2012年06月19日 (火) | Edit |
秋山さと子著「悟りの分析」朝日出版社 より


触らぬ神に祟りなしといって、
なにも、わざわざ苦労の種を見つけなくても、
一生うまくごまかして暮らすことだって、
できるかもしれません。

しかし、それではあまりに人生の表面だけを
素通りすることになってしまって、
ほんとうに充実した幸福は味わえません。

どこかむなしい自己欺瞞的な生活を
送ることになってしまいます。

だから、災難にあったり、
ノイローゼに陥ったりすることは、
いつも悪いことではなくて、

立ち直ることさえできれば、
かえってそれをきっかけに、
生きることのほんとうの喜びや意味を
見出すことができるようになるかもしれません。

悟りの分析―仏教とユング心理学の接点 (PHP文庫)悟りの分析―仏教とユング心理学の接点 (PHP文庫)
(1991/06)
秋山 さと子

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そこで、仏教では、
あくまでもごまかさないで、
人間の生きる姿を見つめ、

すべては苦以外のなにものでもないことを
自覚することからはじめるのです。


それではなぜそれほど、
生きていることが苦なのかというと、

仏教では、それは諸法無我、
つまりあらゆるものには
実体がないからだというのです。

そして実体がないのに、
それがあるように錯覚しているから、
そこからあらゆる苦労が生まれるのだと
考えるのです。

精神分析では、
すべて無意識的なものは、
外界の現実に投影されるので、

人は決して現実の状況やものを
そのままには見ないで、
無意識のイメージの銀幕を通して
見ていると考えています。

これは、仏教の煩悩の考え方に近く、
実体を錯覚するという点では、
かなり似た考えといえましよう。


人生がなぜ苦かという理由に、
仏教では諸行無常、
つまりあらゆる行いは決して
同じ状態にとどまらない、

ものごとはいつも移り変わって
いるからだというのです。

それなのに、
人間はそれを知ろうとしないで、
なにかいいことがあれば、
それが永久に続けばいいと思うのです。

あるいは続くはずだと思ってしまうので、
いつも裏切られてばかりいます。


人間は良くも悪くも、
過去の記憶や未来への希望に
動かされて生きています。

そして過去にとらわれたり、
未来に期待を持ちすぎたりするから、
そこに問題がでてくるわけです。

しかし多くの人はそういうことには
まったく気がついていません。

そこから、
過去にさかのぼるフロイトの無意識説や、
未来への予想によるアードラーの無意識説が
生まれてくるわけです。

諸法無我は空間的な考え方で、
諸行無常は時間的な考え方といえます。


次回につづく
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コメント
この記事へのコメント
人間は現実を見ていない
精神分析では、
すべて無意識的なものは、
外界の現実に投影されるので、

人は決して現実の状況やものを
そのままには見ないで、
無意識のイメージの銀幕を通して
見ていると考えています。

ここのところが
一番のポイントになると
思います。

ただひたすら
自己観察を
続けるのみと
いうことでしょうか

2012/06/25(Mon) 14:55 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
生きることの本当の意味
生きることの本当の意味は何ですか?
と尋ねられたら、なんと答えるだろう?

まずは、やまんばはこの摩訶不思議な体、心を持って、今 ここにいることに感謝です。
雨の音、鳥のさえずりを聞き、パソコンを見て、キーボードで、自分の思いを順番にたたいて現わしている
コーヒーの香りを嗅ぎ、味わっている 
同時にさまざまなことをやってのけてくれているこの体

すばらしい
ありがたい

生きている

そして、自分以外の人がいて 言葉を交わしたりしている。言葉を交わさなくとも、仕草や、間や、雰囲気で相手を感じとることもできる。
やさしく 思いやることもできるし、助け合いはげますこともできる
反対に 憎み合い、傷つけあい、暴力をふるい、あげくの果てには殺し合い、戦争もすることができる

人間とは
摩訶不思議な生き物ですね。

2012年、6月21日の朝、静かに
「生きることの本当の意味」をしみじみ考えることのできる今の自分が、「ここにいる」ということは・・・・

感謝以外なにもありません。

このいただいた賜物を使って、今日やまんばにできることをしていこうと思います。
2012/06/21(Thu) 07:19 | URL  | やまんばさん #-[ 編集]
おはようございます。
やまんば、この本に興味を持ちました。
一冊買って、じっくり読んでみたいと思いました。

2012/06/19(Tue) 06:49 | URL  | やまんばさん #-[ 編集]
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