2008年12月11日 (木) | Edit |
A・スマナサーラ著「自分に強くなる」サティ瞑想法 国書刊行会より(13)


次に、二十五種類ある善心所のなかでも一番大切な
善心所について説明します。

それは智慧(Pannaパンニャ)という心所です。
パンニャというのは発音をそのまま当て字にした
般若心経の般若です。

智慧というのは知識ではなくまったく違う心の波動で、
すべてのなかで一番力強いのがこの働きです。

これを拡げたらすべてを知ることができるということ
から仏教では「一切智」と言って尊びます。


お釈迦さまはこの一切智をもっておられたと言います。
すべてのことを知るなどというと、すごい智慧のように感じ
られるかも知れませんが、それほど大したことではありませ
ん。だれにもできることです。

何を見ても何を聞いても、その構造がすぐに分かる力。
ヴィパッサナー瞑想はこの智慧の力を成長させようとするも
ので、サティの瞑想と表現しています。

サティとは「念」という漢字を当てていますが、理解しやす
いように言葉を変えれば「気づき」ということになります。
どんな現象、どんな心の動きにも気がつくということ。

瞑想の最初の段階の気づきというならば、善でも悪でもない
基本的な心所のひとつ(マナシカーラ=作意)で、善ともつな
がるし、悪ともつながるし、つながる心所によって善くも悪
くもなる性質を持っています。

たとえば友情を瞑想すると、そこにもサティが入るのです。
友情をどのくらい大きく拡げるかによって、サティという
気づきの力も拡がっていくのです。

ところで気づくという働きはどんな生命にも必ずあります。
そのだれにももっている気づきという心の働きを手がかりに
して、ヴィパッサナー瞑想ははじまります。

何も予備知識のない人にいきなり慈悲の心、友情という共感
の感情から瞑想をはじめなさいと言っても、何のことやら判
断もつかないし、

共感的な友情をこれまでに感じた経験のない人にとっては瞑
想になるわけがありません。しかし、気づきという働きはだ
れにでもあります。

皆さんは、私の話に気づいているから、こうして本を読み進
めていくのですし、時々メモをとったり、本にアンダーライ
ンなどを引いているのでしょう。

寒いときに寒いと気がつく、暑いときに暑いと気がつく――
そういうことは、だれもが日常経験していることです。

気づきの働きがなければ生命は生きていることができません。
ですから常に心のなかにサティは働いているということなの
です。

ヴィパッサナー瞑想は、その気づきという働きをどんどん精
密に、細かく認識できるように拡げていくのです。

それをつづけていくとやがて十四の不善心所、二十五の善心
所のすべての心の働きに気づくことができるようになってい
きます。その結果として自分の心の働きのすべてを知ること
となります。



次回につづく


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ジャンル:学問・文化・芸術
コメント
この記事へのコメント
実況中継
やまんばさんの
「とにかくやっていくしかありません」の言葉に誘発されて
簡単なサティ瞑想法の仕方をご説明いたしましょう。

スマナサーラ長老は、サティ瞑想法の仕方を「実況中継」という言葉で
説明している部分があります。ご自分の日常生活の様子を自ら実況中継
していくのです。

例えば「さあ食事の時間です。お腹がペコペコです。食べるのが随分と
早いですね。もう少しゆっくり食べれませんかね~」といった感じです。

以前、当ブログでも(「自分で自分をモニタリングしよう」2006-05-09)
で、精神科医の大和マヤさんが、「実況中継」という言葉を使って説明
している所があります。とても分かりやすいので以前読まれた方も是
非もう一度読まれて活用してみて下さい。

セルフ・モニタリングとサティ瞑想法は同じことを言っているのだと思い
ます。



「自分で自分をモニタリングしよう」
http://lokulog.blog43.fc2.com/blog-entry-129.html


2008/12/11(Thu) 20:44 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
パンニャ(智慧)
昨日のろくろくさんのコメントも今朝のブログの記載も大切なことが書かれてある

この文章の文字の羅列の蓋を開けたら、グレーの深い世界が広がっている。いままで経験したことのない世界のように感じる

はい わかりましたとは軽々しくいえません。
やまんばの精神構造はまだまだ幾重にも壁があるのかなあ・・・やまんばさえも気付かないことが きっと横たわっているのかもしれない。
「瞑想は、その気づきという働きをどんどん精密に、細かく認識できるように拡げていくのです」

とにかくやっていくしかありません。




2008/12/11(Thu) 08:29 | URL  | やまんばさん #-[ 編集]
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