2013年06月22日 (土) | Edit |
月洞 譲著「老子の読み方」祥伝社NON-BOOKより (3)


PTAの母親が校長室を訪れると、
校長は用務員室へ行っているという。

そこで用務員室へ行くと、
校長は一杯機嫌で「よーっ、いらしゃい。
お酌をお願いできませんかね」と言う。

おかあさん連中も面食らったが、
よその学校にくらべて、校長先生がこんなに
親しみやすくのんびりしているようなら、

学校は安心だというので、
かえって評判がよくなった。

老子の読み方―“無為自然”―強かに生きる哲学 (ノン・ブック 207 知的サラリーマン・シリーズ 16)老子の読み方―“無為自然”―強かに生きる哲学 (ノン・ブック 207 知的サラリーマン・シリーズ 16)
(1982/09)
月洞 譲

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先生連中は、校長が言いたいことも我慢して、
われわれに任せているのだということを敏感に感じ取り、
校長に迷惑かけないようにと努力する。

旅行や行事の始めの式にも、
校長は一言「先生の注意をよく聞け」と言うだけなので、
すべて自分たちで綿密に計画して運営する。

一方用務員室では、そろそろ校長の来る時間になると
「おつまみ」を用意して待っている。

こういうような話を聞くと、ほんとうかなあと思う。
たしかに、その学校はうまくいっているし、
生徒の進学率がよいことでは毎年週刊誌でも騒がれる。

そこで「事件が起こることは心配しなかったのか」
と尋ねると、

「それは生徒の旅行中に事故が起これば、役所からは、
校長の事前の注意はどうだったのかと追究されるだろう。
またPTAのおかあさんたちが、『校長は学校で酒を飲んで、

母親連中に酌をさせた』という投書でも出せば、
懲戒免職ものだろうよ。でも、僕はそんなことはないと
信じていたから気が楽だった」と答えた。

もし、この校長の経営がうまくいっていたとすれば、
それは、この捨身の無心さにあるのだろう。

なにか実績を挙げてやろうという成心や邪心を
持たないのがよいのである。

今の世の中で何かをわざわざやる人には、
必ず何かコンタンがあると見てよい。そういう意味でも
「無為自然」は負けない生き方なのである。



湯川博士の家では、
漢学が家学(家代々に伝わる学問)であった。

博士も祖父や父から『論語』や『孟子』を
教えられたが、『老子』や『荘子』は
教えてもらえなかった。

その、親があまり見せたがらない書物の『荘子』を
盗み読みしているうちに、博士は中間子理論の
重大なヒントを得たという話がある。


次回につづく

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