2011年06月06日 (月) | Edit |
3.11からまもなく3カ月が経とうとしています。
6.11には、各地で原発反対の集会やデモが予定され
ています。今回ご紹介するのは原発反対を叫び続けて
40年、京都大学原子炉実験所の小出裕章さんです。

小出さんは、東北大学在学中、当時女川町に建設予定だ
った原子力発電所に対し地元住民が反対する現状を知っ
たそうです。このとき、彼らが主張する「(原発が)安
全ならば、なぜ仙台市に建設しないのか」という問いに
対する答えを見出さなければならないと考え、答えを導
き出しました。

koide


その答えとは、「(原子力とは)都会では引き受けられ
ないリスクを持っている。したがって、電力消費地に近
い都会では建設が困難なため,こうしたリスクを過疎の
街に押し付けようとしている」というものであった。

この答えに到達して以降、自らの原子力に対する考えと
人生についての選択肢を180度転換させる。「この事実は
とても認めることはできない、止めさせよう、これから
は原子力を止めさせる方向へ自らの力を注いでいこうと
決心した」といいます。

当初は「これからは石油・石炭でなく原子力の時代」と
考え原子力工学を志すも、現代の原子力工学における放
射線被害の実態を知ったことで、原子力発電に反対する
スタンスをとるようになった。以後現在まで一貫して
「原子力をやめることに役に立つ研究」を行っている。
(小出裕章 - Wikipediaより)

原発のウソ (扶桑社新書)原発のウソ (扶桑社新書)
(2011/06/01)
小出 裕章

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40年間原発の危険性を訴え続けてきた研究者の警告
「原発のコストは高い」「“安全な被曝量”は存在しない」「原発を全部止めても電気は足りる」。40年間原発の危険性を訴え続けてきた研究者が語る「原発の真実」とは。

6月3日 安全な被曝は存在しない 小出裕章 (zakzak)
2011年6月3日、ZAKZAKに小出裕章氏(京都大学原子炉実験所
助教)に取材した記事が掲載されました。転載させていただきます。

「低線量でも“安全な被曝”は存在しない」(2011.06.03)

最近、「放射線レベルが低いから安全」とか「ただちに健康に影響
を及ぼすものではない」と“専門家”が解説しているのをよく耳に
します。しかし、放射線には「しきい値」はありません。
「安全な被曝」などないのです。

「しきい値」とは、放射線を浴びて体に症状が出る最低の被曝量を
言います。でも、しきい値以下でも、細胞の分子結合が損傷を受け
るのは避けられません。

私のこの主張は、低レベル放射線の影響を長年調べてきた米国科学
アカデミー研究審議会(BEIR)が’05年に出した見解――
「被曝のリスクは低線量にいたるまで直線的に存在し続け、しきい
値はない。最小限の被曝であっても、人類に対して危険を及ぼす可
能性がある」――で裏付けられました。

低レベルの被曝であっても、がんの発症率が上がるとの研究結果が
出ています。どんなに低線量でも、被曝しないことにこしたことは
ありません。まして、放射性廃棄物をリサイクルして使用するなど、
絶対にあってはならない。

人形峠のウラン残土の問題でも、「安全です」と繰り返し残土を放
置した機構(当時は動力炉・核燃料開発事業団)は、人形峠全体の
0.6%にしかすぎない残土すら適切に処理できなかったのです。

そして、ウランレンガを生産した鳥取県の三朝町では、それを2万
個使って公園を造りました。自治体はいい加減な解決に手を貸すべ
きではないと思います。子供たちが遊ぶ公園に、放射性廃棄物が使
われているのです。

残土に限りません。原発からは、運転中も運転停止後も核のゴミが
排出されます。そのうち低レベル放射性廃棄物は300年もの管理
が必要です。300年後まで責任を持って管理するというのも、
非常に大変なことです。

さらに、原発から排出される高レベル放射性廃棄物は、その管理に
100万年が必要で、日本では既に広島型原爆110万発分の廃棄
物が溜まっています。しかし、この高レベル放射性廃棄物の処分方
を確定できた国は世界に一つもないのです。

取材・文・撮影/樫田秀樹

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6月4日 対策はいくら立てても無駄 小出裕章
2011年6月4日のNEWSポストセブンの記事で、小出裕章氏(京都大学
原子炉実験所助教)のコメントが紹介されています。転載させてい
ただきます。

原発専門家 「対策はいくら立てても無駄」「想定外起きる」

福島原発の事故で人間は本当に原子力をコントロールできるのかが、
問われた。コントールは不可能という小出裕章・京都大学原子炉実験
所助教と武田邦彦・中部大教授の意見を紹介する。
 * * *
【小出】過去にいろいろな原発事故が起きるたびに、対策を施してき
たが、対策はいくら立てても無駄だ。次の事故は、我々がまったく想
定もしなかった要因によって引き起こされるからだ。

【武田】文科省は、福島県内の子供たちが学校での活動中に浴びても
いい放射線量の基準として、年間1ミリシーベルトから20ミリシーベル
トに引き上げた。

この数値は異常に高く、将来的に極めて深刻な結果をもたらすだろう。
政府・文科省の場当たり的な対応により被害を拡大させているとしか
思えない。この政府の体たらくでは、原発という危険なプラントを任
せることはできない。

「脱原発」という問題は、民主主義的な選択の対象になるのではないか
と思う。原発を捨てるか、健康を捨てるかは国や文科省が決めるのでは
ない。我々国民が選ぶのだ。国民が、自らの命をコントロールすべきな
のである。国民投票を行なうことが必要だ。※SAPIO2011年6月15日号

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小出裕章氏と大橋弘忠氏の誌上対決 (週刊現代)
2011年5月30日(月)発売の週刊現代の記事で、大橋弘忠氏(東京大学大学
院工学系研究科教授、原子力委員会専門委員)と小出裕章氏(京都大学
原子炉実験所助教)のコメントが共に掲載されています。

今回両氏が直接対話しているわけではありませんが、2005年に佐賀県で行
われたプルサーマル公開討論会の模様(参考記事)を知る人にとっては、
「因縁の対決」とも言える記事になっているように思います。

記事名

「プルトニウムは飲んでも大丈夫」原子力村の東大教授へ
(週刊現代 2011年6月11日号 5月30日発売)

小出裕章氏のコメント(転載)

「毒物というのは体への取り込み方でその毒性は変わります。プルトニウム
の場合、水として口から飲むより、空気中に微粒子として飛ぶプルトニウム
を鼻から吸い込むほうが怖い。ほんの少量でも吸い込むと肺がんで死んでし
まうリスクが高まるからです。ですから、確かに吸い込むより飲むほうが危
険度は低い。

とはいえ、水としてプルトニウムを飲んだとしても、被曝するのは事実。
被曝というものに、安全なものはありません。したがって『プルトニウムは
怖くない』という彼の発言は、明らかに間違いです」

大橋弘忠氏の見解

週刊現代編集部は、大橋氏に対し、「プルトニウムを飲め」と言われたら飲
むことができるのか、また今でも「原発は安全」と言い切れるのか、直接取
材を試みたということですが、大学に話すなと言われている、授業が始まる
から等の理由で応じなかったそうです。

ただし今回の事故についてはメールでの返答があったということです。概要
は以下の通りです。

・今回の事故の原因は津波だけであり、地震動はほとんど関係しない。10mを
大きく超える津波は専門家も予想しなかった。津波が電源系をほとんど全滅さ
せることや、海水冷却系の機器を流出させることも想定されていなかった。

・事故については東電はよく対応してきた。後は大きな放射能放出はないと思う。

・まじめに技術的な解説をする人を御用学者のように決めつける風潮があるのは
残念。冷静な議論や判断、それに資する報道を期待する。

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5月31日 ゼオライトとバーミキュライト 小出裕章 (MBS)
2011年5月31日(火)、MBS(毎日放送)ラジオ「たね蒔きジャーナル」に、小出裕章氏
(京大原子炉実験所助教)が出演されました。

要約

・(2号機で新しい試みが始まった。使用済み燃料プールで循環する冷却装置を
31日夕方から試運転し、20時に本格稼動した。期待できるか?)分からない
が、良かったと思う。

・(2号機ではプールからの蒸発で作業できなかったが?)2号機だけは爆発に
よる建屋の損傷がないため、蒸気が出ると充満してしまうから、今回冷却装置が
できてよかった。

・(冷却装置は難しいと思っていたが簡単だった?)2号機は爆発がおきておらず、
まずはそこからということだろう。これからどんどん難しくなる。

・(これまで原子炉建屋からタービン建屋に汚染水が漏れているが?)それとは関
係ない。2号機はサプレッションチェンバー(圧力抑制室)に大きな穴があいてい
て、水がそこからあふれてタービン建屋にもれており、使用済み燃料プールで循環
冷却ができたとしても、タービン建屋への汚染水の漏れには関係ない。

・(リスナーからグリーンピースの海洋汚染調査について質問。原発から50キロ
離れている地点の海藻からキロ当たり1万ベクレル超の放射性物質が検出された。
これをどうとらえるか?)普通は1キロあたりでは検出できない。これはとてつも
ない汚染。私ははじめから海の汚染を調べるためには海藻を調べるのが第一と言っ
てきた。海藻は逃げられないため汚染がよくわかる。海の汚染は、まず海藻、次に
貝類、最後は魚を調べる。どうして海藻のデータを公表しないのかこれまで不思議
に思ってきた。魚から調べれば値は小さく見える。

・(水産庁は放射性物質は魚に蓄積しないと言う。海洋学者は蓄積するという。
政府の言うことは本当だろうか?)私は海洋学者ではないが、濃縮すると思う。
魚は回遊性のため、事故後すぐに濃度が高くなることはない。本来は海藻から
調査すべきだった。

・(グリーンピースがまず海藻から調べているのは科学的?)そうだ。

・(日本政府はグリーンピースの調査にいい感触をもっていないようだが?)
そんなことを言うなら、さぼらずに政府自らやるべきだ。

・(離れた地点の海藻で1万ベクレルというのはどう考えたらいいか?)今後海藻、
わかめ、ひじきは猛烈な汚染が出てくる。

・(汚染は高くなる一方か?)そうでもない。放出される量と生き物の代謝のバラ
ンス。ただ膨大な量の放射性物質が出ているため長期に渡って汚染は続く。

・(調査結果の公表を続けるべき?)それを公表すると多くの人は食べたくなくな
る。すると地域の漁業は崩壊してしまうだろう。

・(2号機3号機の外にシルトフェンスを作っているが効果は?)多分ない。

・(6月2日から新たに浄化装置を稼働させ、ゼオライトにセシウムを吸着させる
そうだ。効果は?)私はバーミクライト(バーミキュライト)がいいと思う。これは、
ありふれた安価な土壌改良材だがセシウムにはいい。ゼオライトもやらないよりはい
い。ただ今現在のセシウムを全部捕まえようとすると、どちらにしても大した効果は
ない。

・(汚染水が海へ出たことで皆が大騒ぎしたが今はそういう報道はない。出ていない
のか?)もちろん出ていて、毎日海に流れている。9万トンの汚染水はトレンチ、タ
ービン建屋、立坑にたまっている。これらすべてはコンクリ構造物で、地震でできた
亀裂から必ず常に漏れている。地下にしみて海に流れていると思う。

・(その値はデータとして出されていないが?)調べていない。ピットの水を止めよ
うとしたが、あれは見えていたもので、その濃度を測れば計算はできた。今は地下経
由で流れており、評価ができない。一刻も早く汚染水をトレンチ、地下、立坑から取
り除かないといけない。

・(海上から定点観測は出来るはずだが?)していない。沖合での定点観測でもいいし、
日々調べることが必要。だが、東電や政府としては海の汚染を認めたくない、小さく見
せたいということだろう。

全体文字起こし

(「小出裕章 (京大助教) 非公式まとめ」から転載させて頂きました)


小出裕章さんの記事は、今回コピーさせて頂いた『小出裕章 (京大助教) 非公式まとめ』
をはじめ、YouTubeにも膨大にあります。

【大切な人に伝えてください】小出裕章さん『隠される原子力』(1:46;27)


小出裕章氏:核燃料露出の1号機は既に人類未体験ゾーンへ(21:15)



今回のろくろくブログの表題「もうやめよう、原子力、ほんとうに・・・」は、
京都大学原子炉実験所原子力安全研究グループの資料「第110回原
子力安全問題ゼミ2011年3月18日(金)の題名から拝借したものです。

京都大学原子炉実験所原子力安全研究グループにも膨大な資料があります。
是非ご覧ください。

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コメント
この記事へのコメント
すべての原発は止めるべし
子供たちにこれ以上負の遺産を残すべきではない
です。ですからなんとしても原発は止めなくては
なりません。

東大の原発の先生たちには東電などからお金が渡
されていて国民の側に立った意見が封じられてい
ます。

その点小出裕章さんを始めとする京大原子炉実験所
の先生たちはとても大切な仕事をして下さっている
と思います。有難うございます。

ゼオライトは購入して飲んでますが、ここ二、三日
は飲むのをすっかり忘れていました。

小出裕章さんによるとあまり効果がないという風に
言っておられますが、お話のスケールが違うではな
いかとも思います。

ろくろくの飲むゼオライトは、自分の体に入れる
程度のものですが、小出裕章さんは海や福島の汚
染地帯を全部浄化するのにはあまり効果がないと
おっしゃているのだと思います。

ろくろくの飲むゼオライトも実際のところ、効果
のほどはわかりません。
2011/06/08(Wed) 18:29 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
小出さんのビデオ、全部ではありませんが、見させていただきました。
本当に恐ろしいことです。「原発によって出来る死の灰の後始末もできない・・・そういうものは せめてこれ以上つくるな!!」、やまんばもそう思います。やめてほしいです。
そして、それを自分でいうなら、毅然として節電をこころがけねばならないのだと 心底思いました。やまんばに出来ることはそれくらいしか思いつかないのです。

ろくろくさんへ 
忘れっぽい天使・・・ウイリアム ブレークやクリムトの見たことのない作品を紹介してくださり、ありがとうございました。やはりクリムトの風景画は、普通の風景を描いておられるのだけど、やまんばにとっては、別の次元の風景に誘われていってしまうような不思議な感覚になります。
幻想の花も興味深かったです。

こんなにたくさんの世界をみていると(原発も含む)、中には人間の底の無いような不気味とも思えるような怖さを感じるとともに、だからこそ美しいのだと、人間賛歌の気持ちをも、同時に味わせてもらっております。

小出さんの言葉の中に、「自分は敗北の人生ではありましたが・・・だが、絶望はしていません。」というのを聞いたとき、やまんば涙がこぼれました。
支離滅裂でごめんなさい。
2011/06/07(Tue) 11:26 | URL  | やまんばさん #-[ 編集]
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