道と他人の道を比べない。

2013/10/24(Thu) 14:25 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
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