2008年12月07日 (日) | Edit |
ひろさちや著「狂い」のすすめ 集英社新書より(9)
Ⅰ「狂い」のすすめ(9)


しかし、一休禅師はその「狂い」を通じて、
世間の人々に警告を発しているのです。

「おまえさんたち、金儲けに浮かれているようだけど、
人間は五十年か百年、そのあとは必ず死ぬんだよ。

死ねば、それ、ここにある頭蓋骨、この姿になる。
このことをしっかりと認識しなされ」

一休禅師は親切にそう教えたのです。にもかかわらず
世間の人々は、「正月早々、縁起でもない!」と怒り、
彼を狂者にしてしまった。


本当に狂っているのはどちらでしょうか?

いま、平成の世の中。世の中全体が狂っていませんか。
景気が悪い、もっと景気を良くせねばならない、と、
だれも彼もが景気のことばかり言っています。

景気が良くなるというのは、浪費するからでしょう。
じゃかすか生産し、じゃかすか浪費する。人間が住めない
マンションを建てて売って、それをまた毀して再建する。

そうすれば消費が拡大し、景気が良くなります。そんなの、
狂っていませんか。「もったいない」ですね。

それに経済が発展することは、地球資源の枯渇を意味します。
エネルギー危機になります。アメリカなどはそのエネルギー
危機に対処するために、イラクと戦争をする。

イラクを攻撃して滅茶苦茶にしてしまったのです。独裁政権
がいいか悪いか、それはイラク人自身が決めることではない
ですか!?

それをアメリカが一つの口実にして、石油のための戦争をや
ってのけ、多くのイラク人を苦しめています。アメリカ人自
身が、「石油のための戦争・反対!」とプラカードを掲げて
デモ行進をしていましたよ。経済発展のためには、そういう
戦争も必要なのです。

それからね、経済発展は環境破壊につながります。環境破壊
は地球的規模で進んでいます。地球温暖化・オゾン層破壊・
森林破壊が言われている。地球滅亡の危機が叫ばれているの
です。

しかし、これもアメリカという国ですが、「気候変動枠組条約」
に実効性をもたせるために1997年12月に京都で開かれた国際会
議の議定書、いわゆる京都議定書から離脱してしまった。

あの議定書を批准すれば、アメリカの経済発展が阻害されると
いう理由からです。そのアメリカの属国になっているのが日本
です。日本人もアメリカ人も「経済、経済」ばかりを言ってい
ます。狂っていると思いませんか。

一休禅師は、そのように狂っている日本人に向かって「ただ狂
え!」と呼びかけたのです。狂っている世の中で狂うことが、
まともになれる道なんです。

まともになるということは、「金・かね・カネ」の狂奔をちょ
っと醒めた目で眺める心の余裕を得ることです。そうすると
自由人になれるのです。

それには、人間は誰もが死ぬんだという、冷厳たる真理を直視
することです。それも、もうすぐ死ぬのですよ。わたしなんか
七十歳だから、余命はあとわずかです。

でも十七歳の若者にしたって、そんなに長く生きられる保証は
ありません。ひょとしたら、七十歳のわたしより先に、十七歳
の若者が死ぬかもしれません。老少不定です。

もうすぐ死ぬのだとしたら、あくせく働いて金を貯めてどうな
るんです!?
《何せうぞ くすんで 一期は夢よ ただ狂へ》

……
一休禅師の道歌に、こんなのがあります。

《生まれては死ぬるなりけりおしなべて 
釈迦も達磨も猫も杓子も》

《世の中は食うてはこ(室内の便器)してねて起きて
さてそのあとは死ぬるばかりよ》

一休禅師は「風狂の禅者」でした。
狂った時代にあって狂った生き方を選んだ一休は、
だから自由人であったのです。

世間が押し付けてくる道徳なんかに囚われることなく、自由に
のびのびと、そしてあっけらかんと生きています。わたしたち
も、ちょっと一休禅師の爪の垢でも煎じて飲みましょうよ。

一休禅師のような立派な「狂者」にはなれなくても、
「狂者」のまねごとぐらいはできそうです。
やってみませんか……。



次回につづく


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ジャンル:学問・文化・芸術
コメント
この記事へのコメント
一休和尚像(いっきゅうおしょうぞう)
おっと~~やまんばさん、早くもカムバックですね。

とはいっても12月18日がとりあえず更新の最終日
ですから、後10日ばかりしかありません。しばしの
間よろしくおねがいいたします。

一休さんの肖像画みつけましたよ^^
http://www.tnm.jp/jp/servlet/Con?pageId=B07&processId=02&colid=A10137

やまんばさんは意外なことに?イケメン好みだとは
知りませんでした。もっとも絵を描く人は男女共、
見た目に弱いところがありますね。ホント。

「女は見た目が10割 」(平凡社新書)
という本もある位ですから。しかもこの本の作者は
女性ですよ。鈴木由加里さん。

内容(「BOOK」データベースより)
「見た目至上主義時代の今、男も美容に気遣うことは
普通になった。だが、「見た目」のシバリがきついの
はやはり女である。女たちは熱心に化粧をし、
「キレイ」を目指す。

それは大きな楽しみであると同時に、苦しみでもある。
誰のため、何のため、女は「キレイ」になろうとする
のか。男が首をかしげ、女も戸惑う、化粧と「キレイ」
の真実がここにある。」 そうです。


一休さんの肖像画に戻りますが、これは60歳代の一休
像であるようですね。ちょっと老けているようにも見
えますが、私はけっこうこの一休さん好きですけどねぇ
だめですかねぇ~


なにはともかくやまんばさん、最後の日までお付き合い
頂けるそうでありがとうございます。




2008/12/07(Sun) 18:43 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
追加のコメント
やまんば、コメントの終了宣言が早すぎました。
北京オリンピックのフィナーレの大花火とは比較にもなりませんが、線香花火くらいはやまんばにもあげられます^^。ろくろくさんのお話もたくさん聞かせてほしいですものね^^^^。

といっても別段特別書きたいことはないのです。^^

やまんばがこの世はあてにならないと思ったのは公募に落ち続けたことからわかりました。絵の評価が10人おられたら、10人の評価があるのだと気づいたからです。どこかの偉い批評家の方が、ある絵を評価されると、ほとんどの方がそれになびいているように思えるからです。展覧会をしても「あなたの絵のここがいい」といわれて、機嫌よくしていたら、次の方は「ここがなかったら、この絵が数段よくなるのに、残念ですねえ」・・??ええっ、やまんばにどうしろというのです。
だから、やまんばは世間の評価は捨てました。自分でよいと判断したら、それでオーケーなのだと。

それから、何日か前の一休さんに誘われた女性のことで、一言。ろくろくさん、やまんばは一休さんの肖像画を昔みたときの軽いショックを思い出しました。いままで抱いていたイメージと相当ちがうからです。もし、一休さんが水もしたたるいい男だったら、あの世どうなっていたのでしょうか^^^

やまんば、最後の日まで付き合わせていただきます。だから、ろくろくさんもたくさんお話してくださいね。どうせ、みんな死ぬのなら、毎日を出来るだけ楽しく生きたいです。
2008/12/07(Sun) 07:32 | URL  | やまんばさん #-[ 編集]
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