2009年06月17日 (水) | Edit |
Wikipediaによると
妙好人(みょうこうにん)とは、浄土系仏教などで、
信仰心が篤い在家念仏信者を称賛して言う言葉。

司馬遼太郎は、日常の瑣末のことがらにまで仏教的な
悟りに似た境地にある一般人を指すと言っている。


昨今のろくろくブログの流れでご説明するならば、
妙好人とは「自己観察のマスター」。

おのれの思考や感情に振り回されることなく、
あるいは振り回されながらも、
おのれの内面を観察することができる人・・・

妙好人の言葉は数多く残されていて、
私たちが自己観察力をつけていく際の参考にすること
ができます。

有名どころは、因幡の源左、浅原才市、榎本栄一など
ですが、今回は浅田正作。ろくろくの知らぬ人です。

念仏詩集・骨道を行く念仏詩集・骨道を行く
(2002/07)
不明

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悲痛

ひとつになれない
私が 分裂している
この悲痛が
私を歩ませている


  いれもの

やどかりが
自分の殻を
自分だと言ったら
おかしいだろう
私は 自分の殻を
自分だと思っている


   回心

自分が可愛い
ただ それだけのことで
生きていた
それが 深い悲しみとなったとき
ちがった世界が
ひらけて来た


   幸せもの

とおい昔
死ぬほどに苦しんだ
あのことが
私を ここまで


   驕慢心

酒ものまぬ たばこも止めた
パチンコもマージャンも
なんにも出来ない
甲斐性なしが
自分は 善人だと
思い込んでいる


   鬼

折れて見て
初めて見えた
鬼の角
折れた思いが
また 角になり


   骨道を行く

人生 それは
絶望以上の現実だった
だが この苦悩に身を投じ
骨となって
願に生きた人がある
骨道ひとすじ
私もこの道を行こう


   まむし

なにかひと言いいたくなる
この根性の根っこに
人に噛みつくまむしが
住みついていて
ときどき
鎌首をもたげる


   いただく

他人が なんの苦もなく
手にしている幸せが
自分だけに
与えられない不運を
恨みつづけたが
今は その悔しさまでが
いただかれて


   見える

昔はいつも 誰かと
自分をくらべて
いじけたり のぼせたり
今も やっぱり
それをやるが
やったあとに
それが見える


   自我

なんにも わからないものが
また わかったつもりで
行き詰まっていた


   自分

愧づかしい自分
愧づかしい自分を
見ている
自分ではない自分


   泥鮒

泥に酔った鮒が
新しい水に入れられて
どれだけ泥を吐いても
泥が出て来るので
泥が自分だったと
呆れている


   無明

くらさを くらさとも
感じられず
光が当てられた
一瞬だけ ドキンとする
この鈍感さを
悲しいとも思わず


  体得

楽になりたくて
仏法聞き始めたが
楽を求めぬのが
一番楽と
体でわかって来た


   ここ

ここに居て喜べず
ずい分
よそを捜したが
ここをはなれて
喜びは
どこにもなかった



浅田正作
 「骨道を行く」より


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コメント
この記事へのコメント
やまんばさん
浅田正作さんの詩どれもよいですね。


自我

なんにも わからないものが
また わかったつもりで
行き詰まっていた



この自我の詩も良いですね。

しったかぶりの人って多いですよね。
わたくしも少し前までは、その傾向がありました。
いやいやいまでもまだまだあると・・・

わからいことは恥だと思ってました。
わからないままでよいのでした。


2009/06/18(Thu) 09:50 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
こんばんわ^^
普段静かなやまんばのおうちに、今日はどうしたものか4組のお客様が来られました。

念仏詩集・・・しあわせもの * ここ * まむし * 見える・・・
読ませていただきながら、同感し何度もうなずきました。とくに*まむし*はこの方のように人にかみつくまむしではありませんが、やまんばの無意識の底にも、まむしが潜んでいるようです。しかし、やまんばはここブログのおかげで、まだわずかですが逃げなくて見ることが出来つつあるように思えます。
そして、この詩の中の*しあわせもの*に記されているように、ひょっとしたら、そのまむしは受け止め方を変えれば、やまんばの宝物なのかもしれない・・・と、思い始めてさえいるのです。
そしてまた、まむしは形をさまざまにかえて、すべての人の心に住み着いているのではないかとも思いました。
2009/06/18(Thu) 00:39 | URL  | やまんばさん #-[ 編集]
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