2013年06月08日 (土) | Edit |
ティク・ナット・ハン著「微笑を生きる」春秋社より (28)


感情を扱う第一歩は、
それが生じたらすぐに気づくことです。
気づくこころが主人公です。

たとえば恐れが起こったとすると、
まず気づきを出動させて、
こころのなかの恐れを観察させ、

ありのままに、
それを恐れの感情だと確認させます。

そうすれば、その恐れは自分のなかから
跳びだしてきたもので、気づきのこころと同じ、
自分のこころの組成物だと気づくはずです。

微笑みを生きる―“気づき”の瞑想と実践微笑みを生きる―“気づき”の瞑想と実践
(2002/02)
ティク・ナット ハン

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どちらもあなたのなかにあって、
おたがい争う関係ではなく、
一方が他方をいたわり世話をする関係です。


次の段階はその感情と一体となることです。
こんなふうに乱暴に扱わないで下さい。

「恐れなんか出ていけ。おまえなんか大嫌いだ。
おまえは私とは無関係だ」。

そうではなくて、こう言ったほうがもっと効き目が
あるでしょう。

「恐れさん、こんにちは。
きょうのご機嫌はいかがですか」。

そう言ってから、このふたつの自分
(恐れと気づきのこころ)を招き寄せて、
仲よく握手させ、ひとつに合体させるのです。

こんな芸当ができるなんて信じられないと思われる
かもしれませんが、あなたは自分が、こんなちっぽけな
恐れにまいってしまうような弱虫ではない自信がある
はずですから、心配しないでやってみてください。

気づきがそこで働いているかぎり、あなたの恐れに
ちゃんとつき添っていてくれるので、安心してください。

ここで大切なことは、意識的呼吸によって気づきを育て、
それをいつも力強く溌剌と働かせておくことです。

はじめは気づきの力もそう強力ではないかもしれませんが、
育ててゆけば、しだいに強固なものになってゆきます。

気づきがあるかぎり、
恐れに引き込まれることはありません。

実際のところ、こころに気づきを呼びだすや、
即座に恐れの変容ははじまるのです。


第三の段階は、感情を静めることです。
気づきをしっかりと働かせながら、
こころを落ちつかせてゆきます。

「息を吸って、私は体とこころの活動を静める」。
そっと寄り添ってやるだけで感情は静まります。

ちょうどお母さんが優しく赤ちゃんを抱きしめる
ように、そばにいてやればよいのです。お母さんの
優しさが子どものこころを静め、泣きやませます。

母性はあなたの気づきと同じです。ともに意識の深み
から湧きあがってきて、痛みを癒してくれます。
赤ちゃんを抱いているお母さんは、赤ちゃんと一体です。

もしお母さんが何かほかのことを考えていたら、
赤ちゃんは静まりません。お母さんは、ほかのことは
すべてわきへ置いて、ただ赤ちゃんを抱きしめればよい
のです。

だから、あなたは感情を避けることなく、
「おまえはちっぽけなただの感情だ」などと言わずに
近づいてゆき、その感情とひとつになって、
こう言ってみてください。

「息を吐きながら、私は恐れを静める」と。



次回につづく

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