2012年07月01日 (日) | Edit |
J・クリシュナムルティ 中川吉晴訳「瞑 想」星雲社より(30)



“あなた”と“わたし”という言葉が

ものごとを引き離してしまう

このような分裂は

このふしぎな沈黙と静けさのなかには存在しない

あなたが窓の外を見たとき

空間と時間は なくなったようにみえた


分け隔てる空間には

まったくリアリティがなかった

木の葉も

ユーカリの樹も

青く輝く水も

あなたと異なるものではなかった


miti
瞑想は ほんとうに単純なことだ

それをむずかしくしているのは

わたしたちだ

わたしたちは そのまわりに

観念の織物をつくりあげる

「瞑想とは これこれのものだ」とか……

しかし 瞑想は

そのようなものではない

瞑想は あまりに単純で

わたしたちの眼をすりぬけてしまう

わたしたちの心は

きわめて複雑で

古びたものになっていて

時間にもとづいているからだ

このような心が

ハートのはたらきを支配すると

やっかいな問題がもちあがる

しかし 瞑想は

おどろくほど やすやすと

自然におとずれる

あなたが 砂のうえを歩いているとき

窓から外を見わたすとき

さりゆく夏の陽に燃えたつ

雄大な丘をながめているときに……

なぜ わたしたち人間は

こうも苦しみに苛まれているのだろう

眼には 涙をうかべ

唇には 偽りの笑みをうかべ……

あなたが独りきりで

丘を歩き

森のなかを歩き

白く長い砂浜を歩くことができるなら

その独りきりのなかで

瞑想とはなにかを知るだろう



あなたが

独りであることをおそれず

世界にくみせず

なにものにも執着していないとき

独りであることのエクスタシーがうまれる

今日の朝おとずれた夜明けのように

それは静かにやってくる

まさにその静寂のなかで

黄金に輝く道が照らしだされる

それは

はじめからそこにあり

いまも現前している

そして いつもそこに

ありつづけるだろう


瞑想瞑想
(1998/06)
J.クリシュナムルティ

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次回につづく

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