2009年04月22日 (水) | Edit |
映画「おくりびと」の原作といわれている
青木新門著「納棺夫日記」を読み終えました。

第三章までの本文は僅かに144ページであった
ことでもあり、わりと気楽に読み始めたのですが、
甘かったです。

彼の死や死者に対する接し方は暖かく好意的で、
現代人のわれわれのように、冷たく拒絶的では
ありませんでした。

そして宗教、なかでも親鸞に対する洞察の深さ
には感服しました。なまなかな人がたどり着ける
内容ではないと思いました。

納棺夫日記 (文春文庫)納棺夫日記 (文春文庫)
(1996/07)
青木 新門

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「日記と題していながら、日記でもなければ、
自叙伝とも小説とも言えず、宗教書でもなけ
れば、哲学書でもない。あえて言えば、ノン
フィクションかなと思ったりしてみたがそう
ともいえない。」

と、著者も文庫本のためのあとがきで述べていま
すが、それらのどれにも当てはまるとも言えます。

わたしにとっては宗教書というのが一番近かった
ように思えます。

「親鸞が不可思議光と名づける、この〈ひかり〉
に出合うと不思議な現象が起きる。

まず生への執着がなくなり、
同時に死への恐怖もなくなり、
安らかな清らかな気持ちになり、
すべてを許す心になり、

あらゆるものへ感謝の気持ちがあふれ出る状態と
なる。この光と出合うと、おのずからそうなるの
である。」という。

光に出合うことは、大乗仏教が目ざす最終目標へ
一瞬のうちに到達することになってしまう。

自らが死を受け入れたとき、この光に出合うこと
があるという。あるいは幼少のころ、両親や親族
の死に目に合うことで光に出合うことがあるとい
う。

青木さんは「詩人(=宗教家)」についてとてもユ
ニークな捕らえ方をしていらっしゃいます。

「この世に詩人が生まれるのは、人生の初期段階
で、あの不思議な光が関わっているのではないか」

法然、明恵、道元、一遍、親鸞、これらの高僧は
おしなべて、十歳未満で父母との別離に出会って
いる。

こうした幼い日の悲しみの光は、いつまでも残り、
その人生に大きな影響を与えてゆく。


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コメント
この記事へのコメント
ジャクシンさん
あら~冗談ではなくほんとうにお寺を建てるのですね。
http://jackthin.exblog.jp/

「工事が始まりました(3日目)」とありますし、
大工さんらしき人がカンナをかけている写真もありま
すし・・・・・

お寺を建てるというのは、わたしにはもっと重々しい
という印象というか、先入観があったのですが、なん
というかスイスイと、軽々と、工事が進むのですね。

これは驚きを通り越してかなりショックです。


以前からろくろくブログご覧になっていたんですか?
ありがとうございます。(;^_^A アセアセ・・・


2009/04/25(Sat) 21:42 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
>わたしがもし自分の本が原作になって映画を作りたいといわれたら、
目いっぱい露出することになったでしょうね

^^そうですよね。普通はそうしますよね^^
私も元営業マンの性か思いっきりアピールしてしまうと思います。

ろくろく様のお人柄がにじみ出る文章が好きでいつも拝見させてもらってます。これからもどうぞよろしくお願いします。

by ジャクシン

2009/04/24(Fri) 22:10 | URL  | jackthin #fkxczLn.[ 編集]
ジャクシンさん
コメントありがとうがざいました。

そうですか、新門さんは映画の原作者であることを辞退されているんですか。
なるほどね。映画『おくりびと』と『納棺夫日記』とは似て非なるものといった
感じですからね。

それにしても新門さんは一本筋が通っている方ですね。
わたしがもし自分の本が原作になって映画を作りたいといわれたら、
目いっぱい露出することになったでしょうね。

もっとも『納棺夫日記』は原作のまま映画することはできないでしょうね。
ほんとうはとっても大切なことなのに大部分の人にとって興味の無いというか
理解しずらい内容なのだと思います。

ジャクシンさんのブログ「そうだ、寺建てよ。」覗かせていただきました。
http://jackthin.exblog.jp/

すごいですね。お寺を建てようというのですから~
陰ながら応援させていただきます。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


2009/04/24(Fri) 15:45 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
浄土真宗僧侶のジャクシンと申します。

青木新門氏の『納棺夫日記』ですが1993年に富山の桂書房から刊行された時から僧侶たちには話題になっていました。映画『おくりびと』のヒット効果で青木新門氏は再注目されていますが、面白い事に映画の原作者であることを新門氏は辞退されているんですね。

ご本人は映画『おくりびと』はヒューマニズムな作品としては高評価しているのですが著書『納棺夫日記』はあくまでも宗教が中心でその相違から原作者として名前を外してくれと仰ってます。

私も『納棺夫日記』は映画のような人間ドラマと言うよりは宗教書と呼ぶのが相応しいと思いました。
2009/04/24(Fri) 02:50 | URL  | jackthin #fkxczLn.[ 編集]
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