2010年04月24日 (土) | Edit |
今回は、正木晃 著「密教的生活のすすめ」の中から
「マンダラを実践する!」を取り上げてみた。

第2章の「密教は体に効く!」ではハードな修行するための
体作りの具体的方法として、密教体操を図入りで紹介している。

第3章「密教瞑想法入門」では、月輪観による瞑想法をわかり
やすく紹介している。私は以前高野山の金剛峯寺に訪れた際に
出来たばかりのピカピカの専用道場で月輪観の方法を学んだこ
とがあった。座禅などとは違って、大変に分かり易かったのを
記憶している。

そして今回は第5章「マンダラを実践する!」で紹介している
「マンダラ塗り絵」をみなさんとご一緒に描いてみたい。

そもそもマンダラと何だろうか? 
正木晃さんによると、

マンダラは、密教が、大は宇宙(世界)の構造から、小は私たち
の心身の構造まで、密教が把握する真理を、視覚によって表現
するために、発明した図像もしくは立体造形だ。

・・・では、なにゆえに、マンダラは開発されたのか。その答
えは、マンダラを利用して、密教的な悟りを体験しようとここ
ろみるため。

その悟りとは、宇宙(世界)と自分自身が、本質的には同じもの
だという認識を体得することにほかならない。

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今年は平城遷都1300年に当るとして、お祭り騒ぎのただ中にお
わします奈良の大仏を建立する典拠になった「華厳経」では、
マンダラを「円輪具足」と意訳する。「円くて、なにひとつ欠
けたところがないもの」という意味。正木晃さんは名訳だと仰
っている。

また弘法大師空海は、なぜ密教がマンダラを発明し、利用して
きたかについてその理由を次のように述べている。(4章107頁)

「密教の教えは深く神秘的なために、文字では伝えがたい。
そこで図像をもちいて、理解できない人の眼を開くのだ。」


前置きが長くなりましたが、第5章では、正木晃さんが創作し、
かつ長年にわたって普及につとめてきた「マンダラ塗り絵」に
ついて語っている。

マンダラ塗り絵は、マンダラ型の線図に、自由に色を塗ってい
くことで、自分の内面を認識したり、心身の状態をより良い方
向へ導いていくための、具体的な方法。

密教的な知恵を再生して、現代社会の難問解決に寄与できない
か、そう念願してきた私にとっては、少なくとも現時点では、
方法論になっている。

その効用は、健常者の自己認識を深めることからはじまり、
いわゆる癒しの行為を超えて、最近ではうつ対策、認知症の
防止、子どもの問題行動の緩和にまでおよんできている。


では、さっそく実際に「マンダラ塗り絵」を描いてみましょう。

ネットで検索しますと、無料でダウンロード出来るものが沢山
ありますので最初はそういったものを利用してみるのがよいで
しょう。

代表的なものに、2003年3月に大阪の国立民族学博物館で
開かれた「マンダラ展」のサイトの中に、素敵な「マンダラ塗
り絵」
の図形が3点あります。そのなかのお気に入りのものを
ダウンロードして印刷してみましょう。

また同マンダラ展で、正木晃さんが「マンダラ塗り絵の手引き」
を寄せておられますので下に転載させて頂きました。

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色について

マンダラ塗り絵は、ふつう五色ほどの色を選んで塗っていただきます。色の選び方は塗る方の自由ですが、歴史上のマンダラが赤・青・黄・緑・白の五色で塗られている場合が多いので、それにならうのが良いかもしれません。この五色ですと色と色の対比が明確ですので、完成したときに、くっきり鮮やかな感じになります。

しかし、これはあくまで一つの事例に過ぎず、必ずしもこうする必然性はありません。そのときの気分で、色を選んでいただいて、まったくかまいません。むしろ、そうしたほうが、塗る方の心身の状態を如実に表現することになりますので、かえって良いと思います。
気分と色の選び方の間には、おそらく何らかの相関関係があるはずです。少し例をあげてみましょう。

気分が高揚しているときは、当然ですが、赤系や黄系が多くなります。色そのものの彩度や明度も高くなります。さらに赤系や黄系と鮮やかなコントラストを示す系統の色が、補完的な色として選ばれる可能性が高くなるでしょう。したがって、マンダラ全体としてみた場合も、コントラストが強くなるはずです。

反対に、気分が沈んでいれば、はやり沈んだ感じの色、たとえば青系や緑系の色が多くなる傾向があります。色そのものの彩度や明度も低くなります。さらに落ち込んでいれば、茶・灰などの、いわゆる無彩色が多くなります。また、色の数が少なくなる可能性があります。したがって、マンダラ全体としてみた場合も、コントラストは弱くなるはずです。

要するに、以上の事例は気分が色を選ぶことを示しています。ということは、この論理を逆転させると、どんな色を選んだかで、そのときの気分をある程度まで客観的に把握することが可能になるはずです。ときには、身体の状態を知る手助けになるかもしれません。

たとえば、気分はハイなのに、塗り終わったマンダラのコントラストが低いときは、心のどこかにハイになりきれない領域があることになります。そういうときは、きっと心配事がひそんでいます。もしかしたら、身体の状態が少しバランスを崩しているのかもしれません。ちょっと注意して、無理をしないようにしてください。


形について

マンダラ塗り絵は、基本的に対称性を重視して作成してあります。ですから、ごくふつうに塗ってゆけば、離れて見たとき、対照的な線や図形が浮かび上がってくるはずです。またマンダラのパターンによっては、螺旋や渦巻きをはじめとして、エネルギーというか勢いというか、何かしら力を感じさせる形が浮かび上がってくることもあります。ときには、マンダラの中心部が盛り上がってきたり、その逆に沈み込んでゆくような感じが出てくることもあります。

次は、注意すべき事例です。実際には滅多にありませんが、もし対称性がほとんど感じられなかったり、いちじるしくバランスの崩れた線や図形が浮かび上がったり、あるいは力が全く感じられないようなときは、心か身体のいずれかに、ときとしては心と身体の両方に、ふつうとは異なる状況が生まれている可能性があります。そういうときは、ご自身の心身に十分な注意をなさってください。

もちろん、美的なセンスから、意図的にバランスを崩して色を塗る場合は、その限りではありません。
ただし、意図的にバランスを崩した場合と、意図せずに結果的にバランスが崩れてしまった場合では、塗り終わったマンダラに明らかな違いが出ます。意図的にバランスを崩した場合は、表面上のバランスは崩れているように見えても、それを補う何かがマンダラの上にあって、変な言い方で恐縮ですが、バランスが崩れていながら安定感があります。しかし、意図せずに結果的にバランスが崩れてしまった場合は、いいようのない違和感や不安定感が出てきてしまいます。それは誰が見ても、はっきりそうわかるものです。


最も大切なこと

以上の点は、あくまで一般論として、そう言えるというまでで、例外はいくらでもあります。したがって、これまで述べてきたことにこだわる必要はありません。

それよりずっと大切なことは、マンダラ塗り絵を継続することにあります。週に一度くらい、土曜日なら土曜日と日を決めて、長期間塗り続けてみてください。

そうしているうちに、いつもとは違う色や形がマンダラに出てくることがあります。そういうときは、心身の深いところで、ふつうとは異なる何かが誕生したり進行しようとしている可能性があります。

むろん、その「何か」は、良いものもあれば、良くないものもあるかもしれません。いずれにしても通常とは異なる状態が心身に生じようとしている可能性があるのですから、心身ともに用心しておくほうが良いと思います。

マンダラ塗り絵において最も意味あることは、みずからの内側の奥深くに潜んでいて、ふつうの手段ではなかなか把握できない「何か」を、目に見えるものにできるかもしれないという点です。この点を十分に理解していただき、塗り絵を続けていただきたいと思います。


色については、第5章「マンダラを実践する!」では、赤・青
・黄・緑・白の五色に黒を加えています。「ただし、白と黒は
調味料的に使い、あまり大きな面積には使わないようにする。
できれば、中間色も避けたほうがいい。あくまで、基本は、は
っきりくっきり、だ。」とあります。

なにはともかく是非一度「マンダラ塗り絵」を描いてみてくだ
さい。また詳細は正木晃 著「密教的生活のすすめ」をご覧く
ださい。


「マンダラ展-チベット・ネパールの仏たち-」企画展-2006年7月8日~9月24日 このページの一番下にもマンダラの図形が5点あります。

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コメント
この記事へのコメント
ろくろくさんへ
洋裁用のチャコペーパーも消えるのがあるのですが、少し濃いように思います。画材屋さんに行くと、青やグレーのチャコペーパーが置いてあります。1500円くらい?

やまんばが描くのであればということで昨日はコメントしたのですが、水彩絵の具や、日本画には顔彩という箱絵の具もあり、一度買っておくと、絵手紙などにも使え、簡単で便利だと思います。

また、昨日送信した後、思いついたのですが、用紙は色紙もよいのではないかなあと思いました。色紙には滲み止めをしたものがありますし、マンダラを描くには便利な、すでに中を丸くデザインしたもの(丸の外は金や銀色)も売っています。また絹の色紙もあり、少し線に慣れてきたら、発色も美しいので素敵にできあがるのではないかなあと想像しました^^。
2010/04/26(Mon) 22:06 | URL  | やまんばさん #-[ 編集]
画用紙
おかしいなと思っていたら、やはり画用紙というのは
いくつもあって、その中にケント紙も入っていました。
ワトソン紙、M画用紙、ケント紙、・・・
マーメイドというのがよさそうですね。ワトソン紙も。
http://dessin.art-map.net/item/gayousi/01.htm

チャコペーパーは知りませんでした。
このチャコペーパーの色は、消えてしまうのですか?
もっとも黒の線を描いていけば気になりませんけどね。

水干絵具、岩絵の具は膠と混ぜなくてはいけないのです
よね。それがちょっとめんどうですね。
http://nihonga-style.com/suihienogu-no-tokikata.html

昨日マンダラ塗り絵を色鉛筆でやってみました。
色ムラがあるのがちょっと気になりますね。それと
色は赤、黄、緑、青の4色だけで描いてみましたが、ちっと
淋しい印象になりました。次回は白と黒も使ってみようと
思っています。

正木晃さんはほかのマンダラ塗り絵の本ではサインペンを使う
ことを勧めていますね。塗りムラがなくはっきり、くっきりと
しますからね。

一度はやまんばさんのような本格的なマンダラ塗り絵を描いて
みたいとは思いますが、みなさんはあまり気にせずに手元に
ある画材を使って先ず描いてみることをお勧めします。

結構はまりますので、ご用心!
やまんばさんありがとうございました(*- -)(*_ _)ペコリ



2010/04/26(Mon) 15:39 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
まんだら塗り絵
ろくろくブログのスピードはものすごいものがありますね^^
やまんばはコピー紙やケント紙に色を塗ったことはあまりありません。

もし、やまんばがまんだら塗り絵をするなら、用紙は画用紙にするのではないかと思います。
①コピー紙にまんだら塗り絵のパターンをコピーする。
②画用紙の上にチャコペーパーを置きその上にコピーしたまんだら塗り絵の原画を置き、ボールぺんで写す。
③写し終えたら、面相筆を用い、墨で、先ほどの写した線をたどって丁寧に線をひく。
④線が乾いたら、水干絵具か岩絵の具で塗る
(アクリル絵の具でも良いのではないでしょうか)
白は胡粉で描くとくっきりと白が浮かび上がり、出来上がりが美しいと思います。

墨をすったり、線をかくのはとても精神集中が出来、さらに効果はあがるのではないかと思われます。

以上です^^。
2010/04/25(Sun) 08:54 | URL  | やまんばさん #-[ 編集]
ひろぼうさん
「希望」の話は、クリシュナムルティのみで終えることが
できません。岸田秀さんは「自我を持たざるをえない人間
にとって、未来を持たねばならない」と言います。

未来を持つためには未来に目標を設定しなければならず、
われわれ人間は「希望」をもたないでいることができない。
というわけです。

禅の言葉だったか「二辺往来」というのがあります。

時に未来に希望を持ち無我夢中になる。
時に希望をかなぐりすててあるがままを受け入れる。

この二辺を臨機応変に往来することが世渡りの秘訣と
いうことになるのかもしれません。


2010/04/24(Sat) 15:26 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
やまんばさん
やまんばさんは今現役で絵を描いておられるので
お聞きするのですが、

A4の大きさのコピー用紙にマンダラ塗り絵を印刷した場合
やまんばさんなら何で描かれますか? 水彩絵の具、色鉛筆、
クレパス、水性ペン、などがあると思いますが・・・・・

今タイピングしながら思いついたのですが、コピー用紙に印
刷すると決めつけなくて、ケント紙に印刷することもできま
すね。ケント紙だとポスターカラーもいいかな、とか。

私はすでにコピー用紙にマンダラ塗り絵を印刷してしまった
のが10枚以上ありますので、先ずは、色鉛筆で塗ってみようと
思います。

2010/04/24(Sat) 14:47 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
無我夢中になれるもの
なるほど・・・西行の歌のように
「執着心を貫いてなし得る事がある事に大変感銘致しました」
のですね。そうしたことが、ひろぼうさんを「死への恐怖から解放」
させたのですね。お答え頂いて有難うございます。

やまんばさんの場合は日本画、私の友人の一人はサーフィン、
別の友人は乗馬、というように「無我夢中になれるもの」が
ある人はそういう意味では幸せ者ですね。

ひろぼうさんには「無我夢中になれるもの」がありますか?


この「西行の執着」には続きがあります。遠からずブログに
掲載させて頂きますのでもうしばらくお待ちください。

2010/04/24(Sat) 14:27 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
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