2006年04月24日 (月) | Edit |
月洞 譲著「老子の読み方」祥伝社NON-BOOKより (4)


・・・・・・
親があまり見せたがらない書物の『荘子』を
盗み読みしているうちに、博士は中間子理論の
重大なヒントを得たという話がある。

『論語』や『孟子』にくらべると、
『老子』や『荘子』は、ガラッと違った発想によっている。

そこに、いろいろのアイデアを生む要素が
秘められているのであろう。


太平洋戦争中、
日本の占領している島々がアメリカ軍のために、
次々ともろくも攻め取られているときに、

硫黄島だけが長い間抵抗を続けて陥落しなかった。
というのは、司令官栗林中将が
独特な防御戦法を用いたからだといわれる。

他の島々は敵を一歩も上陸させまいとして、
いわゆる水際撃滅に全力を注いだ。

しかし、いったんそれが破れると、
力を使い果たした日本軍は、
またたく間に全滅してしまった。

ところが栗林中将は、敵の上陸は自由にさせて、
いちばん守りやすいところに強固な陣地を構えて
敵を迎え撃った。

これが、他と違った発想で、
攻撃してくる米軍をおおいに悩ませたのである。
これは、まさに『老子』の発想である。

そして、こういった常識を超えた
発想の持つ力は大きい。

たとえば親鸞は、
善男善女を指導するという立場に立たず、
つねに彼らとともに念仏を唱えつづけた。

『歎異抄』に、「善人なおもて往生す。
いわんや悪人をや」と述べたのは、
当時の人を驚倒させる言葉であったろう。

ふつうなら、「悪人なおもて往生す。
いわんや善人をや」と言うべきである。
しかし親鸞に言わせると、

なまじっかの知識は、かえって往生の妨げになる。
無知で、ただひたすら念仏を唱える者のほうが、
往生しやすいのだと言うのである。

これまた『老子』の中の最も有名な句の一つである
「学を断てば憂いなし」(第二十章)に
通じる考え方であろう。



次回につづく


↓↓↓あなたの応援↓↓↓(1日1クリック)お願いします。

にほんブログ村 哲学ブログへ人気blogランキング精神世界 ランキング

スポンサーサイト
テーマ:哲学
ジャンル:学問・文化・芸術
コメント
この記事へのコメント
耐え忍べば光
錬金術者さん

兵法にお詳しいので、びっくりしています。

理屈通りにいかないのが世の常であり、
忍耐の一言に尽きることだということなのでしょうね?
耐え忍べば光が必ず指してくるということなのでしょう。
知識では試練は解決できないということだと思います。
のところは、納得がいきました。
ありがとうございます。


2006/04/25(Tue) 15:59 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
地獄は一定(いちじょう)すみかぞかし
やまんばさん

法然聖人の言葉にだまされて
念仏した結果地獄に落ちてしまったとしても
私は決して後悔したりなどしない。
どうしたって地獄こそが私の住むべき場所だからである。

といった親鸞聖人の言葉が思い出されました。

地獄におちても後悔しない、という覚悟がいるようです。
2006/04/25(Tue) 15:51 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
相手の油断を生む戦法
 ナポレオンの進行に対してロシアが用いた戦法ですね?戦国時代にも、よく用いられたようです。肉を切らせて骨を断つという格言にあるようです。
 相手に好きなように攻めさせておいて、敵は弱いと思わせて、同時に敵の攻撃戦法を分析する。そしてどんどん進行させ、相手の隙を生ませ、兵站が長くなるようにさせ、持久戦に持ち込み、相手を自分の得意な戦法に導く、そして、ゲリラ戦で、四方八方から仕掛け、相手を疑心暗鬼に落ち込ませ、軍の指揮を堕落させる。これはまるで悪魔が用いる巧妙な誘惑の戦法です。
 相手の戦意を喪失させ、恐怖に陥らせるのが、戦の常套手段といえましょう。
 古来から文武両道といわれてきましたが、それは結局、相手の心理を読むということなのでしょう?
 しかし、あれこれと理屈通りにいかないのが世の常であり、忍耐の一言に尽きることだということなのでしょうね?耐え忍べば光が必ず指してくるということなのでしょう。知識では試練は解決できないということだと思います。
2006/04/25(Tue) 12:32 | URL  | 錬金術者 #-[ 編集]
水際撃滅
やまんばのへぼ将棋みたいです。やまんばは随分ながーい間生きてきたように思えるのです。ろくろくさんにお願いするのは筋違いかもしれませんが、なるだけ往生できるようにリードしていただけませんか。(笑)
2006/04/24(Mon) 20:03 | URL  | やまんばさん #-[ 編集]
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック