2011年02月16日 (水) | Edit |
おおいみつる著「ヨーガに生きる 中村天風とカリアッパ師の歩み」より (2)

そして、またまた次の日の夕方、
犬とともにいる三郎の前を
カリアッパ師が通りかかった。

「よく、教われよ」
「その犬は、お前のよい指導者になってくれるからな」
と、言ったのである。

「いくら私が愚かでも、犬より劣るとは思いません」
「そうかな?」


「いったい何を、犬から教わるのですか?」


「生きる道だ。この犬のほうが、
お前よりは遥かに完全な生き方をしている。
お前は人間のくせに、
この犬の半分も完全な生き方をしていない。
だから、教われと言ったのだ。」

「分からないかな。
それでは、分かるようにしてあげよう」

ヨーガに生きる
ヨーガに生きる―中村天風とカリアッパ師の歩み

「おまえは、文明の国アメリカで、
医学を学んだのだな」
「はい、そうです」
「そのお前が、どうして自分の病が治せないのだ?」

「結核は現在の医学では治せないのです。
たとえ私が医者であっても、関係ありません」

「お前の頭では、その程度のことしか
考えられないのか」

「それもだ、お前はまだそんなに若いではないか。
まして医学のある文明の国に住み、
その上、人の病を治す医者ならば、
他の人よりは病にかかりにくいはずだ。
知識もあるし、
それだけ技術を持っているのだからな」

「お前は、自分が間違った生き方をしているとは
思っていないのだな?」

「ええ、もちろんです」

「そうだろうなあ、しかしな、
自分では間違っていないと思っていても、
私の目からすれば、お前の生き方などは、
もう間違いだらけもいいところだ」

「………………」

koinu
こねこいぬ子猫子犬待ち受け画像さんからお借りしました。


「お前は明けても暮れても、
体のことばかり考えているだろう。
少しは、心のことを考えてやったことがあるのか?」

「私くらい、心のことを考えている人間はいません」

「そうか、考えているのか。
でも、お前の言う心というのは、
熱が上がりはしないか、
息苦しくなるんではないかと、
体を心配するほうの心ではないか」

「………………?」

「私が言うのは、そんな心のことではないぞ。
お前が体を大事にするのとおなじように、
心そのものを大事にする、
そういう心のことだ」

「ちょっと、その犬を貸してごらん」
三郎が犬を手渡すと、カリアッパ師は
右手のハサミで子犬の前脚を
軽くちょんと切ったのである。

「キャン、キャン」
子犬の前脚からは、
血がぽたぽたと滴り落ちた。

師は子犬を三郎に返しながら、
「今度はお前の番だ。手を出してごらん」
と言った。

「えっ?…………」三郎はためらった。
「さあ、早く」


次回につづく



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コメント
この記事へのコメント
子犬はほんとうにかわいいですね。

かわいい期間は短くて
半年くらいで終わってしまう。

その半年の間の愛おしさをまた味わいたくて
飼ってしまいそうになります。

2011/02/17(Thu) 18:35 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
手は出したくないなあ^^^
こうやって疑うのがいけないのかなあ^^^、完全な生き方ってなんだろう?

次回が楽しみです。

この犬、可愛ゆ~~~いです!
目が可愛い。手があどけない。あの舌の感触・・・・懐かしく思い出します。

もう二度と犬は飼わないと決心しているけど、このような写真をみると、    グラッ@@@
2011/02/16(Wed) 10:13 | URL  | やまんばさん #-[ 編集]
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