2008年12月12日 (金) | Edit |
A・スマナサーラ著「自分に強くなる」サティ瞑想法 国書刊行会より(14)


自分の心をきちんと気づくことができればできるほど、
心のなかの善心所は成長していきます。

善心所が成長すればするほど不善心所は消えていく――
そういう仕組みになっているのです。

この不善心所がぜんぶ消えた状態を、悟りと言うのです。
悟りに至ればもう不善心所は生まれません。

なぜかといえば、悟りに至ればおのずと智慧が生まれる
からです。


智慧の働きと不善心所の働きは、まったく相容れない性質を
もっていますから、智慧があるところに不善心所が生まれる
ことはあり得ません。

身体のなかに風邪のヴィールスに対する抗体ができてしまえ
ば、もういくら風邪のヴィールスが身体のなかに入ってきて
も風邪にかからないように、智慧が生まれると不善心所は心
のなかでもう生存できません。

智慧という働きはとても強い働きです。不善心所のひとつで
ある怒りという働きもかなり強い力ですが、智慧の力には到
底かないません。

人間の怒りという現象はその原因となる種がなければ生まれ
てこないものですが、そこに智慧のある場合は、どんなに人
からバカにされても悪口を言われても、

怒りの種が心のなかにないので平然としています。
それが悟りの境地です。

不善心所は十四種類に分類されていますが、これらが一度に
一瞬にして消えてしまうわけではありません。不善心所にも
いろいろな性質があって、消えやすいものやすごく頑固で消
えにくいものなどいろいろです。

そのなかでも一番頑迷でなかなか消えない不善心所は「無明」
「痴」という働きです。愚かさ、無知、貪瞋痴の痴ですね。
この働きは不善心所のなかでも最後まで残るものです。

痴はパンニャ即ち智慧と正反対の習性をもっていて、
物ごとの状態を見ないと言う働き。

ふだん私たちは怒ったとき、相手のいいところはぜんぜん見よ
うとしませんね。夫婦喧嘩したときなど、奥さんはご主人の、
ご主人は奥さんの悪いところばかり見ます。

そしてぜんぶ相手が悪いのだといって、悪口を並べ立てます。
それはまさしく「痴」の働きです。いいところを見ないように
して、怒りにつなげていっているのです。

また人に対して甘えてみたいときや欲望を叶えてもらおうとい
うようにむさぼる心が起きた場合も、あの人はかわいい、すば
らしいと言っているところばかり見て、

相手の欠点や不正さえも見ないで済ませようとします。
そのように正しく見ないのが「無明」の働きです。

それに対して「智慧」は、物ごとすべてを正しく見る働きです。
従って智慧と無明の働きは両立しません。

ですから智慧の働きが出てくると無明は消えてしまい、
悟った人には煩悩は存在しないということになるのです。




次回につづく


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テーマ:仏教・佛教
ジャンル:学問・文化・芸術
コメント
この記事へのコメント
注意深さが悟り
「私たちは怒ったとき、相手のいいところは
ぜんぜん見ようとしませんね。
夫婦喧嘩したときなど、奥さんはご主人の、
ご主人は奥さんの悪いところばかり見ます」

本当にその通りですね。若いときはよく夫婦
喧嘩をしました。相手の悪いところばかりが
鼻につき、たまらない気持ちになったもので
した。


クリシュナムルティは怒りについて次のよう
に述べています。

「あなたは全体で怒りに気づきます。
そのとき怒りはあるでしょうか。

不注意が怒りであり、
注意深さは怒りではありません。

ですからあなたの全存在による注意深さが
全体を見ることであり、
不注意とは特定のものを見ることなのです」


不注意とはこの場合は「怒り」ですが、
「相手の一部分の悪いところばかり」を見て
「相手の良いところや全体」を見ようとして
いません。

注意深さが悟りであり、智慧の働きが出て
いる状態なのですね。


2008/12/12(Fri) 20:19 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
悟った人に煩悩は存在しない
煩悩がなくなったら、悟ったという目安なのですね・・そんな日が生きてる間に果たしてやってくるのだろうか・????
甘え・・これはむさぼる心と書いてある、あれまあ大変です。経済的にも、精神的にも、自立できないでいるやまんばの生活は甘えの上に成立しているといっても過言ではありません^^^。困ったことです。

昨日の紹介されたブログのところを開けてみました。実況中継・・・ありましたねえ。2006年のことだったのですね。そこの最後のところが心に残りました。

「・・一回きりの生放送。NGや取り消しは一切できません。自分にも相手にも最高の思い出となるように、精一杯大切にしてあげてください。・・・」
鼻がつーんと痛くなりました。
2008/12/12(Fri) 08:16 | URL  | やまんばさん #-[ 編集]
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